2017/7/20
参加者のブログ
すかいさん:http://63757597sukaisan.at.webry.info/theme/3949fb8f3e.html(7/13〜15をご覧ください)
祝瓶山のヒメサユリ | 北大玉山のヒメサユリ |
6月下旬に小国町五味沢地区で、恒例の「全国マタギサミット」が開かれた。
これに合わせて私はちょっと早いが、朝日連峰小国口登山道の整備を企画しました。
例年は7月の海の日前後に実施していますので、6月下旬では少し早い気がしますが、この時季であれば登山道沿いには高嶺の花「ヒメサユリ」が見頃であろうという期待もありました。
上の写真左は祝瓶山 一の塔 を過ぎて、頂上直下の縦走路分岐点近くのヒメサユリです。
同じく右は北大玉山分岐点直下、小国口ルート尾根のヒメサユリです。
マタギサミットのこと
第28回「ブナ林と狩人の会:マタギサミット」in小国 というのが会の名称です。
私がこの会に参加したのは1994年第5回新潟県岩船郡朝日村三面地区を会場にした時が初めてでした。
丁度このころにニホンカモシカやエゾシカの数が増え過ぎ、頭数を管理しようという狩猟が始まった頃と記憶しています。
熊も例外ではなく、マタギが活躍して、ある程度数を管理することが良いという主催者の提案は、自然保護を訴える人達からは煙い存在であったように思います。頭数管理が上手くいかず、野生動物による農作物や林業、貴重な植物の食害。熊やイノシシに至っては人的被害が度々報道されています。
その後のサミット参加は小国町小玉川地区、東京大学農学部弥生講堂に参加し、今回は4回目です。
今回は小国町五味沢地区が会場で、統合閉鎖された小中学校の体育館での会議を経て、懇親会は宿泊施設「りふれ」で盛大に催されました。
マタギサミットで検索していただくと大勢の方のブログ等に掲載されていると思いますので、興味の湧いた方はマタギサミットで検索願います。
登山道整備
昨年から私は稲刈りや草刈りに使用するような鎌を使用している。
肩掛け式草刈り機を山上に持ち上げるのが苦痛になったからです。鎌であればせいぜい1kg位の重量で、長さも50cm程の極軽量、小形な道具です。
鎌には種類が多数ありますが、私は藪刈り鎌というタイプです。稲や草を刈る鎌は刃の厚みが薄く、藪刈りは別名鉈鎌とも言われ厚身なのです。
これですと草の他、小枝なども問題なく刈れます。この鎌で手に負えない太さの木や枝は、小形の鋸で切ります。道具はこれだけです。
私達は草刈り後の@道幅を広げ過ぎず、A登山者の歩くのに支障の無いように、を心掛け、B灌木の枝等が頭にぶつからないように伐開しています。朝日連峰は標高がそれほど高くないため、ブナの倒れた森の中や稜線は日当たりが良く、草や笹が繁茂します。登山道整備は毎年草との戦いです。
祝瓶山小国コース
登山道を鎌で刈りながら登る。
今回は二泊三日でこのコースを計画した。結構ゆっくりのスケジュールと考えた。
6月26日は梅雨らしいしとしと雨の降る日でした。雨具を着けるかどうか迷ったのですが、途中から上着だけを着けて作業をした。
鈴出の水場を過ぎ、だらだらした稜線は意外に草が繁茂して時間がかかる。今日中に 一の塔 までは済ませたいと、一生懸命作業をするが進みが悪い。
一の塔から高度差で200m位下で諦め、今日のテント場と予定している山頂直下の分岐点を目指す。予定していた分岐点はスペースが狭く、もう少し頂上側に進む。
分岐点から頂上までの登山道は他の市の分担区。この分担は私がお手伝いを始めた昭和60年過ぎから変わっていない。
昨年はこの分岐点から頂上側へ40m位進んでその事に気が付いた。それはあまりにも登山道の草が繁茂していて、分担区分を忘れて刈り進んだのでした。
今年この地点に登ってみると、私が昨年整備した部分と残した部分では全く草の状況が違っていた。
この辺りの良さそうな場所をテント場と決め、多少整備してテントを張る。
草刈り作業では水を多く飲む。そのため今回は6月24日に下見登山をして、水の採れそうな場所を探しておいた。それがテントを張った直下の雪渓からの雪解け水。水嚢を持ち20mほど降ると雪渓の下部。そこからチョロチョロ浸み出している雪解け水を、ビニールの切れ端を使用して集めて、水嚢に3リットル位汲んでテント場に戻る。(雪渓のある処は急傾斜ですので、登山靴では降りないでください!! スパイク地下タビかアイゼン使用)
