トンネルの天井が抜けた

2012/12/02

工事中


事故の概要

 12月2日日曜日。
この日私は山梨県富士吉田市に居た。会社の忘年旅行で、鐘山荘という温泉宿に。
9時のゆっくり出発でした。
バスに乗り込むと急にあわただしくなった。理由は中央自動車道の山梨県内でトンネルの崩壊事故らしい。
メンバーの何人かに自宅や知人から、携帯電話にその旨の連絡が入ってくる。
場所は笹子トンネル内。
運転手とバスガイドがルートの確認をしてくれている。

バスガイドが「私達はこれから富士浅間神社に詣でてから、東名高速で東京に向かいます。中央道は通らないのですが、中央道から迂回した車で混雑も予想されます」。
添乗員も予定通りのスケジュールで進めますという説明。

富士浅間神社を詣でて早々に帰路につく。
旅行のメンバーは社員と取引会社の組み合わせ。
車内で隣の材木屋の社長が私に「原因は何でしょうか?」と聞かれたが、事故直後で事故の内容が不明なので答えようがない。
しかしトンネル内の崩落事故と言うので私は「天井に吹き付けてあるコンクリートが何かの原因で落ちたのでしょう」と答えた。
そのうちにニュースで「厚さ8cmのコンクリート版が落ちた。原因は未だ調査中」
更にニュースで「コンクリート版を吊っているボルトが抜け落ちたものが有る」

隣の材木屋の社長さんとの会話
社長「山さんは土木屋でこの種の専門家だと思うのですが、原因は何ですか?」
私「トンネルは専門ではありませんが、トンネルの天井の岩石に打ち込んだアンカーボルトが、岩の割れ目などから侵入する地下水などで劣化して抜け落ちたのかも知れませんね」
社長「いつ頃作ったトンネルですかねぇ」
私「昭和40年代ではないでしょうか」「昭和48年5月に南アルプスの北岳に登山に行った時には、中央道を車で行った記憶がありますから」
その頃の中央道は片側1車線の対面通行であったように記憶している。
私「岩盤は一枚板の様に思うかも知れませんが、実際は割れ目が沢山あり、其処に地下水が流れ込んでいるのです。トンネル内にはその侵入水を流す水路も有るんですよ」
トンネル掘削工事では、地下水の湧き出し、噴き出しに最も注意を払っていると言っても過言ではない。
水の湧き出しは掘削中の落盤事故の大きな原因だから。水が出てくるとその水量や水質を調べ、どのような処置をすれば良いのかを慎重に判断する。

その後事故の内容が次々に入り、車が巻き添えになり死亡者もいる模様と。
今回の事故は今後専門家が詳しく調べて内容が報道されることでしょうが、車社会でトンネルは何処にでもある施設。
このような事故が起きても、車で出掛けない訳にはいかないだろう。
このトンネル事故も踏まえて、この種の事故に備えてどうすれば良いのか、岡目八目でこの事故を考えてみたい。