「西吾妻国有林における森林環境整備について」検討委員会に参加して

2007/2/23


会議参加

 置賜森林管理署主催の表題会議に参加させていただきました。
2月16日、米沢市の城址公園内の「伝国の杜」にて、関係者による熱心な協議会に同席させていただき、日頃自分たちのしている山とのかかわり方は、これまでどおりでいいのかどうかという疑問を持ち帰りました。

西吾妻国有林の原生的な森林の保全や貴重な野生動植物の保護と、登山者や観光客の増加に伴う利便との調和を如何にしたら良いのかと言う事を、平成16年度から今回の検討委員会まで検討を続けておりました。その最終会に参加しました。

私を含め多くの人が吾妻スカイラインをドライブし、吾妻小富士周辺や浄土山周辺を何気なく見物していますが、貴重な動植物に対する配慮という視点は正直余りありませんでした。スカイラインと西吾妻は少しずれていますが、此処に限らずハイキングや登山の際にどれだけ周辺の環境保全という視点を持っているかということに対しては恥ずかしい限りです。(私は)

私の主張

 私はこの会議の冒頭に「朝日連峰小国口登山道の草刈り」に係わっていることについて、気の向くまま雑感を述べさせていただきました。
当HPにも毎年「ボランティア募集」としていますが、私達参加者はボランティアという意識はほとんどありません。と申しました。
理屈ぽっいですが「ボランティア」と言う言葉の意味合いは、以前あった福井、石川県の海岸を襲ったナホトカ号の重油流出事故。
或いは阪神淡路の震災の際の災害復旧や新潟県の山古志村周辺を襲った震災の時のように、困っている人や地域に対して何かを手助けしてあげる。というような人のため、地域のために出来ることをして差し上げるという意味合いだと考えています。

草刈参加者に今回の会議に際して「参加者の気持ち、意識」を伺いました。
そのご意見を集約すると「ボランティアではない。自分が楽しいから参加する。自分が汗を流すことで満足し、自分が癒されるから」というものでした。
参加者には出来ることをしていただく。「怪我と弁当は自分持ち」これだけが参加者にお願いしていることです。
ですから、同行して山を登る人。ベースキャンプで食事作りを担当する。一緒におしゃべりをし、酒やコーヒーを飲むだけ。岩魚を釣ってたんぱく質を採集する人。これらはすべて有りです。
当然、草刈が出来る人は刈り払い機で草をひたすら刈る。
そして夜はキャンプで懇談。酒盛り。星空観測(眺め)。

草刈ルートが大朝日登山道、大玉山から祝瓶山の縦走ルート。祝瓶登山道小国口。
ベースキャンプも蛇引きの清水。角楢小屋。樋倉の民宿ふもと。の3箇所に分かれ、それぞれにリーダーがいる。
そのリーダーを手助けしてくれる仲間や参加者。

参加者はそのようにすることで、深い朝日の森に入り、森の空気を胸いっぱいに吸い込み、汗を流し、街で溜めたストレスを発散する。
この事で毎年多くの人々が参加し、ご協力をいただいています。
その大多数の人々は我々中心メンバーや地元の初男さんと行動を共にしながら、朝日の山を詳しく説明してもらえる。
少しマニアックな話が多いのだが。

会議の後

 結果はどうであったのでしょうね。
参加した皆様方に納得していただけたのでしょうか?
時間の制約もあり、話し慣れない者としてまとめ方が出来ないこともあり、仲間達の気持ちが伝えられたかどうか?
今年は今回参加しておられたHZU氏の企画が発展して、その仲間達が私達といろいろなことが一緒に出来るようになると、更に楽しい企画に発展できると思います。

報告書より引用させていただくと「自然環境への配慮を欠いた登山道整備は、新たな自然破壊につながるほか、光条件や地下水位の変化による植生破壊が危惧されることから、西吾妻地区の特性に応じた登山道整備のあり方、施工方法等について充分な検討が必要である」とあります。
まさに、そのとおりです。我々自然の中に入る者は、各山域の特性を壊さないように、最小限のことをさせていただくという心構えが肝要。
登山道を整備させていただくということで、何をしても良いという訳ではありません。
初男さんがしているように、高山植物を刈り残す技術を持って、必要最小限の草を刈る気持ち。が必要だと強く感じた会議でした。