福島県、栃木県、茨城県ではこの度集中豪雨により、土砂崩れ、洪水により大変な被害が発生しました。
不幸にして亡くなられた方、家を流された方、田畑をメチャメチャにされた方、洪水で家や車が水に浸かった方、心よりお見舞い申し上げます。
突然に降り出した大雨により、一瞬に洪水や土砂崩れに遭われた方は、何が何だか分からない災害でしょう。
これの原因や対策については、今後調査が進むにつれて明らかになることでしょう。
ここでは上流地域の問題は、あまりにも突然に予想を遙かに超える大雨のための災害で、別の機会に検討することとして、那珂川下流域、水戸市を中心にした洪水と公共事業の関わりを取り上げます。
昔から言い古された言葉です。
今、中国では長江(揚子江)が大暴れをして、国家主席の日本公式訪問の日程をキャンセルして、その対策におおあらわです。
洪水は他国のことと高をくくっていた日本も、この度突然「洪水」に見舞われました。
8月28日から降り出した大雨は、那須連峰の北と南で大暴れをしました。(栃木県那須町での総雨量は1,200mmを越しました)
又流れ下って、下流の水戸市でも洪水で多くの家が水に浸かりました。
小渕首相も現地に見舞いに行くほどの災害です。
まだまだ復旧作業が始まったばかりです。災害地の皆さんガンバッテ下さい。
水を治めることが出来ない首相が、今起きている金融不安を収めることは到底出来ないでしょう等と、皮肉を言うつもりはありません。ここでは批判の高い、悪者扱いされている「公共事業とこの度の水害との関わり合い」を少し検証してみます。
那須岳に源を持つ那珂川は栃木、茨城両県を流れ、ひたちなか市で太平洋に流れ出ます。
上流域の被害の原因と対策は今後の調査にゆだねるとして、ここでは水戸市に限って検証してみる。
建設省では長いこと那珂川の治水事業に取り組んでいる。そのためかなりの所は堤防が築造されている。
これまで度々那珂川が氾濫して、水戸市では水害に幾度となく遭っているからである。
前回昭和61年8月にも氾濫して周辺では被害を被っている。
これを契機に尚一層の堤防補強事業を建設省は進めていた矢先の今回の洪水である。
ではどうして堤防築造が遅れているのか?
とかく批判の高い公共事業ではあるが、毎年日本の何処かで人命を失うような災害が起きているが、これを根絶しようと「治水事業」を日夜行政は最大限努力をしていることは事実である。
洪水被害を防ぐため、積極的に堤防築造のための用地提供をしている地権者も多い。
現在の公共事業は昔(戦前)とちがい行政と地権者の話し合いによって進めないとどうにもならない。
従ってその任に当たっている人達の間では「用地買収が完了すれば事業は9割方出来たも同然だ}と言われている。
その様に言われるほど「用地買収」は大変なのである。
那珂川もその例に漏れない。一部地権者の同意が得られず堤防築造(河川改修)が思うように進まない地域があります。
ご存じのように堤防はその一部でも出来ない部分があれば、其処から水は溢れ出ます。それが今回の水害の原因です。
地権者にはそれぞれ今までのいきさつがあり、おいきたと言えない事があるのでしょう。百歩譲って、例えそうであったとしてもこれだけ度々洪水に遭えば、それは地域共同体としての一員だと言うことを、もっと考えても良いのではないか。
土地を持っていない人。地権者が建てたアパートや貸家に住んでいる人。その人達の立場で洪水被害を考えれば答えは直ぐに出ます。
又そのたび毎に費やされる税金。何が公共の利益なのか?
私は強く地権者に望む。言い分は強く行政に言って下さい。その上で一日も早く堤防を作りましょう。公共の利益です。
建設省は災害復旧事業と平行して、今から更なる用地交渉をして下さい。至急作りましょう堤防。
*那珂川に限らず全国にこのような事例は多いのではないか。対岸の火事ならぬ、余所の話とせずもう一度周辺を見渡してみましょう。これは批判の多い公共事業とは違い、是非進めてほしい公共事業であります。(国民の財産を守る事業)
関係者の方、全く関係のない人、いろいろな人のご意見をお待ちします。
動き出した復旧工事と堤防整備
1998/12/12
この度の水害による災害復旧工事にについて、水戸市周辺では12月7日の週に国の災害程度を認定する「災害査定」が実施され、本格的に復旧工事が始動しました。
又、長年の懸案であった堤防工事もやっと目途が着き、既に一部工事が実施されています。これが完成したあかつきには水戸市の那珂川も水害の心配が無くなることでしょう。この事を皆様にご報告いたします。(災い転じて福となれるか)
さらに、この度の水害に対して全国から沢山のお見舞いを頂き、本当に有り難うございました。(関係者に成り代わり?お礼を申し上げます)