大石小屋


追記  2017/10/20
2016/05/05

             参加者のブログ;すかいさん(ニュース5月2日の項)
                        とだちゃんのブログ(5月4日の項)


第一期工事および二期工事

  ・快晴の元、小屋に長年収納されていた荷物出し作業
・中には生活用具一式がどっさり入っていた
・ガス炊飯器を筆頭に鍋釜類から食器などなど。
・天井に吊るしてあったアルマイトの鍋蓋に何故か蛇の抜け殻も(御呪いか?)
・六月に入り関東地方が梅雨入りしたころ山さんが二期工事に入る。
・6/9夜に初男さん、蛯原さんの3人で内々の完成祝いをする。
・完成した小屋内部を6枚の写真でまとめてみました。
* とりあえず完成とし、逐次気の向くまま工夫をして理想形にしましょう!!
 
 工事中の大石小屋(ブナや沢ぐるみが芽生えて淡い緑)  

     
 床板めくり  入り口に障子が入る(概成内部)  お茶&業務打ち合わせ(奥の間仕切り障子が見える)
     
玄関(入口)を入ると  右側の壁(屋根)に新しく荷物棚  玄関には下駄箱を新設 

小屋の位置
 朝日連峰小国口の林道終点から登山届を小さな小屋に収めて、荒川を吊り橋で渡ったところに大石小屋はあります。
この小屋は昭和57年に地元の人達によって造られました。山仕事をするための小屋です。
この小屋も建設から30年以上経過して大分老朽化しました。山仕事のスタイルも昔と今では大分異なり、この小屋に泊まって仕事をすることはほとんど無くなりました。
皆さん車で林道終点まで来て、仕事を終えると車で里に下るのです。

小屋の老朽化
 この小屋を活用しようという考えの元、樋倉地区の初男さんにそれが任されました。
初男さんの考えでは、腐食して痛んだ床板類を張り替えて、広すぎるので間仕切りをして少人数でも広すぎないようにしたい。
この事を受けて山仲間が集い、2016年のゴールデンウィークを活用して、この工事を実施しました。

工事
 作業手順としては
1、長年溜めこんだ中の荷物を全部外に一旦出すこと。
2、床板をめくり、根太や部材の腐食を点検する。
3、使える部材はすべからく再利用する。
4、床板は張り替える。
5、間仕切りとして敷居を入れ、戸障子で仕切る。
6、入り口を入った所(上がり框)にも戸障子を入れる。これは冬場の寒い風を中に入れないためです。
7、その他諸々。

この手順に従い、4月26日朝一から荷物出しを始めました。
昨夜は夕方到着した初男さんと夜遅くまで作業内容を詰めた。少し飲みすぎて頭が重い。
埃りが凄まじく、全員マスクをかけての作業。
初日からの参加者は4名。うち一人は今夜の懇親会のためにタンパク採集(イワナ釣り)。3名で中2階部分の荷物を出す。生活用具がいっぱい出てきたのにはびっくりです。
鍋や釜は勿論、ドラム缶の風呂桶までありました。
この風呂桶は早速掃除をして、その日は思わぬ温泉ならぬドラム缶風呂のご馳走にあずかりました。
荷物出しは結局一日がかりになってしまいました。
床板は大分疲れていましたが、根太は太い材を使用していてほとんどそのまま使用可能。高低の歪も問題ない状態。
これは予想を覆し作業の進捗には大いにプラスでした。

27日から敷居を敷設。
敷居は初男さんが手配して大工さんに作ってもらいました。それを根太に載せ、これを土台のようにして柱を立てました。柱というよりも戸当たり様で、4寸角材の3つ割板。
これを寸法に切って釘や鎹で止めれば仕事は早いですが、山さんがこだわって蟻継という技法で材と材が密着する仕口作り(材料加工)から始めました。
家でやれば電動工具が使えますが、昔の大工さんと同じ鑿や鋸での手仕事。
鑿や鋸も何種類も用意して、皆さんが使用する分(不慣れな人が使用しても鋸の歯が欠けずらい焼きの甘い)までも用意した徹底ぶり。

こうして5月1日までかかりおおむね終了しました。今回はこれを第1期工事として、次の第二期工事は内部の細々した部分(造作)と、雨漏りがする屋根の修理です。
今年の秋の頃には見違える小屋に生まれ変わります。

