2009年4月24日〜
2009年4月24日 8時半に松山駅にバスが着く。
昨年は59番国分寺を打ち、湯ノ浦の道の駅で心変わりをして、急遽自転車を踏んで徳島港に帰ったのだった。
今年は続きの60番横峰寺からだ。横峰寺に登る前に別格10,11番を打たねばならない。
昨年から88札所に加え、別格20札所も廻っている。
電車で西条市の壬生川駅で下車。
早速駅前交番横の空き地で、自転車の梱包を解き、組立作業に入る。
客待ちのタクシー運転手が興味津々のようだ。
30分くらいで組み立てるつもりでいたが、予想外に時間がかかり11時過ぎになってしまった。
早速クロネコヤマトの「周桑宅急便センター」に先送りしてある荷物を受け取り、サイドバックや荷台への装着にかかるが、これも意外に時間がかかる。サイドバックを前後に2個づつ装填。荷台に衣装箱を一つ載せて準備完了。
横峰寺
当初計画では、荷物を装着し、昼食を食べて、遅くも12時にはスタートする予定が、既に13時。
今日中の横峰寺は無理と判断する。丹原市街のスーパーで昼食、夜食、朝食を購入していよいよ出発。
まずは番外10番興隆寺。少し山手になるが、一走りで行けると踏んでいたのが、これが予想外に手強かった。
小さな川沿いの道を登り、墓地のある高台で私の脚では登れない事を実感。
ここに自転車を置いて後は足で登る。
初め、たいした登りではないと判断して自転車を踏んだのだが、予想外の急傾斜で最初の計画変更を余儀なくされた。
予定の時間よりも大分遅れて10番、11番を打ち60番横峰寺へ向かう。
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横峰山の遍路休憩所内への幕営 | 星の森の石鎚山遥拝所(雨空にかすかに石鎚山) |
16時10分前に横峰山の遍路休憩所に着いた。
急げば17時までに横峰寺を打つことが出来るかもしれないが、今日は初日。無理をせずに、早めに今日は休み、明日早朝に登ることに決め、テント設営をする。予報では今夜から雨とのこと。屋根の下に寝るのが安心だ。写真のようにアズマヤの中にテントを張る。寝る用意をして、外のテーブルでコーヒーを沸かし春の山を堪能する。
しばらくしたら二人連れが歩いてきた。70歳くらいの老人と50歳くらいのご婦人。
二人にコーヒーの接待をする。彼らも屋根の下、私の隣にテントを張る。
私は早々に一杯やり、夕食を食べて早寝を決め込む。夜中にイビキで目を覚ます。一旦気にするとなかなか寝付けない。
屋根を打つ雨の音も大きい。ウトウトした頃に4時となったので、コーヒーを沸かし朝食の準備に入る。
5時過ぎに身支度を整えて出発。
お参りの七つ道具だけの身軽い身支度。足取りも軽い。雨具を着て、1時間弱で登り切る。7時の納経時間にはまだ早いので、星の森に向かう。
ここは石鎚山の遥拝所。札所の寺院建物も施設も無く、鳥居が一基あるのみ。シンプルだが、日本の原始宗教に通じる神聖さを感じた。
横峰寺は庫裏と客殿を新築中。仮の納経所で記帳を済ませ、早々に下山する。相変わらず雨止まず。
休憩所まで10分辺りで昨夜同宿の二人連れに出会う。挨拶をして分かれる。
元気な足取りである。
ポツリ ポツリ巡礼者ともすれ違う。
自転車に戻り再度腹ごしらえをしていざ出発。
今日は長い一日になりそう。
三角寺
今日は三角寺を打ち、出来れば仙龍寺まで行きたい。
札所には不似合いと思われる近代ビルの61番香園寺を打ち、62,63,64番を順調に打つ。相変わらず小雨が降り続く中。
R11号をひたすら東に向かってペダルを踏む。新居浜市の国領川の橋を渡る。前回、歩き遍路の時に接待して下さった「国領川のおじさん」のことを思い出す。元気にお過ごしか。
Joyfullというファミレスで昼食をとる。ついでに携帯電話の充電を行い、少し安心する。
四国中央市の伊予土居駅近く、別格12番延命寺を打つ。相変わらず雨降り止まず。
今朝横峰寺を往復した時間分だけ、予定より遅れ行程。今日中の三角寺は無理な気がしてきた。
別格の順番を違えて、14番椿堂を先に打ち、三角寺に向かうことを選択している。
三島の大型スーパーで今夜と明日の食材を購入して自転車に積み込む。
