H26.8.30〜8.31 富士山(還暦登山)

昨年、還暦の誕生日に合わせて、ここ富士山に望んだが、悪天候のため八合目で断念した経緯がある。今回61歳を迎える誕生日の前のラストチャンスにリベンジだ。今年の夏は、天候が不安定で心配していたが、やっと山の神がほほ笑んでくれたのか、奇跡的に山行中雨に見舞われることもなく、いろいろな富士山の姿を見させてもらった。


8/30(土) 1日目

7時10分名古屋発富士山駅行きの高速バスで出かけた。今回もバス便利用だ。11時40分定刻通りに富士山駅に到着。今回はツアーを利用しないで、自分で立てたプランで、吉田口馬返し(一合目)から登るプランだ。本当は、富士山駅から歩いて、北口本宮浅間大社にお参りしてから、すべて歩いてみたいと思ったが2・3時間余分に時間がかかるため、馬返しまでバスで行くことにした。

12時30分発世界遺産ループバスに乗り込む。中の茶屋で馬返しバスに乗り換えて、13時に馬返しに到着。馬返しバスに乗ったのは、やはり1人で来ている女性と2人だけだった。

 
馬返しバス停


馬返バス

 
13時5分、馬返しの登山口を出発。昨年は、五合目から歩き、森林限界を越えていたので、富士山は溶岩と土の登山道といったイメージをもっていたが、一合目から歩いてみると全く様相が違っている。緑あふれる樹林の中の登山道は美しい。

二合目13時40分、三合目14時、四合目14時20分と順調に歩を進め、今日の宿「佐藤小屋」に到着したのは14時55分だった。馬返しから1時間50分。


 
馬返登山道入り口

 
1合目

佐藤小屋は、富士山で唯一冬も営業していることで知られていて、山の番組でもしばしば紹介されている。ツアー客等は、ほとんど七・八合目に泊まって仮眠した後、翌日の頂上でのご来光に備えるが、ここ五合目佐藤小屋は一般向けではないようだ。本日13名の宿泊者で10人部屋で1人寝させてもらった。

 
緑あふれる登山道

 
佐藤小屋



8/31(日) 2日目

夜中の2時に目が覚めた。4時になったので起床することとし、前日作っていただいた朝食用弁当をいただき、出発の準備を整えた。
4時20分、暗い中ヘッドライトを装着して登り始めた。頂上でご来光を拝む人たちは、2時〜3時頃七・八合目を出発しているから一番人が少ない時間帯だ。

五合目佐藤小屋から六合目の主登山道に出るまでの約30分は、ほとんどだれも歩かない。鬱蒼とした樹林の中、真っ暗の中をヘッドライトを照らしてひとり歩く。気味悪いを通り越して逆に癖になりそうなくらい楽しい。(強がりでなくホントです。)


 
7合目付近からご来光

 
頂上でご来光を拝んだ人たちの下山

六合目の主道に出たあたりから明るくなり始めたのでヘッドライトを外した。徐々に明るくなってきて、七合目手前辺りでご来光を拝むことができた。雲がかかっているし、近くも時折ガスが立ち込めてくるので、一瞬の間である。

この時間帯登る人は少ないとはいうものの、朝早く五合目に到着した人もけっこういる。七・八合目あたりまで登ると、頂上でご来光を拝んだ人達の大群が下山しているところだった。

 
9合目鳥居

 
9合目標識

7時20分、昨年やむなくリタイアした八合目を越えた。8時50分九合目到着。吉田口頂上久須志神社9時20分到着。五合目佐藤小屋から約5時間だった。

 
浅間大社奥宮

 
浅間大社奥宮久須志神社

一息入れて、日本最高峰剣ヶ峰を目指す。火口のまわりをめぐる「お鉢めぐり」だ。直径600mある噴火口はダイナミックだ。これまで山にのぼってきて、いくつかの噴火口を見たが、やはり噴火口も富士山は日本一だ。北側吉田口頂上から富士宮頂上方面に時計回りに歩いていく。雲の合間から太平洋が見下ろすことができた。

剣ヶ峰の手前に馬の背と呼ばれる坂が待っていた。最後の力を振り絞って日本の最高地点に到着。(10時20分)「日本最高峰富士山剣ヶ峰」と書かれた石標の前で記念撮影。「今、私は、日本にいる1億2000万人の中で一番高いところにいる。」と無邪気な気持ちになる。

 
剣ヶ峰

 
日本最高峰富士山剣ヶ峰

 
富士山火口


火口壁

 
富士宮口頂上で食事(800円のカップうどん)をして、下山開始。(11時10分) 下山は、御殿場ルートの砂走り経由、宝永山、プリンスルートを経て富士宮口新五合目までを計画していた。関係ないが、八合目で「24時間テレビ」の障害者、スケートのある有名人が登山するテレビ中継に出合った。

砂走館を過ぎたあたりから、砂走りが始まる。一歩で2・3m進む。なかなか楽しい。

 
頂上付近から太平洋


御殿場口下山道入り口

砂走りの途中、宝永山方面へ分岐する。宝永山は砂走りの途中、宝永山方面へ分岐する。宝永山は雲で見え隠れしている。宝永山へは12時50分到着。ガスが立ち込めて視界は得られなかった。

宝永第一火口方面へ下る。火口前の鞍部で休憩。この後富士宮ルート六合目に出る予定だったが、第一火口分岐から第二火口方面に下ってしまった。富士宮口新五合目への標識に沿って歩いて行くと、あまり人に歩かれていない遊歩道だった。かつての登拝路「村山道」に通じている。道迷いかと少し心配になったが、期せずして落ち着いた雰囲気のコースを辿ることになった。

富士宮口新五合目バス停に14時10分到着。14時30分の新富士駅行きのバスに乗り込んで、本日約10時間の富士登山を終了した。



宝永山

 

宝永第1火口

 
昨年から思い描いていた富士登山。今回やっと実現することができた。いくつもの山を登ってきたが、やはり日本一の富士山に登らなければ、話にならないだろうと思っていた。登るなら還暦登山と思っていたので、今回実現できてうれしく思う。

一合目から五合目までの緑の美しい樹林帯。七・八合目あたりの溶岩道。ダイナミックな噴火口。砂の中を下山する砂走り。いろいろな富士山の姿を見せてもらった。日本最高峰の富士山。世界遺産の富士山。日本一美しい山富士山。登ってみてやはり富士山は日本一だと感じる山旅だった。


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