今後の利用方法
 管理は農家民宿 ふもと の初男さんが行う。使用しない時は施錠して、使う時は初男さんから鍵を借り、使用後は料金と共に鍵を返す。
料金はまだ決めていませんが、言うなれば近傍類地を見渡して決めることでしょう。
何よりも心配は利用者のモラルです。特にゴミの残置です。生ごみ、ビニール類、ビールの空き缶、酒瓶その他数えればきりの無い種類と量。
この奥の角楢小屋を改築して20年になりましたが、角楢小屋も多くのごみの残置で、その処理でうんざりしています。
飲んだビールや酒の空き缶空き瓶は持ち帰って欲しいのですが、残置量もばかになりません。(嘆き、小言、トホホホ…)
大石小屋は鍵をかけることによって利用者が特定できるので、ゴミの処置は問題なくいけるのではないかと考えていますが……。

春は雪解けとともに若葉が芽生え、小鳥が囀り、登山やハイキングの基地として。
秋は全山紅葉の中、ハイキングや登山そして山仲間の芋煮会なども良いかも。
冬は深雪の中。荒川も静かになり、静かな小屋で酒を酌み、語り合う。
厳寒期に此処まで来るには、最終集落の徳網からカンジキを履いて、腰まで埋まる重い雪をラッセルして健脚でも3時間はかかる。
途中に雪崩が心配の所もあるが、細心の注意を払い此処までたどり着けば天国。
吊り橋に大きな長いアイスキャンディー状に積もった雪を落としながら渡るのは楽ではないが、それに見合いの楽しみが待っている。

今回もボランティアでこの仕事に参加してくださった皆さんに、心より感謝を申し上げます。
ありがとうございました。




・ 今回の作業に一番乗りしたのは「鉢巻き」さん。
茨城県から食材やドリンク類を沢山持参していただいた。また調理道具も揃えてきたのには二度びっくりでした。
大人数用のガスボンベとガス台。火力が強く調理には最適。
夕方仕事を終える頃には調理にかかり、毎晩美味しい手料理をご馳走になりました。
また、山さんが鹿島灘の海浜で採ってきたハマグリも沢山あり、3日間ほどはハマグリの潮汁と、肉の代わりにハマグリを入れたカレーを食べました。

・ 高田さんは気が付いたらドラム缶風呂の準備。
ドラム缶を大石沢の清流で洗い、清流水道としてビニールホースを、風呂縁天端高よりも高い沢の上流に飲み口をセット。高低差と沢の流を生かした即席水道を設置。
これがなかなか難しい。沢水はきれいな様でも、木の葉やその他のゴミのような浮遊物があり、それが細い管に詰まるのです。
それを何とか工夫して蛇口からドラム缶へ引水。
やがて煙が立ち、風呂沸かし。無論一番風呂は高田さん。気持ち良さそうに新緑を眺めて悦に至ったことでした。
逐次その他の人達も入り、山さんは夕やみ迫るころに入って汗を流しました。
夜の部の準備は出来ました。

・タンパク採集班の成果
中山さんは昼過ぎまでは埃まみれになって、荷物出ししてから釣りに出かけました。
夕方笑顔で帰宅(帰小屋)。10数匹釣れたというのです。
早速イワナ寿司です。鉢巻きさんが腕によりをかけて握ってくれました。
大変結構なお味で、皆さんと舌鼓を打ち、しばしイワナ釣りの話で酒を酌み合いました。
残りは燻製の用意。煙突の周りに串をぶら下げ、翌日はイワナ酒を存分にいただきました。
中山さんは小国に来る前に、福島県で試し釣りをしたのですが、何故か釣果が上がらず、荒川での釣りとなったのです。正解でした。
 

・ 鉢巻きさんが帰ると入れ替わりにtodaさんが、高畠町近郊の山野で採ってきた山菜をどっさり持参。
それに吟醸酒や高畠ワインまでも持ってきていただき、それはそれは賑やかに、和やかにご馳走になりました。
日頃も家で主夫をしているというだけあって、コシアブラその他の天ぷらは肴として最高でした。
日替わりメニューに合わせて食材も区分けして持参。手際の良さと味も大変結構でした。
私は残ったリンゴのジャム?を家の冷蔵庫で保管して、パンに合わせて何日も大石小屋の香り、思い出を味わわせていただきました。
ご馳走様でした。