シトシト雨にすっかり濡れて寒い。が、先ずビール。喉を開けて焼酎を流し体を温める。ポーとしたところで飯を掻き込む。
下着は乾いたモノに着替え、寝袋に潜り込む。うたた寝して、小用の為外に出ると、細い月が西の空に出ていた。3日か4日か。
翌27日は、夜も明けぬ時間帯から小鳥のさえずりに目を覚ます。ホトトギスも早起きの仲間。鶯も早い組。さえずりで鳥の種類が分かればもっと楽しいだろうが…。
作業写真
下の写真は刈り払い作業前後を写しました。刈り払い後の写真は判別しずらいですが、刈り払った草は晴れていれば1日で干し草状態になります。
写真では刈り払い直後で、未だ生ですので道幅が確保された状況を見ていただき、1日も経てば刈り払い後の道が見えるようになります。
左の写真は手前を少し刈り払い、道形を出しましたが、奥は草や笹に覆われています。
右の2枚の写真は刈り払い後です。刈られた草も未だ生ですので、判別が難しいかもしれませんが、1日も経てば萎れて歩くのには支障なくなります。
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刈り払い前の道(赤鼻の道標柱) | ザックを置いて刈り払い | 刈り払い後の道 |
道に張ったテント(ここまで昨年草刈りをした処) | 祝瓶山分岐点直下縦走路のヒメサユリ |
北大玉山分岐点直下尾根のヒメサユリ | ヒメのアップ (北大玉山分岐点付近) |
草刈り時に今までも登山道沿いにテントを張ったことはあったが、今回の祝瓶山頂上直下のテントはまるでビバーク!!
テントから奥の山頂側の道は整備が悪く、朝露や雨天時には難渋することでしょう。今年は隣り市の関係者にこの事を良く話そう。
二日目は縦走路の赤鼻の分岐点から大玉山に向かって草刈りをする。
赤鼻から少し縦走路を進むと、水場の導柱が以前は立っていたのだが見当たらない。慎重に調べてみたが無い。
下降点と信じる地点から藪の中を進むと、踏み跡らしきものが見えてきた。急降下して100m位降ると水が湧いていた。早速汲んで縦走路に戻る。降り、登りで20分弱でしょうか。関係者に此処の道標の件を伝え復旧していただこう。(祝瓶山〜平岩山の水場間で唯一の水場だから)
この日予定していた大玉山までは整備できずに、手前のピーク手前から祝瓶山のテント場へ返す。
三日目は初日に刈り残した部分を刈りながらの降り。昨夜テント場でかろうじて繋がる携帯電話で、初男さんに作業内容を報告すると「明日下山したら我が家で一杯やろう!!」と甘いお誘い。もう此処 一の塔 で喉が鳴っている。
午後、登りの時に刈り残した地点までやっと繋げ一段落。
この夜は達成感と安堵感と満足感で美味しい二人酒を頂きました。
おまけ(花街道のこと)
7月2日に大朝日岳小国口登山ルート(蛇引きの清水コース)のヒメサユリ状況の偵察を目的に登る。
天気があまり良くないが、勝手知っているコースなので心配もせずに歩を進める。
下山後に知ったことですが、実際はこの日辺りから梅雨前線が活発になり、東北南部、新潟県内では場所によって被害も心配されていたようだが、電波事情の悪い所に居たので気楽な山路でした。(その後梅雨前線は中国、北九州で大暴れ。死者も多数出て被害甚大な記録的梅雨末期豪雨)
蛇引きの清水を過ぎ、稜線に出ると其処は花園。適度のばらつきで姫・ヒメ・ひめが鎮座していました。下界のユリとは異なり、小さなピンク色の丈の低い可愛い花です。
海の日の頃にも咲残りが何本かは咲いていたのですが、これほど見事に咲いていたとはびっくりです。
初男さんの話では「平岩山の手前の水場辺りから上は結構咲いている」と聞いてはいたのですが、途中の分岐点手前にもこれほど咲いていたとは驚きです。(花のシーズに登ったことが無かったのです)正に花街道です。
昨年何方かのブログで、小国口から大朝日岳の小屋へ登った女性の記事を読んで以来、気に掛っていたのです。
女性たちは小屋番の阿部さんと旧交を温めたというのでしたが、今回は分岐点から上は雨と風で、分岐点から引き返しました。
提案 周回ヒメサユリ花見コース
