サクランボ収穫用ハケゴ(腰籠)
2023/9/17
2023/11/24 追記
工事中
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米沢市のサクランボ収穫ハケゴ(腰籠) |
7月の登山道整備の帰り道に寄った米沢市のサクランボ直売所で、マタタビ製のハケゴ(魚釣りの魚篭様の腰籠)の製作を依頼された。
私は製作したことが無いので辞退したが「山さんなら出来るでしょう」と老夫婦に懇願され、真竹で試作することにした。
モデルは使用中のマタタビ製。それを忠実に模造ることにした。寸法をきっちり測り、真竹でヒゴ作り。
写真のように籠の中に手拭いで袋を作り、サクランボが籠で擦れて傷がつかない様にして有ります。
マタタビ製の籠は良く出来ています。これを真竹で同形の物が出来るか?心配です。
観察した私の感想ですが、籠は出来ても縁巻がどうなるか? です。タテヒゴの幅の間隔が狭く、巻ヒゴをどのようにするか解決できませんでした。
そこで縁巻を製作しないままで、竹細工教室で、先生の考えをお聞きすることとしました。
私の案では縁竹を銅線できっちり巻けば良いだろうと。ヒゴとヒゴの間隔が狭いので、竹のヒゴでは狭過ぎて強度が出ません。
先生「スズダケを細く加工して巻いてみたらどうかなぁ」とのお話でした。
モデルはマタタビ製の幅の狭い籐の様な巻ヒゴです。(教室にて手拭いの覆いを初めて開いて確認。)
私も3本飛びで斜め巻きにすることを先生に話し了解しました。ただしそれで良いかどうかは試作後考えます。
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試作品4個完成(前列中央はモデル)前列右端から反時計回りで縁巻の製作順 |
沢山並んでいるので、くどい説明になりますが細かに説明します。
上の写真で前列右端はタテヒゴ幅5mm。縁竹をスズダケの4mm幅のヒゴを巻いたものです。竹細工教室に持参した物で、縁の天端にはササラを載せずに巻いたものです。
反時計回りに裏の列のはタテヒゴ幅6、5mm。縁巻ヒゴの幅はスズダケの4、5mm幅です。これはタテヒゴの中心を2つに割り線を入れ、多少幅がルーズになるようにして、少し幅の広い巻ヒゴを巻きました。それに天端にはササラを挟み、見た目を奇麗にしました。
更にその左(後ろの列の左側)は、タテヒゴ幅5,5mm。タテヒゴを半割にして2枚重ねて束ね、工夫をしてヒゴ間の開きを広がるようにしました。巻ヒゴの幅は6mmです。更に縁の天端にはササラを挟み大分見栄えが良くなりました。
前列左端はタテヒゴ幅6,5mm。タテヒゴの上部を割って重ねて、工夫をしたタテヒゴで巻ヒゴ幅は7mm。これですと巻ヒゴの隙間がほとんど無くなりました。
左側の2個の巻ヒゴは真竹の1年生。それも7月中に採取して加工して保管した物です。
このヒゴは扱い易いですが、材齢が若いので竹の繊維が端端でほつれる欠点があります。
それを騙しダマシ巻きました。
後は腰に巻く紐(綱)をどうするか? ですが、これは使う人にお任せすれば大丈夫ではないかと考えています。
*タテヒゴの幅が異なるのは、幅6,5mmはモデルの籠に合わせた当初製作。狭い5mmは工夫をしながら幅を変えていきました。
タテヒゴの中央を割ることにより巻ヒゴを通す幅が広がりました。割る長さ(幅)は3cm目安。この長さで縁竹の下で二た重ねにするには工夫が必要です。
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追記(23/10/9)
9月下旬に発注者(製作要望者)にお会いしました。そして写真の5品を比較点検していただきました。
