2016/11/20
自作の印床(彫台) | 昔 彫った印 |
彫台製作
文化の日にお上り(のぼり)をした。
その折久し振りに上野の国立博物館を見学した。
特別展には行かずに東洋館に入った。
中国からオリエントまでの古代遺物が展示されている。
東洋館は地下1階。地上5階。
私はこれまでにじっくり見学した記憶は無かったので、今回は時間を気にせずゆっくり見学した。
小林斗アン(アンは今酉皿を上から重ねた字)生誕100年記念展示。
1部から6部に分けて展示されていた。その中の「制作の風景コーナー」に斗アンの彫印する際に使用した印床(彫台)があった。
以前私が彫った時に使用した台は、クサビで印材を固定するタイプであったが、展示品はネジで締めるもの。
興味が湧き、写真を撮りたいと思い係りの人に確認すると「此処は撮影禁止です」という。仕方なくスケッチをした。寸法は目測でメモする。
帰宅後メモを基に台の製作にかかった。
概ね4寸角。せっかく作るので今回は欅材を使用する。木口(仕口)の加工は釘を使わずに、木組みで組み立てることとした。
見た目には出来そうであったが、いざ加工すると堅木で難敵であった。
しかし、なんとかかんとか形は出来た。上の写真がそれである。以前彫った印を台にセットしてみた。
私の篆刻
40年近く前になるが、書を書いた時に押す印を彫ったことがある。
昭和50年過ぎに書を習っていて、色紙のようなものに押したいと思ったのでした。
その頃、字を書くのが苦手でいつも恥じを書いていました。そこである日一念発起して町の公民館活動の書道教室に入門したのです。
多少字が書けるようになると、先生から「町の文化祭に出展するように」と生徒に話があったのです。
私も1度だけ恥も外聞もなく出展したのでした。
その時に自分の名前(落款)を石の印材に彫ったのです。辞書で篆書体をひき、手引きか何かを購入して四苦八苦した記憶があります。
何個か彫ったのですが、人様に魅せられるような物では無く、いつしか篆刻を忘れていました。
それが今回博物館で小林斗アンの作品を観て昔を思い出したのです。
篆刻の大家のを観てというのは恐れ多いのですが、もう一度彫ってみたいという気持ちが湧いてきたのです。
私の友人に陶人がいます。篆刻も素晴らしい作品を彫っている人なので、あらためて篆刻の手解きからご教授願おうと思っています。
取りあえず道具立てをしなければと思い、彫台を手作りした次第です。
印は味を出すのが難しいのですが、台作りは何とかなるだろうと軽い気持ちで始めましたが、堅木の細工は難しい!!
杉やヒノキでしたら少々きつめに木口を加工すればいいのですが、堅木は鉄の加工に似て、ぴったりと受け口と挿す方を加工しないとダメ。
実寸大の図面を書き、少々きつめに加工したのですが、後からの手直しが大変でした。何しろテーパーがついているので加減が難しいのです。
まぁそれでもどうにかこうにかまとめてみました。(渋々自己満足ということにしました)
後日水戸の先生(友人)に見ていただき、ご指南を受けようと思います。
これから逐次その報告を載せたいと思います。
台の整備
昨日製作した台を少し追加整備をした。
台の中心付近に印材がセットできるように2枚の補助板を製作したのです。
制作風景 | 出来上がった印床 | 印材をセットして完成形 |
印材を押さえる2枚の板の長さが台からはみ出しているが、これは実際に材をセットして作業をしてみてから調整しましょう。
台と同じ長さで良いように思うが、博物館の展示品を見て少し考える所があるんです。これは水戸の先生にも伺いを立ててみましょう。
市販の台の材質は分かりませんが、篆刻セットで鑿や諸々揃ってて数千円で販売しているのだから、こんな手間暇をかけることも無いとも思うが、この様に見たものを作るのが性分なのです。
全体を見ると締め付けボルトの長さがこれほどいらない感じ。邪魔になるようでしたら短く切断しましょう。或いはもっと短いボルトを購入しましょう。