H28.4.29(金)〜5.1(日) 出羽三山・山寺
 
ゴールデンウイーク前半、山形へ行ってきた。今回の予定は、山の会7人のメンバーで登山組3人とスキー組4人に分かれ、登山組は月山と蔵王山2つの百名山を目指していたが、天候が悪く共に断念。残念ではあるが、図らずも芭蕉を訪ねる旅となり、それなりに楽しむことができたので、「よし」としよう。タイトルも「月山・蔵王山」の予定だったが、「出羽三山・山寺」となり、番外編とした。


H28.4.29(金) 1日目

名古屋空港9時40分発山形空港行きで出かける。山形空港でレンタカーを借り、JR山形駅で東京組と合流。登山組は当初から1日目観光の予定で、羽黒山に向かう。

14時30分羽黒山到着。来る途中降っていた雨もやみ、緑が映える。ここ羽黒山は「出羽三山神社」といい、「羽黒山」「月山」「湯殿山」三山の神を祀っている。冬期「月山」と「湯殿山」には参拝できないからのようだ。山が神であり、古くから修験の場としてお参りされていたらしく、「月山」は過去、「羽黒山」は現在、「湯殿山」は未来を現している。

「涼しさやほの三日月の羽黒山」 芭蕉


 
出羽三山案内図

 
参道

 
 
三神合祭殿

 
鏡池

雨上がりの鏡池は、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
 
爺杉

 
五重塔

下の五重塔から三神合祭殿へお参りするのが、本来のお参りだろうが、時間の関係で、先に上の三神合祭殿にお参りし、車で下の五重塔、爺杉を巡った。爺杉は樹齢1000年、周囲は10mとのこと。五重塔は国宝で平安時代に建てられている。素朴で周りの杉の木と静かさにマッチしている。
約1時間の散策を終えて、本日の宿志津温泉「変若水の湯つたや」に向かった。



H28.4.30(土) 2日目

本日は、今回のメイン登山「月山」登頂の計画だった。月山スキー場は雪が多すぎて、4月上旬にオープンする、珍しいスキー場だ。
朝8時、宿を出発。登山組もスキー組も頂上までは一緒に登る予定だ。リフトを降りると真っ白の白銀の世界。天気はまずまずだが、風が強い。

準備を整えて、登り始めた。直接牛首山方面の道を選んだが、やや平原ぽくなっていてホワイトアウトで行先を見失うことも考えられる。途中から姥ヶ岳方面へ変更。といってもまだ、標高にして50mほど登っただけである。

時折20〜30mの強風が襲ってくる。とても立っていられないくらいの強風だ。スキー組の一人のスキー板が飛ばされてしまった。風にあおられて飛ばされそうになる人も。リーダーのSさんが断念を宣言。リフト上駅に戻って休憩所でコーヒー沸かして体を温めた。

 
月山リフト下駅

 
歩き始めて姥ヶ岳方面

たぶんそうだと思っていたが、下りのリフトは乗せてくれない。登山組3人は、再度アイゼンを装着し、歩いてリフト下駅姥沢まで下った。

 
ここはまだ冬

 
樹氷


12時頃だ。時間があるので、湯殿山神社へお参りすることにした。ところが、50分ほど走ったところ湯殿山道路は通行止めとなっていて、翌日5月1日から通行可とのこと。除雪作業がやっと終わったところのようだった。やむなく今度は「注連寺」に行くことにした。

湯殿山入口から約30分で注連寺到着。観光バスも来ている。受付を済ませて案内をしてくれた。ミシュラン2つ星に指定されているそうだ。月山、湯殿山を仰ぐことができる。かつて月山へはここに立ち寄って修行に入り、また山が女人禁制だったため、女性はここから月山、湯殿山を崇めたとのこと。

その他「即身仏(修行して肉身のまま仏になる)」や天井の絵画等について説明を受けた。

「雲の峰いくつ崩れて月の山」 芭蕉

「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」 芭蕉



 
注連寺

 
月山湖


15時前、志津温泉に戻り、スキー組と合流して蔵王温泉に向かった。


H28.5.1(金) 3日目

朝から雨。本日は蔵王山に登る計画だが、メンバー全員テンションが上がらない。雨(上は雪か)の中、登っても楽しくないし、頂上からの眺めもない。本日も登頂をあきらめて、天童方面の観光と相成った。

まずは山寺を目指した。10時前に山寺(立石寺)に到着。小雨が降っているが、がまんできる程度だ。奥の院まで登ることにした。1000段の石段を登ったところに奥の院がある。雨の山寺もなかなか風情があっていい。しかし「蝉」が鳴く頃がいいような雰囲気だ。(芭蕉の句の影響か)

「閑さや岩にしみ入る蝉の声」 芭蕉

 
 
立石寺本堂

 
奥の院

 
 
開山堂?

 
山寺芭蕉記念館

石段の1つの高さ10cmとすると、奥の院まで標高差100m程度あるだろうか。 今回の山旅で一番たくさん登ったことになる。近くの「山寺芭蕉記念館」を訪れた。ここからは山寺が下から上までの全体像が眺められる。

さて、次は温泉。「銀山温泉」の声が上がったが、ちょっと遠いので、「天童温泉」へ。日帰り温泉を探しているうちに時間が押してきて、先に昼食。山形(天童)名物? 「冷たい肉そば」をいただき、温泉あきらめて解散となった。
今回、天候に恵まれないで、予定していた月山、蔵王山のどちらも登ることができなかった。残念ではあるがこういうときもある。しかしながら芭蕉の存在を再認識したことは収穫だった。芭蕉の歩いた「奥の細道」を歩いてみるのもいいかなと、ふと思った。
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