4月25日
徳島港から今回の自転車遍路が始まった。
装備や荷物は小松島市のクロネコヤマトの営業所留で先行しているはず。空荷の自転車ははスイスイ走る。
営業所で荷物を受け取り、サイドバックを装填。バックに入りきれない荷物はザックに収めて、自転車の荷台にくくりつける。
18番札所の恩山寺へは程なく到着。新しい納経帳を買い求める。
今回の納経者は妻。
私は昨年までで結願して納経帳を持っているが、妻の分が無い。私は極楽に行けるかも知れないが、妻はどうなるのか?
そこで今回は妻の代参。という名目で2順目を始めた発心という事。
私は別格20霊場を平行して打つ事に。
結局納経帳は2冊。
早速恩山寺を打ち、19番立江寺も打つ。
20番鶴林寺へは向かわずに県道16号を西へ。勝浦町のヘンロ小屋の近くで今夜の食料をゲット。無論ビールとお酒も。
自転車に不慣れな私は、自転車を止める際にまだまだまごついている。そのうち慣れるだろう〜。と
暗くなった頃、藤川谷川を遡り「灌頂の滝」近くの上勝町正木地区の公民館と思われる「へんろ休み処」にテントを張らしていただく。
カエルの声が騒がしいほどだ。
初日で走行距離は45kmほどであるが、思いの外大きな坂道が多く疲れた。多少温くなったビールを喉に収め、不足分を日本酒で足し、弁当を食べ早寝とする。獏睡〜〜
4月26日
二日目の朝は疲れも感じずすっきり目を覚ます。コーヒーを沸かし朝食を食べテント撤収。
此処は上勝町正木地区。おかしなアートがある。「淵神の塔」
製作者は國安 孝昌 氏 (筑波大学准教授・造形作家)
「地域の誇りである雄淵・雌淵の力強い水の流れをテーマに、景観に霊力を感じるこの場所と、分かちがたく一つになった作品を制作しました。」と製作者の言。
徳島県上勝町は葉っぱビジネスで一躍有名になった町である。
山奥で、過疎で、老人ばっかりの町。周りを見渡しても山ばかり。
ところが、この環境を逆手にとって野山の葉っぱを商品に変えてしまったすごい町なのである。
会社 「株式会社 いろどり」 まで起こし、全国的に見ても稀に見る元気村である。
灌頂の滝までは何とか自転車を踏むが、滝を観る駐車場に自転車を置き此処からは徒歩。
慈眼寺への道
![]() |
![]() |
![]() |
一夜の宿として入り口を拝借してテント張る | 私は名前を知らないけどきれいな群生.。 * 後日、sukaiさんにシャガと教わりました |
慈眼寺にて(別格霊場3番) |
![]() |
![]() |
![]() |
灌頂の滝 | ??? | 久能 孝昭さんと愛犬 |
鶴林寺へは鶴峠に向かわず、大回りをして「水井休み所」に自転車を置き徒歩で登る。
水井へ向かう途中で、面白い橋の名前を発見する。
「十八女大橋」 これを何と読みますか?
