1999/04/24
長野、群馬県境の浅間山(2568m)に登山した4人が行方不明になった事故で、軽井沢署は20日、長野県軽井沢町の登山口から山頂に向かう登山道にあたる東前掛山の北側斜面の標高2500m付近で男性1人と女性2人、北東に約1km離れた雪渓で女性1人の遺体を発見し、全員をヘリコプターで収容した。
宿泊装備なく食料も1日分。
この記事を新聞で見た瞬間「装備はどうか」がまず気になった。このような事故がある度、私が気にしている装備は今回も持っていなかったようだ。
私も中高年登山者の一人である。山に入るときはそれなりの装備を持参する。それは事故など最悪のことを頭の隅に入れて置かなければならないと考えているから。
私は日帰り登山でも、必ずツエルト(簡易テント)を持参するようにしている。どうしてそんなモノを?と言われるかも知れないが、車を乗る人が保険に入っているようなものと考えていただければ理解が得られるでしょう。
今回の事故は4月の2500m級の山で起きたものだ。下界は桜も散り春爛漫だが、山は未だ冬と春を行ったり来たりの陽気。
中高年登山者の事故が起きる度にその原因がなにやかやと言われる。
事故というのはいくつかの要因が重なって起きるものだ。色々な原因の中で装備がいつも問題視される。その装備の中で私は是非「ツエルト持参」ということを提案したい。
山を登る人は誰しもより軽い装備でと念願している。私もそうだ。それなのにほとんど使用することのないツエルトをどうして持っていくの?
ツエルトはせいぜい1kg以下の重量だ。この1kgを削らなければと考える人は、登山そのものをどうかと考えた方が賢明だ。単独行でもグループ登山でも同じだが、もし捻挫をしたとか急に体調が悪くなったとしよう。その時、このツエルトが有ればどんなに心強いか。
下界で車の保険にあたるものが、山ではツエルトであると考えている。いざという時の安心。
今回の事故もツエルトを持参していれば、風陰にツエルトを張り、4人体を寄せ合ってがんばれば全員死亡は避けられたと思う。
10年程前10月中旬の立山で、中高年登山者が大勢死亡した事故の時も、このツエルトを持っていればと悔やんだものだ。
昔は健脚者でないと登れなかった奥山も林道が出来、有料道路が出来、ケーブルやリフトが架かり誰でも簡単に登れるようになった。しかし山は昔も今も自然条件は同じで、一旦時化ればこの時期吹雪はざらである。この事を思えば、たとえ行程は日帰りでも、装備はそれなりに準備しなければならないはず。
ツエルトを使用しないで済むことが一番良いが、いざという時にツエルトが有るのと無いのでは全く異なる結果になる。
この事を十分知って欲しい。雑誌やガイドブックで良い天気、良い条件下の写真を見て装備をおろそかにしてはならない。自分のため家族のため社会のために!!
車もそうであるが、楽しみと隣り合わせに危険が必ず潜んでいるのだ。この危険は予測しがたいのだ。だから車は事故保険を義務づけられているのだ。山に登るときはツエルトがこれに相当する。勿論山にも事故の時の捜索などにあてる事故保険もあるが、より危険を防ぐためにツエルトを!!
この事故を契機に更に自分に注意を喚起するとともに、改めて4人のご冥福をお祈りします。
私は山が好きだ。山に登りたい。70歳になったら富士山に。と考えている。
私は日頃トレーニングをして山行の準備をしている。山登りも「気力、知力、体力」の3力だと考えるから。
山さんの1週間
日曜日:夕方2時間のジョギング
月曜〜金曜日:昼休み5kmジョグ又は階段登りを2日程
土曜日:筋トレ
これが私の1週間です。
とは言っても天候もあるし仕事の都合もあるので、この通りにはなかなか行きませんが、努めてこのようにやりたいと心懸けています。(よくさぼる) 中高年登山者は日頃のトレーニングが大切。気持ちと体力にはかなりのズレが誰しもあるはず。昔の話は通じない。過信せず、トレーニングで自分の体力をチェックしておくこと。ただし無理なトレーニングは体をこわすので、無理せず休まず気長に〜〜。
いざ登山となれば装備品のチェック。懐中電灯はスペアの電球のチェックも忘れずに!!(過去にスペア電球が切れていて大失敗あり)。 ザックの底には必ずツエルトを入れる。
朝日のマタギ達が「山さんはどうしてそんなに荷物を持つのか? それより軽い荷物で楽に歩く方が良いのではないか」という。しかし私には技術や体力が彼らより無いため、少々重くてもそれなりの装備は持つことにしている。それが持てるだけの体力を日頃付けているつもり。
装備品を購入するときから、如何に軽くて使い勝手が良いかをチェックしているつもりだが、ザックに納めていつも感じるのはその重さだ。
日頃もう一つ心懸けているのが天気予報とコースガイドブックの熟読と地図の読み取り。これは天気そのものも大事だが、第一に天気の傾向をチェックする。どれくらいの周期で気圧の谷が来るとか、気流の方向(低気圧の通り道)とか高気圧の形とかをよく見ておく。又地図(1/2.5万)をよく読んでおくこと。地図とガイドブックを見比べておくと良い。
山は天気次第。準備をして、いざ山となれば日程通り歩くかどうかは山で判断。コンデションの善し悪しや予想外の事がよく起きるから。本当に調子が悪ければ下山。これは大変難しいことではある。
登山は十分な準備で安全に!