その結果いずれも合格の評価を頂きました。そして利用者の意図も確認できましたので、これから改めて材料を山取りし、この冬の製作としましょう。
来春にはその完成品を持参して、来シーズンの作業に間に合うよう米沢市に行きましょう。
ハケゴ編み台(肘掛 様作業台)
2023/11/24 追記
工事中
下の写真は組み立て台です。ハケゴの底のサイズで、U字に曲げ加工したヒゴを上から被せるように並べます。
天辺に黒色の物は、板状のマグネットです。これを使い、不安定なヒゴを仮り押さえします。マグネットの下には鉄板が敷いてあります。
編み進むとヒゴは動きが鈍くなり、編み易くなります。
台板の厚み位まで(2〜3cm)立ち上がりヒゴを編み進むと、支保枠を内側に嵌め込んで、編み進めます。
支保枠により、立ち上がり部(井筒の側面)の形が崩れずに編めます。
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編む際の内側の支保枠各種(左側ほど製作が古く、右端が最新) |
上の写真の支保枠は、左側が製作当初で、工夫しながら多少改良して作りました。
材料の幅を広げたり、焼き焦げを作らないように苦労しています。材料の継ぎ目をタコ糸で結わえていますが、接着剤で止めると編む時にスムーズに行けるでしょう。
材の幅は最新のは25mmあります。出来れば30mmあるとさらに便利でしょうが、真竹でそれが出来るかどうか? まだ挑戦していません。
曲げる方法は、初めは七輪の火やガスバーナーやストーブの裸火で。現在はヒートガンを使用しています。
柔らくしようとして炙り過ぎると焦げてしまうし、足らないと割れてしまうし、と悪戦苦闘しています。材が薄ければ楽ですが、それでは強度が無いだろうと思い、幅と厚みに挑戦中です。
挑戦しました (2023/12/01) 追記
月が替わりました。今日から12月です。
幅30mmの支保枠作りに挑戦しました。
試行錯誤で失敗しながら、取り敢えず程々の形に曲げ加工が出来ました。
若干の不満はありますが、ハケゴ作りには使えそうです。焦がさずに曲げる方法は見つかった感じです。
もう少し頑張ってから写真を掲載したいと思います。曲げ加工の精度をもう少し上げたいと思います。
幅35mmの支保枠に挑戦(12/14)
前回の30mmから5mm広げたのですが、今日は失敗しました。手持ちのヒートガンでは上手く焼けませんでした。
次回は七輪で炭火で挑戦しましょう。
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ヒゴを台に被せるように編み進む |
編み掛けのハケゴ(中に上の写真の右端のが嵌めこんである) |
@ ヒゴは隅々(曲げる点)で90度に焼き曲げて、並べ、揃えます。本数の多いタテヒゴを先に並べ、ヨコヒゴを後から編み込むようにして並べます。
A 編みヒゴ(巻ヒゴ)を数周回編むと、ある程度落ち着きます。この編み始めにクリップでヒゴを挟んだり、銜え(クワエ)たりしますが、更にC形クランプ4個で4隅をキッチリ挟み固定すると、ヒゴの暴れを防げます。
台の厚さ位(幅2〜3cm)編んだら、台から外して支保枠を嵌(ハメ)込んで、編み続けます。
枠の天端が1cm位は、いつも編んだ天端から上に出ているようにすると、楽に編み進めます。
この様に小道具を駆使するのは邪道かもしれませんが、当初はクリップで挟んでいたのですが、隅の所の回しヒゴが外側に膨らみ過ぎてしまい、後から修正しても納まりが悪く、苦労していました。それをC形クランプで試したら隅への引きつけが上手くいきました。クランプで締め付けておくと、少々強い力でヒゴを引っ張っても、隅の形が崩れず大丈夫なのが理由でしょう。?
