2020登山道整備

2020/6/16  
2020/7/26
すかいさんのブログ(写真多数あり)


6月16日
 計 画

 新型コロナウイルス禍に翻弄されている最中ですが、梅雨もやがて明けます。
明けるころのウイルスの暴れ具合は未だ分かりませんが、例年どおり朝日連峰小国口登山道の整備を準備中です。
7月の海の日23日、24日スポーツの日の週末を予定しています。
例年の梅雨明けはこの頃でしょう。梅雨末期の豪雨も心配されますが、その際は直近になって判断します。

今年もすっかり弱気になっている山さんは、皆さんよりも一足早く(7/19ごろ)大石小屋をベースにして祝瓶山コースを先ず済ませようと考えています。
天気次第ですが、今年も祝瓶山頂上近くに一人用テントを持ち上げ、天上のキャンプを楽しみつつ登山道の草を刈ろうかと。
雨次第では小屋からの通いで、2日くらいやれば何とか目鼻が立つでしょう。
今年も出来れば蛇引きの清水にテントを上げ、少数精鋭で本道の整備をしようと初男さんと相談中です。
メンバーは昨年と同じかな?  今年は又2泊して天上道を済ませ、3日めは刈りながら下る予定です。
この登山道整備に興味が起きましたら、山さんまでメールを下さい。自己完結型でお出でいただけるのでしたら、少数は同行可能です。


7/16
 明朝出発します。
今日の電話打ち合わせで、蛇引きの清水へは4人用テントを2張上げます。
参加者が増えたようです。明日の晩、小屋で詳細を打ち合わせます。この話を受け急きょ4人用テントを1張車に積み込みました。
今回は長丁場なので、雨天用に遊び道具も積みました。渓流釣り具、海釣り具、竹細工等など。
トレーニングはイマイチの感はありますが、まあ出たとこ勝負でやります。

草刈り

 大石小屋に7月17日夕方入りました。
意外に時間がかかり、予定よりも1時間遅れ。
当面必要と思われる荷物を小屋に入れ、ホッとする間もなく初男さんが酒と肴を持参して小屋に来ました。
二人でチビリチビリやりながら、明日からの作業手順を詰めました。
この時期天気はあまりよくは無さそうです。朝起きて観天望気をして祝瓶コースの日程を決めることにして休む。

7月18日
 曇り空だが雨は落ちていない。1人用テントをザックに詰め込み1泊予定で小屋を出る。
昨夜初男さんからは「山頂直下の雪渓は今年は無いので、小屋から通ったら?」と忠告を受けていたが、いつもの様子から多少の雪渓(残雪)を期待しての荷造り。
自分としては予想外に快調な脚。

一の塔に到着して「もしも雪渓が消えて水が採れない時は下山しよう」と考え、荷物は一の塔に置いて登山道の草刈りを始める。
昨夜は久しぶりに初男さんとの語らいに、飲み過ぎた感があり、今朝は満足な朝飯を食わずに出たせいで、此処まで行動食のような物を食べ水を飲んできたせいか? シャリバテ気味。
今日の作業終点(縦走路との分岐点)に着いて、残雪の有無を確認すると「無い」。
此処で初男さんに携帯電話で「雪が残っていないので、今夜は小屋に戻ります」を連絡して一の塔に戻る。
途中駄目直しをしながら一の塔に戻り、下山開始。空模様が怪しい。
やがて降り出す。合羽を着たが暑くて汗が噴き出て、体力は更に減衰。
下山は完全にシャリバテで、小屋には19時30分ごろやっとたどり着く。
小屋ではすかいさんが食事中でした。
すかいさんは早池峰山を昨日登り、今日岩手県からの参加だ。
私が今夜は山頂でキャンプのはずが、こんな時間に戻ってきたのでびっくり。
私が途中で寄った米沢市のサクランボ農家から頂き物のサクランボが肴。すかいさんも「南陽市で購入したサクランボよりも美味い」と言いながら二人で食べる。
ビールを流し込み、昨夜の残り物などを口にして早々に横になる。

