丹沢山系玄倉川水難

1999/8/16

川に流され14人不明

 関東の南海上を進む熱帯低気圧の影響で、14日朝から東日本の広い範囲で大雨になり、神奈川県山北町の玄倉川(くろくらかわ)では、増水した川の中州でキャンプ中だった18人が取り残され、このうち少なくとも14人が濁流にのみ込まれ、行方不明になった。県警などが現地に対策本部を設置、行方不明になった人達が流されたと見られる丹沢湖にボートなどを出して捜索を続けたが、同日夜までに発見されていない。また、同県藤野町の道志川の中州でも5人が取り残され、うち2人が行方不明となった。同県内ではこのほか5カ所の河川敷で、お盆休みをキャンプで過ごそうとしていた家族連れら計61人が一時、中州などに取り残されたが、全員無事、救出された。(8/15読売新聞朝刊記事より)


 TVはワイドショーで朝から事の顛末を報じている。
情報を総合するとキャンパー達の無謀という事で括れるようだ!!

上流ダムの県職員達がダムの放流に先立ちキャンパー達に避難を呼び掛けたが無視!

 前夜2度に渡り避難を呼びかけたが、取り残された人達はこれを無視して居残ったようだ。
その折り、3人は呼びかけを聞いて避難して無事であった。
これから報道が進に従って今回災難にあって九死に一生を得た人達の声も報道され、この間のいきさつが分かるであろうが、いずれにせよ楽しいはずの盆休みのキャンプが一転無惨な、むごい惨事となってしまった。
まず、災難に遭われた14人と2人の人々の冥福を祈る。


私達のキャンプ

 私達もよく森や河原でキャンプをする。今回の事故のように河原でする場合の注意点を以下に記し参考に供せたら幸いと考える。
私達は車で行けてすぐテントが張れるようなエリアでは余りキャンプをしていない。オートキャンプ場も利用したことがない。
従って荷物はすべてザックなどに納めて現地まで運ぶ。持てるだけが荷物だし、コンパクトにまとめている。(余計な物は持たない)
テント場の選定手順
 予定地に着いたらまずテントを張るのに適した場所を選定する。選定の条件を列記する。
第1 : 増水した場合に安全かどうか?  
     増水した場合に避難ルートはどうか?(山に取り付けるか否か)を確認する。これは山間部(渓流)では雨が降ってきた場合、増水する早さは平地のそれとは比較にならないことを経験的に熟知している。だからテントを張る時はまず逃げ道を第一に選定する。河原の場合には河岸段丘になっている所が多いはずだから、一寸その気になって探せば必ずその様な所は見つかるはず。
キャンプでは酒宴を常としているので、酔っていても避難が可能なような所を見つける。柴や木が生えていることが重要な条件だ。
時にはザイルを上の山肌に生えている木から垂らしておく場合もある。(余り良いテント場でない場合、やむを得ずすることもある)
山の中ではテント場は雨が無くとも上流で降ればあっという間に川は増水する。

第2 : 水場との位置関係
    キャンプに水は欠かせない。だからその川の水が利用できれば問題ないが、出来るだけ枝沢の水を利用するようにしている。その結果テン場は本流に対しては河岸段丘を少なくとも1段上がった位置になる。そうしないと枝沢が増水した場合すぐ水に浸かってしまうからだ。又、枝沢の上流に小屋や登山ルートの有無も事前に調べておく。多くの場合大腸菌などを心配した方が良い。
第3 : 流木の有無
    フャイヤー用の流木が採集できるかどうか? これも重要。一抱えはほしい。(多くの場合大丈夫)
第4 : 地面の状況
    突出した岩の有無。砂地か草地か? 蟻などの虫の心配はないか? 草地や湿ったところにはマムシ等も生息している場合がある。特に雨上がりには石の上や枯れ草の上で甲羅干しをしているので要注意。
そして最後に総合的に爽快感はどうか?

この様なことを瞬時にチェックしながら場所の選定をする。
何時でも安全なテント場を見つけてからテントを張り、薪などの準備をしてから行動を開始することにしている。
そうして行動を始めない、と気が付いたら暗くなっていたというのでは楽しいキャンプは出来ない。
ざっとこの様にして私達はテント場を決め、楽しいキャンプを続けているので参考にして下さい。


最後に土地の人や指導員が注意をしてくれたら素直にそれに従いましょう。
安全に楽しいキャンプをどうぞ!!

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