ここから椿堂まではひたすら上り坂。16時ごろ椿堂に着く。椿堂の隣の雑貨店に行き、店主のおじさんを訪ねるが、あいにくのお留守。
前回川滝公民館の駐輪場にテントを張ることを奨めてくれたおじさん。会えないのは残念だ。
椿堂はこじんまりしたお寺。夕方で別格札所なのに巡礼者が多いのに驚く。
此処からはひたすらの上り坂。三角寺に連なる峰の北斜面を一直線に登る道だ。
中間点の半田休憩所を今夜の宿地に決めて自転車を押す。休憩所に着いてみると○○建設の名で「宿泊はしないで下さい」という張り紙。おそらく宿泊者が騒いだり、汚したりして地域にご迷惑をかけた結果だろう。住宅地の中の遍路休憩所を諦めて、更に先を目指す。
疲れていることと、張り紙の件で足取りは重い。
三角寺まであと2km位の地点の杉山で日はとっぷり暮れた。真っ暗い山道に、作業小屋と思われるものがあり、ラッキーな事に水もある。小屋の隣に早速テントを張る。
雨にも負けず今日は良く走った。汗でべとつく身体を水と石鹸で拭く。サッパリして気持ち良い。やっと雲間からポッツリと星も見える。テントに潜りまずは温くなったビールを流し込む。
美味い!!! 今日は刺身付だ。疲れているが食べる物も飲む物も美味い。体調はまずまずだ。清酒換算で2合というところで、酒を切り上げ、食事をしてシュラフカバーに潜り込む。
4月26日になりやっと雨が切れた。
6時にテントを撤収して三角寺に向かう。7時前に寺に着き納経をする。
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三角寺山門下駐車場の我がランドナー | 仙龍寺はこの中に本堂、大師堂がある |
三角寺からは掘切峠越えが良いと、駐車場で老人から教わった。全線舗装道路とのこと。県道5号を行くつもりでいたが、教わったように峠越えの道を選ぶ。
峠までの登りは苦労したが、峠からは快適な下り道。あっという間に仙龍寺の駐車場に着いた。
寺は急な崖にひっ懸かるように建っている。急な崖道を登りお参りする。まさに仙人の住むような霊域である。各札所に弘法大師修行の場という由緒書きがあるが、ご多分に漏れずここにも書かれている。ここは霊場にふさわしい。
R319号で銅山川沿いを真東に下る。やがて県境を越えて再度徳島県に入る。
小歩危、箸蔵寺
昼頃に賢見温泉というひなびた温泉に着く。
早速温泉に入る。500円也。湯桶は広く、ただ一人。3日ぶりの湯に浸かり気分爽快。
湯上りに名物の「手打ちそば」をいただく。そばは歯ざわり抜群だが、汁はあまり馴染まない味である。それでも久し振りに堪能する。
外に出ると雲行きがおかしく、ポツリポツリ降って来た。雨具をつけて出発。
阿波川口という所でR319号とR32号がT字合流する。雨も降っているので大歩危は諦め、小歩危を見学することにして吉野川を遡る。3km位で小歩危に着く。名前に違わず絶景である。つくばの地質標本館の酒井先生の言われるように、両岸を含め三波川層の連なりだ。緑色の岩々は中央構造線の南側を形成する岩石で、北側よりも新しいそうだ。かつては深い海の底に堆積した泥が岩となり、圧力やら熱を帯び変成岩となったものだ。川原の写真を撮り、早々にきびすを帰す。
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銅山川沿いの賢見温泉 | 小歩危の急流(岩石に注目) | 箸蔵寺の建物はまるでお宮造り |
随分昔になるが「山の学校の子供達ですから…」と言って有名になった蔦監督。池田高校の野球部が、甲子園で大活躍をしたことを覚えている人も多い事でしょう。
その旧池田町に(現在の三好市)別格15番箸蔵寺はある。雨の中、ケーブルで登り、納経をする。
建物はまるで神社造り。案内書きでは江戸時代の末期から、明治にかけて造営されたようである。随分立派な建物である。
此処からのR32号線はまるで登りっぱなし。押したり乗ったりでやっと猪の鼻トンネルにたどり着く。
トンネルの入り口でテールにLEDの点滅注意灯を着け、前照灯のダイナモを捻り、ヘッドランプを点灯して後部の荷物にくくりつける。更に道路工事のとき見かける、反射テープ付メッシュのチョッキも着ていざ突入。
香川県へ入る。