7月19日
 早朝に初男さんが「稜線の登山道整備に向かう」と言いながら小屋に顔を出す。
簡単な会話をしてすかいさんと出立。私は今日は沈殿。休養日である。
すかいさんは此処の大石小屋から大玉沢出会いまでの間を草を刈るという。かなりの長丁場。
午後3時半頃にすかいさんは小屋に戻る。思いの外早い帰りで、すかいさんの草刈りも大分上達したようだ。
夕食を支度して食べ始めたころ初男さんがマムシ!!を土産に下りてきた。早速小屋の煙突の傍に吊るした。帰るころには乾いているだろう。
この夜はすかいさんと二人で語り、飲んだ。


7月20日
 二人並んで休養日。
山さんはすかいさんの土産にと茶菓子などを入れても良さそうな笊の仕上げ。縁巻です。自分としてはこ洒落れた笊だと思っての作業です。
この日は暑い日で、陰を求め、風を求め木の下を移動しながらの作業です。夕方には出来上がり、お渡ししました。

7月21日
 祝瓶山の残している登山道に山さんは早朝に向かう。今日は朝食をしっかり食べ、弁当を持って。
すかいさんは蛇引きの清水までテント2張りと、刈り払い機と燃料を背負い荷揚げ。これは重労働。草刈り機の柄が長いので、木の枝に引っ掛かりバランスが崩れるのです。 
二人は夕方小屋に戻り夕餉。今夜は天ぷらを揚げた。揚げタテは美味い。

7月22日
 朝はゆっくり起きる。
すかいさんは帰る日である。娘さんから「コロナ禍で大変なんだから、早めに帰って来て下さい」と釘を打たれたそうで、最終日を待たずに今日帰宅なのです。
山さんは小屋の中の整理。と、りふれ で風呂を入って、明日からの山上生活に備えよう。

7月23日
 今日から稜線の草刈りだ。流行言葉風に言えば「天上ノ道の草刈り」だ。
初男さんが食材やドリンクの入った重そうなザックを背負い小屋に来た。
初男さんには先行してもらい、山さんはマイペースでキャンプ道具を詰め込んだザックを背負い出発。
心配していた脚の具合は大丈夫。
角楢小屋を覗くと釣り人らしき荷物が置いてある。
コロナ禍もあり今年初めての角楢小屋である。
大玉沢ではこれからの登り道に備えて、冷えた水を水筒に満たす。
ザックが大きく、吊り橋の終点で吊りワイヤーに接触して難渋する。

いよいよ本格的な登り。
このコースはいきなりの急登。昼までにキャンプ地に着ければ良いとじっくり登る。
空模様は怪しいが、何とか持ってほしいと思いながら登る。
昼の頃蛇引きの清水に到着。
一息ついてテントの準備。
雨が降っても外で食事の支度が出来るように、2間×3間のブルーシートをまず張る。
今回も篠竹を3本持ってきて、庇の部分がダレ下がらないようにセットする。
公園やキャンプ場にある四阿をイメージしていただくと、このシートの役割が理解して頂けるでしょう。

テント場の山側に土砂が溜まっているので、持参した携帯スコップでこれを除去。平らな床地になった。
それから4人用テントを張る。今回はもう1張張るのだが、それは明日に回してテントに潜り一休み。
すかいさんが荷揚げした時に集めておいてくれた枯れ木。近年は倒木も無く、焚き木集めが一苦労であったが、これだけ有れば明日の晩は大丈夫。少々の雨でも火を焚き、大所帯の料理に使えます。集めた枯れ枝を焚き木サイズに切断する。
初男さんは祝瓶山に向かう縦走路を、赤鼻まで行き戻るという強行スケジュール。
暗くなる頃ヘトヘトになって戻る。
早速冷たいビールを流し込み、食事にする。20時過ぎには寝袋に潜り込む。

   
 天幕下のテント  テントから観る県境尾根


7月24日
 今日も天気はイマイチ。昨夜寝る前に「明朝は7時出発にしよう」と初男さんが言うので、ゆっくり目の朝食。
今日は3人が登ってくる予定。
5時に大石橋の駐車場を出発したとトランシーバーで連絡が入った。順調なら8時過ぎにはキャンプに到着するだろう。彼らの脚は凄い。
メンバーが到着する前にテントを追加して張る。こうすれば草刈りに不用の荷物を、雨に濡らさず置く事が出来る。
8時過ぎにEbiさん、Syouさん、Yosiさんが到着。今夜の食糧の肉、野菜と草刈りに必要のない装備をキャンプに置き、早速登って行く。
遠く平岩山まで行く二人と、Yosiさんは初男さんと合流するため大玉山に向かう。

