2000/01/02
この冬「吊り橋」の維持管理を兼ねて森に入った。
夏道は林道終点まで車で行けるが、冬は徳網集落から歩きとなる。
今回は6名で出発。
リーダーは公園管理人の斉藤さん。サブリーダーは徳網大好きで関東地方生まれなのに徳網に住み着でいる関さん。
それに私達3名が加わり、9:00時出発。
今年は例年になく暮れからの大雪。カンジキを履いても股までで入り込むラッセル。トップを交代しながらひたすら前進。
2時間掛かり針生平。更に1時間でやっと夏道の出発点(林道終点)着。ここで一息ついて最初の仕事は大石橋の除雪。
山盛りの積雪でワイヤーの切断が心配 | 除雪作業(パイプの変形に注意) |
除雪でスッキリした大石橋 |
桁に渡した鉄パイプは雪の重みでくの字に曲がってしまっている。鉄パイプよりも木の方が雪に対しては丈夫であることを発見(軽くて丈夫)。
ここからは本格的な山道。
大石沢を徒渉。大石小屋も雪でほとんど埋もれている。屋根の上に積もった雪が大きなボール状になっていて面白い。
シズイケの吊り橋はこの冬で3回目の雪を迎えた。かなりの積雪があるが心配ない。
今年はここの除雪は神奈川県藤沢市から参加したK氏、Tさんががんばってくれた。
除雪に1時間掛かる。初めての作業で大変でした。ご苦労様。
ここの橋を渡るとまるでブナの森。
実に静かだ。モノクロの世界。風が吹かずに降り続いたせいでビッチリ雪が着いているブナ。
静かな森 |
この森を皆でひたすらラッセル。船が進むときに前面(ミヨシ)に水ノ輪が立つように雪の輪ができる。まるで水中を進むのと同じだ。
トップを歩くのは重労働だけれど、誰も踏んでいない雪面に足跡を付けるのは快感だ!!
3時過ぎにやっと角楢の吊り橋に着いた。
早速橋の除雪。すごい雪だ。K氏が先頭になり除雪。振動を与えたくらいではびくともしない。都合が悪いのは一人しか作業ができないことだ。スコップで割れ目を入れて振動をかけると豪快に雪が落ちていく。
落下する雪の塊 | 最後の壁が大変(なかなか取り付けない) |
橋の除雪を終え角楢小屋に着いたのは午後4時過ぎ。
これからが大変。小屋はすっかり雪で埋まっている。今回は馬鹿にして大きなカクスコを持参しなかったのが誤算。雪堀に1時間も掛かってしまった。五味沢では「除雪」と言わずに「雪堀」というのを実感する。暗くなる頃にやっと雪堀が終わり一同小屋の中へ。
雪堀の済んだ小屋(翌日) | 棟の雪を落とした新館と落とさない旧館 |
小屋のストーブに火を入れ盛大な宴会を催す。
ここではいつも無制限一本勝負。無理強いは無い。酔いつぶれた者からお休み。
この日の肴は魚。大根と煮込んだイルカ。鰯の塩焼き。ワカサギの天ぷら。などなど。
翌日は大玉沢の吊り橋の除雪。
小屋を9時に出発。大玉沢に11時着。ここの橋は沢風が吹くせいか、積雪量は下流の橋よりずっと少ない。
滝の懸かっている上流を望むと見事なツララ。まるでシャンデリアだ!!
白い世界で橋が分かるかなぁ | 大玉沢左岸のツララ |
こうして今回の除雪作業を終了する。
大玉沢の吊り橋は99年8月に新しく架けたので、この冬の雪がとても心配であったがこれで一安心。
帰りは小屋を午後1時出発。暗くなる頃に徳網に着いた。4時間の行程。くたくたに疲れてしまった。この時期の雪は重く歩くのには難渋した。
今回は初めて参加の2名がいたので、カンジキを使用した。私としては大変楽しい山行でした。少人数であればスキーの方が楽である。もし読者の中で「冬のブナの森」に出かけたくなった人がいたら、是非スキー(クロカン)をお勧めする。
今回は日程に余裕がなかったので、ゆっくりと森の中で遊んでいる時間をとれなかったが、行くときは小屋に2泊は是非したい。
雪中行軍はつらく、疲労も激しいがそれだけ楽しみも多い。夏と異なり全く静かな森。
是非皆さんにもこの静けさを味わっていただきたい。
*雪の森に行かれるときは一言、斉藤初男さんに連絡していただきたい。そして直近の情報を確認してから行動を始めていただきたい。(斉藤初男:0238-67-2303)