横文字でSakari とあった。うーむ。言われてみれば納得。
鶴林寺往復には2時間を要した。前回は鶴林寺から下りで使った道を登り、寺の横へひょっこり出た。
ここも思いの他静かだ。今年はお遍路をする人が少ないのかなぁ。納経時間が短くて済むのは助かる。
大龍寺へは前回歩いた川沿いの遍路道のダラダラした登り坂を、あえぎあえぎ登る。急登になる手前で、前回携帯電話探しに、軽トラを貸して下さったお爺さんと偶然にも再会。前回は大龍寺で携帯電話を亡くしたことに気がつき、山道を走って下り、ここまで来た時にお爺さんに軽トラをお借りして、無事に携帯電話を探した事を思い出す。
お礼を申し上げたが「記憶がはっきりしない」という。少し物忘れがするとのこと。此処に自転車を預け登る。
大龍寺を打ち終えて、再びお爺さんの所で長話をする。名前を「久能 孝昭(ヨシアキ)」さんという。若杉集落にお住まいとのこと。
前回の軽トラ拝借のお礼を丁寧に申し上げた。前回は携帯電話を落とし、それを探すのに、久能さんに軽トラをお借りしたいと言ったら快く貸して下さった。今考えても久能さんの親切心に感謝である。
ワンちゃんも以前は小さかったが、今は立派な犬になっている。
時計を見ると16時なので、平等寺に17時に着くのをあきらめ、のんびりと自転車を踏む。
今夜の宿を「道の駅わじき」と決め、17時に到着。道の駅で食料を補給して付近をぶらぶらする。
前回夜食を食べた食堂は閉店したとのこと。
世の中は常に流動しているのだ。
4月27日
平等寺に7時に着くように、6時30分に道の駅を出発する。
今日も天気は晴れ。昨日の疲れも無く、気持ちよくペダルを踏む。
平等寺には予定通り7時に着く。ねんごろに本堂、大師堂を打ち納経を済ませ薬王寺に向かう。
前回は県道25号で由岐町から日和佐に行ったが、今回は国道55号を走る。
アップダウンを繰り返しながら1時間30分ペダルを漕ぐと、懐かしい薬王寺に到着。
薬王寺には田島翁が待っていて下さった。
前回来た時には桜の花盛りで、花見の宴に混ぜていただいた人だ。前回のお礼を申し上げ、しばし旧交を温める。
薬王寺近くには道の駅日和佐が出来ていた。足湯もあり、早速足を暖める。
道の駅で1時間ほど休憩をして、これから長い道程の室戸岬に向かう。
県道147号であれば海沿いで、国道を行くよりも起伏が少ないと考えて左折する。
しばらくは田圃の中の平坦な道であったが、トンネルの手前から坂道の連続。
当てが外れて、あえぎあえぎ牟岐町に到着。県道は道路構造令の山間地の項を適用して、10パーセントの勾配が続く。
国道は精々6パーセント。何とか私の自転車で坂道を登れるのだが、県道は辟易。これ以後はなるべく国道を選択する事にした。
自宅で今回のコースを練っている時に、牟岐町では貝の資料館ラモスコを見学するつもりでいたが、バテバテに疲れてしまい寄り道する気にはならなかった。
牟岐町の市街地の出外れに警察署がある。その隣のテントは接待所。今回も此処でお茶の接待を受ける。渇いた喉にありがたい。お接待をしている人達に「年中此処でお接待をしているのですか」と聞いてみた。
春の接待は3月1日から5月31日まで。秋にもしているとのこと。地区の賛同者が回り番でされているそうだ。ありがたいことです。南無大師遍照金剛
接待所の先にはトンネルの入り口(牟岐トンネル L=70m)がポッカリ開いている。
別格霊場4番 鯖大師は道から少し入った所。
結構参詣者が多い。私も本堂、大師堂を打ち納経する。
道の駅宍喰
14時10分に「道の駅宍喰」に到着。早速温泉に入ろうとしたら、温泉は故障で隣のホテルの温泉に浸かる。
此処の道の駅は温泉つき。前回は夕方着き、裏の公園にテントを張った。温泉を楽しみに単調な海沿いの道も歩けたのだった。その温泉が故障で少し落胆。
道の駅に戻り「湯の花定食」を食べ、15時30分に再出発。
程なく徳島県に別れを告げ、高知県に入る。
本日は111km走行して、夕方暗くなる前に室戸岬に到着した。
高岡漁港の隣の公園が本日のテント場。漁港に隣接している深層水を売りにした、温泉施設のレストランで持ち帰りメニューを作っていただき、早速テントで1杯。
今日は23番から77km。トータル111km。ご苦労様。
長〜い一日が終わる。