皆さんを送った後は今夜の準備。
食材を確認して、ガスバーナーを2台。それに雨が降りそうだが焚火の準備。煙が立ち昇れば、吸血虫の襲来を少なくする事が出来る。
それに強い炎が出来れば調理も早い。

18時ごろ全員揃う。
早速食事の支度。小雨が降っているが、さすがはマタギ達。焚火が出来た。
今夜は大量の肉入り野菜炒め。中華鍋に入れた材料が良い匂いを出し、天幕の下で乾杯!! お疲れ様です。
初男さんがマムシを土産にしてきたので、それをブツ切りにして中華鍋で焼く。干したものとは異なり、生なのでシコシコして肴になる。
(後日談:帰宅後荷物整理をしていたら、この時の食べ残しの頭が出てきたのにはムー!!である。しめやかに庭木の根元に供養する)
飯盒で飯も炊き上がる。濡れたり、疲れたり、ほろ酔いも手伝い、食事の後はそれぞれ寝袋に潜り込む。
明日の朝飯の米を研ぎ、山さんも寝袋に入る。
明日の雨が心配である。

ちょっとしたトラブル
 明け方雨が強まり、ブルーシートに水溜りができ垂れ下がってきた。
山さんが排水作業に取り掛かったが、天幕の中央に立てて、大黒柱にしていた生の柴(左写真中央)が柔軟過ぎて立ち上がらない。そうこうしているうちに軒先に立てた篠竹がバキーと音を立てて折れた。
排水作業を終え、篠竹の復旧。そのまま元の様に立てたら復元したので、眠さも手伝い寝袋に入る。夜が明けてから見ると大黒柱が又大分曲がってしまった。そこで昨年使用した古い竹で補強をしてみたら意外に上手く機能した。

7月25日
 朝起きると雨。
「メインルートは昨日草刈りを済ませたので、今日は無理をせず下山しよう」初男さんの決断で、今日は作業をせずに下山することにした。
ゆっくり朝食を済ませ、コーヒーを飲んでからテント撤収。荷物は分担して下山。昼前には大石小屋に到着できるだろう。小屋で昼飯を食べる事に決め、雨の中、足元を気にしながら下る。
角楢小屋には釣り人グループも休息中。

下山後 りふれ で風呂に入り夜の反省会に臨む。

7月26日
 農家民宿 ふもと で朝食を頂きTVの天気予報を見る。
衛星画像と雨雲の画面を見ていると、昨日下山したのは正解だった。
梅雨前線の北上に伴い、大きな雨雲が北陸から新潟県、山形県に架かり大雨が予想される。
登山道整備が終わったら、渓流釣りや岩船海岸で釣りをしたいと道具を持参したが、この予報を見て直帰することにした。

帰宅後、新潟県や山形県全域に豪雨。
28日には最上川が大石田町辺りで氾濫、大洪水である。
毎年繰り返す梅雨末期の豪雨災害です。
事故なく済ませる事が出来た今年の登山道整備草刈事業に胸をなでおろしています。

参加者の皆さん、お疲れ様でした。大変ご苦労をおかけしました。
ありがとうございました。

*お返し(山からのご褒美)
 ここしばらく竹細工の材料のツル草(アオツヅラフジ)を探していましたが、それを承知している人の確実な情報がありませんでした。
帰途の途中で道の駅でトイレ休憩をしたおりです。ツル細工を商っている小父さんに聞いてみました。
小父さん:それは知っているが、それを使用するよりもアケビの方が丈夫で良いよ。
そこでアケビについても教えを乞いました。実際に採取して編んでいる人の話は中身が濃い。大変参考になりました。
帰宅後、アオツヅラフジの捜索と平行してアケビのツルも探しました。この秋にはそれらを私も採取したいと思います。