ヒメサユリの花見コースとして、小国口から祝瓶山を登り、縦走路を大玉山、北大玉山分岐点に進む。降りは蛇引きの清水経由で登山口に戻るコースを健脚者にお勧めです。(逆回りも良い)
10時間位を見込めば歩けそうです。天候が急変の場合は赤鼻の分岐点に4人用テントが2張位張れます(今回も草刈り、笹刈済み)。水は大玉山の方へ数分進むと狭い草地の平ら場が有りますので、そこから左の急斜面を100m位降ると清水が湧いています(急斜面で足場悪し。2017/6/27現在水場の道標無し)。赤鼻から往復で20分〜30分です。年に寄っても水場の高度は多少変わることでしょう。(最新のガイドブックは見ていないが、古いのにはこの水場が載っていたが )
大玉山山頂も1張位は張れると思います。(近くに水場は有りません。以前は草を刈ったこともあったが、今は手入れはしていません)
これはあくまでも緊急時のテント場として使えるということで、健脚者に限るコースとして紹介します。
第二次草刈り
後半の草刈りは7月15,16日に実施した。
それに先立ち、すかいさんと山さんが前進基地とも言うべきテントを設営するために、蛇引きの清水へ14日に登る。
梅雨が未だ終わってはいないので、天気が心配でしたが蒸し暑くは有りましたが、合羽を着ることも無く登りました。
今までとは異なった方法でブルーシートの天幕(タープ)を張りました。
唐竹を持ち上げ、支柱と棟を作り、それに掛けるようにシートを張りました。写真左です。
これですと従来型に比べ、風の影響を受けにくいと考えました。ご覧のように支柱は出入り口付近の2本の竹だけです。
それ以外の引っ張り点は、周りの柴を利用しています。
この下に今回は4人用のテントを張りました。大きな雨に備え、不用と思われましたがフライシートも被せました。
すかいさんは肩掛け式草刈り機を稜線まで運搬に登りました。夕方まで草を刈りテントに戻りました。
日没は檜岩屋岳の向うに沈みました。明日も天気は持ちそうです。
この晩は二人だけ。まずビールを飲んで夕食を食べ、明日に備え早々と寝に着きました。荒川の沢音か、蛇引き沢の音か聞こえます。静かです。
一眠りして目を覚ますと23時10分。朝まではまだ時間が有るのでもう一眠り。
15日は4時半ころに起き出し朝食。
6時には登り始めました。幸い雨の心配は無さそうです。
今日は初男さんと蛯原さんが登ってきますが、二人が到着するまでには北大玉山の分岐点まで届くつもりで頑張りました。
すかいさんは草刈り機で刈り、山さんは藪鎌で木の枝類を刈り落とすという分担作業。どの山も山頂部はガスの中。
北大玉山分岐点に届かないうちに初男さんが登ってきました。初男さんは「昼までに大玉山へのルートを終わらせる」と張り切って追い越して行きました。(先週2日かけてこのコースを刈り払っていて、刈り残し部分を昼までに済ますと張り切って登って行く)
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蛇引きの清水のテントサイト | 平岩山への縦走路のヒメサユリとニッコウキスゲ | ヌルマタ沢の頭(北大玉山)のヒメサユリ群生地 |
やがて蛯原さんが追い着き、私を越していく。
北大玉山の分岐点に、昼には全員そろい昼食。
午後は平岩山目指して4人で分担。
初男さんが先頭で草刈り機。残りの3人は鎌や鉈、鋸を持ち、歩くのに邪魔になる枝払い。
全員よく頑張って日没前にはテントに戻りました。
北大玉山から平岩山までの縦走路には、既に咲き終えたヒメサユリの茎が沢山見れました。
特にヌルマタ沢の頭(北大玉山)は見事でした。写真右側でツンツン立っているのは皆ヒメサユリの茎です。
中の写真は残雪も観れますが、遅咲きのヒメサユリとニッコウキスゲのコラボ。
ニッコウキスゲの先、残雪の上にちょこっと土が見えるのが刈り払い後の登山道です。
終点駐車場〜大玉沢
平場(表題部)の草刈りは別働隊
小笠原さん、金さん、益子、鈴木さんの4名プラス一交さん父子の6名。
大石小屋をベースにお願いしました。
皆さん草刈りには手練れ者で、区域を分担して予定より早く済んで下山。
16日に山上隊が下山すると皆さんは既に帰宅したり移動していました。
一交さん父子は水遊びをされていました。小学校5年生の息子はイワナ釣りや水浴で楽しんだとのことです。
この夜は ふもと で大いに歓談しました。