編み目は雛形(モデル)に従い、2本飛び網代編みにしています。笊目でも良いと思います。収穫するサクランボの重みに耐えれれば良いので、工夫も必要だと考えています。
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幅30mm支保枠(右から2個が30mm枠) |
30mm支保枠を嵌めこんだ |
12月3日に幅30mmの支保枠を製作しました。
上の左の写真で4個並んだ右2個が幅30mmの枠です。右から3個目は幅25mm枠です。
右側の写真はさっそく30mm支保枠を嵌めこんで編み始めました。かなり幅を感じるものになりました。
30mm幅のは何個か作り、やっと使えそうな枠が出来ました。
これを使用して編んだ感想は、しっかりとしていて、取り敢えずこれを完成形としましょう。
ヒートガンで熱したのですが、竹の肉側からだけ炙りました。焦げ色を作らないで焼き、曲がる時点の炙り方を会得するまでは数個は必要でしょう。(私の場合はそうでした)
作業工程の説明(2023/12/15)
ここまで雑然と羅列してきた作業工程をまとめましょう。
1、ヒゴ作り
@タテ、ヨコヒゴ
底の平面図形で横長形で説明します。
短辺のヒゴをタテと称します。節を中心として9cm。プラス側面(立ち上がり)16cm×5cm×2(両面)=51cm。23本(幅5m m厚0,8mm)
ヨコ20,5cm。プラス側面(立ち上がり)16cm×5cm×2(両面)=62,5cm。9本(幅5mm厚0,8mm)
補助用具の事
いろいろの用具で試してみました。
最近便利に使用しているのが ホビークイックバークランプ100mmサイズです。
これを4個で適せん使用します。それとヒゴの接続などでワニグチクリップ小を数個使用します。
更に欲しいと思う用具は握力の強い細い長いクリップが有れば購入しようと考えていますので、ホームセンターなどで探してみましょう。中型のそれらししい用具は使用しているのですが、イマイチなのです。
バークランプは、以前別の使用目的で2個購入していたのですが、今回使用してみて更に2個を買い増ししました。
これが予想以上に活躍しています。篭編み作業には無くてはならない1品になりました。
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編み進む(編んでいる天端よりも支保枠天端は15mm前後上に引き上げておく) |
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支保枠の作り方教わる
2024/1/13追記
今日は年初の竹細工教室。
教室で向側の生徒(仲間)が先生から四角い篭の縁竹の加工方法を教わっていました。
30cm角位で縁竹の幅は約30mm。それをガスバーナーで炙り、直角に四隅を曲げていました。
私もここのところ支保枠作りで、同じような事をしていたものですから、思わず遠目にそれを見学していました。が堪らず、傍に行き見取稽古をしました。
材料は私の加工していた物よりもかなり厚いので驚きました。
私も席に戻り材料を、見習ったばかりをイメージに加工しました。そしてその先の作業方法を先生に教わりました。
先生は幅30mm位の丸鑿を取り出し、曲げる部分の皮の裏側の肉を削るようにと言うのです。身厚を薄くして、加工し易くすることのようです。。
私は教わったように4隅の曲げる部分を肉側を幅70mmを鑿で削り、ヒートガンで炙り、曲げてみました。
上手く曲がりました。
今までは30mm幅までは加工したのですが、焼け焦げたりしてイマイチ不満足でした。
それが何と今回は35mm幅の材料で、焦げずに直角に曲がったのです。縁の肉厚は2mmあり、中心部は竹のままの厚さです。
左の写真は今日作りたての幅35mm支保枠です。画面奥が今まで作った幅30mmです。四隅の裏側は丸鑿で薄くして有ります。
この事により焼いた時に曲がり易くなるのです。写真でも身の厚さが分かります。
これから更に広い幅の40mmを作ってみましょう。
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24/1/13製作支保枠ヒゴ幅35mm |
24/1/15同左支保枠仕上げる |
今日15日は教室で曲げた支保枠を仕上げました。
合わせる部分を加工し、接着剤を塗り、接合しました。これは最近製作している「さくらんぼ収穫用ハケゴ」のサイズです。これを編むハケゴの中に嵌めこんで巻ヒゴを編んでいきます。
従来の支保枠よりも材料の厚みがあり丈夫で、幅も広く35mmありますから、ハケゴ製作が楽になると思います。
枠の幅が広いと作業幅も広くなり、何かと良いことずくめです。
今日は一日これに掛りきりでした。曲げた部分の仕上がりを、もう一工夫すれば更によくなる気がしますが、果たして??