後半は えどゆきさん も到着して、食事作りから大工仕事の手伝いもしていただきました。
山さんが柱などの中空部分に釘を打つ際に、重さ1kgのハンマーを、玄能が当たる裏側の部分にガッチリとあてがってくれました(玄能の反力)。
これが有ると無いとでは釘打ち効率と出来栄えがまるで違うのです。

すかいさんのコカリナは帰る日(2日朝)になってようやく囀りました。どういう訳か今回コカリナは静かでした。
埃が舞い上がっていたせいなのでしょうか? 工事写真を見るとすかいさんはいつも何かしらかの大工仕事をされていたようです。
そうそう、床板を電気鉋で削っていただきました。外で小雨降る中、おそらく作業性は悪かったでしょうに、黙々と削りました。



工事写真をまとめてみました

     
 作業風景1  作業風景2  作業風景3
     
     
 初男さんの話に聞き入る 清流岸に ドラム缶風呂設置 冷 泉に樋を着ける

炉縁
 炉縁を作りました。
上記の写真をご覧ください。
囲炉裏の縁が無いので、スッピン状態です。
これに下の写真のような炉縁を作ってみました。
近いうちに小屋にセットしましょう。

 
 材料は欅です

冬用出入り口
 冬用の出入り口をセットしました。
高窓形式です。

     
高窓扉  内部から   外から

ご覧のように矩形ではなく五角形で製作には多少の技術が必要です。
中央の柱に沿わせるように蝶番で取り付け、外から開くタイプです。
外からの写真で判りますが、真冬の積雪はこの窓の上部位までは例年積もります。小屋の棟が埋まったのを私は見たことが有りませんので、1m位雪掘りをすれば小屋に入れます。
ご覧の窓枠は釘を一本も使用していません。ホゾ穴にホゾを挿し込む工法でです。取り付けの際は激しい使用にも耐えるように木ネジで更に要所を留めました。壁材?として透明の塩ビ波板を張り、明り採りに配慮しました。朝は暗い内部から天気が良ければ、ご覧のように太陽の様子が分かります。

完成祝い
 11月10日。小屋で関係者が集まり完成祝いを実施しました。
9日に山さん、ハチマキさん、中山さんが入りました。
前日から降り始めた初雪で、小国町に入ると銀世界。
徳網から奥は紅葉と銀世界。路面は10cm程の積雪。
山さんよりも先行したのはハチマキさん。そのワダチを参考にしながら慎重に走りました。
小屋に着くと煙突から煙が上がっています。ハチマキさんがストーブに火を入れてくれました。雪の中では火が何よりのご馳走です。
この夜は3人で予行演習。薪の燃え具合はイマイチで、目が渋〜い。
酔いが回るころにはストーブの勢いもつき、少人数ながら賑やかになりました。

10日は三々五々到着します。todaさん、今井さん、栃木市のMさん。暗くなる頃には初男さんも到着。
todaさんが持ってきて下さった高畠町のムキダケがメインの鍋。
夜のために朝から3人でキノコ採りに入ったのですが、積雪で難渋していましたので、このムキダケは輝いています。
宴会場の写真を撮り忘れました。

11日の朝飯は羽釜で焚きました。
山さんが写真を撮ったのですが、未だ昨夜の酒が残っていてご覧の様な写真です。
もっとはっきり撮れたのなら良いのですが…

*今回、酔わない時に撮影の写真を追加しました。(2017/10某日)
10月16日にかつてから気にしていた小屋周辺の「環境整理」をしました。
廃材や焚き木用に集めた小枝類の処分です。燃えるものは薪サイズに切り、小屋の中に収納。大分濡れているが暫く小屋の中に入れておけば、燃えるくらいに乾燥することでしょう。
次回行った折にはさらに整備を進めます。もう一息の作業が残っています。

すかいさんのブログにはしっかり写っていますのでご覧ください。2016年11月10日からのその1です。
http://63757597sukaisan.at.webry.info/201611/article_2.html

   
 酔いの回った写真です  酔わない囲炉裏