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「テントを背負って」南アルプス鳳凰山を縦走してきた。今回は、以前から温めていた計画で単独山行だ。この時期登山者が多いため、単独でもあるので、ゆっくり広く寝られるテント泊を選んだ。天候も安定していて、南アルプスの山々の大展望を楽しんできた。 8/7(金) 1日目 名古屋から甲府行きの高速バスで出かけた。甲府へは電車でも時間がかかるため高速バスが便利だ。今回選んだ夜叉神峠登山口には、甲府からさらに夏山登山バス広河原行きで行く。 甲府駅14時発の夏山バスに乗り込んだ。20〜30人の乗客のうち夜叉神峠登山口で下車したのは、私一人だった。ほとんど広河原まて乗車し、北岳・間ノ岳へ登る人たちだ。少し遅めのスタートとなったが、15時30分歩き始めた。本日は、夜叉神峠小屋のテント場まで約1時間の行程だ。 |
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夜叉神峠登山口 |
白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)をバックに |
登山道はよく整備されていて歩きやすい道だ。ほとんど人に出会わない。久しぶりに静かな登山を楽しみながら50分、16時20分に夜叉神峠小屋に到着した。小屋泊は6人ほどだったが、テント泊は私1人だ。テントの設営を見せてほしいと1人の宿泊客がやってきた。約10分で設営できるテントを驚いていた。 担ぎ上げたおでんとサバの味噌煮で食事にした。ザックの重さ15kgは少し軽くなった。食後、暮れゆく白峰三山、北岳・間ノ岳・農鳥岳を眺めた。素晴らしい展望だ。 やがて日が落ち、暗くなってきたのでテントの中にはいった。さわさわと風の音しか聞こえない。時折動物の鳴き声が聞こえてくる。静かな夜だ。自然を感じながら寝入っていった。 |
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一張だけの夜叉神峠小屋テント場 |
夜ご飯 |
8/8(土) 2日目 朝5時に起床した。夜中何回か目が覚めて熟睡はしていないが起きることにした。朝食を取り、テントをかたずけて、6時20分に出発。テントに夜露がかかっているためまた重くなってしまっている。 本日は、鳳凰三山、薬師岳・観音岳・地蔵岳のすべてをめぐって鳳凰小屋までの行程だ。7時30分杖立峠、8時50分苺平を経由して9時22分南御室小屋到着。一息入れることにした。ここは水場があって、豊富な水が湧き出ている。まさしく南アルプスの天然水でおいしい。 |
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夜叉神峠の朝 北岳・間ノ岳 |
薬師岳小屋から薬師岳 |
25分ほど休憩して、また歩き始める。薬師岳小屋に到着する少し前あたりから森林限界を超える。巨岩が現れてくる。鳳凰山は石灰岩の山で、浸食されなかった固い部分が残って、このような巨岩が姿を現せているそうだ。 薬師岳小屋到着10時55分。薬師岳頂上11時15分に到着した。北岳が目の前に大きくそびえる。残念であるが、東側は雲で覆われているので富士山は姿を現せてくれなかった。 さらに縦走すること30分、観音岳に到着。(11時55分) 鳳凰三山の中でもっとも高い。(2841m) ここからは仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳が眺められた。 |
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薬師岳頂上 |
観音岳頂上 |
観音岳から仙丈ケ岳 |
地蔵岳が見えてきた |
次の地蔵岳を目指した。いつものザックの2倍の重さだ。しかも登ったり下ったりの縦走だ。さすがに疲れてきた。地蔵岳のオベリスクが木々の間から見えてきた。ほっとした。地蔵岳到着13時20分。観音岳からコースタイム1時間のところ10分ほど余分にかかってしまった。 写真やDVD等では、何度も見てきたが初めて見るオベリスクに感激。一番高い岩を鳥(鳳凰)の口に見立て、下に続く岩を鳥の羽に見立てたところから鳳凰山の名が付けられたとも言われている。天に向かって羽を広げているようだ。山の名前を調べると面白いが、深田久弥氏はこの巨岩を、「古人はこれを大日如来に擬して尊拝したところから、法皇山の名が生じたと言われている」とも書いている。 |
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地蔵岳オベリスク |
サルオガセ |
これで今回予定した鳳凰三山をすべて廻った。鳳凰小屋に下山した。(14時ちょうど到着) 本日もテント泊。まだ時間的には早かったので十分スペースを確保できたが、本日は土曜なので遅くにはかなりのテントの花が咲いていた。 8/9(日) 3日目 本日は下山して帰宅するのみだ。鳳凰小屋からは御座石鉱泉への下山コースと青木鉱泉へのコースがあるが、道が整備されている御座石鉱泉への下山コースを選択した。青木鉱泉方面は沢沿いに多くの滝があって見るところは多いようだったが、ちょっと体調も良くなかったので、コースタイムも短い御座石鉱泉を選んだ。 御座石鉱泉の温泉に浸かり、3日間の汗を流し、12時30分の韮崎駅行きのバスに乗り込んで、韮崎から塩尻経由名古屋へ帰ってきた。 今回の山旅、鳳凰山は、南アルプスの中でも北岳・間ノ岳や仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳と比べて、夏山シーズンにもかかわらず人が少なく、静かな山歩きができた。そして一度見てみたいと思っていたオベリスクを間近で拝むことができたことをうれしく思う。また、久しぶりに単独テント泊としたが、自然を体に感じる山旅となった。(日本百名山53座目) |
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