4月27日 室戸岬が遠望できる所に鹿岡鼻という岬がある。 佐喜浜漁港を過ぎて4km程でこの岬を通過する。 此処を過ぎようとしたところに「夫婦岩」の案内板を目にする。 振り返ると注連縄が張ってあり、観光客か参拝者分からない集団が、パラパラと三々五々歩いている。 まもなく日暮れになるので、写真だけを撮り先を急ぐ。 あと10kmぐらいで室戸岬だ。 既に高知県を走っているのだ。 今日で徳島港スタート以来3日目。実質2日半。我ながら満足いく輪行。前回の歩き遍路とは段違いのスピードだ。 暗くなる前に室戸岬に到着。 バーデハウス室戸という室戸海洋深層水体験交流センターは高岡漁港の直ぐ傍。 温泉プールやレストランなどを併せた総合レジャーセンターだ。 レストランでお持ち帰りの料理を注文して、売店で地元の手作り料理もゲット。 暗くなる前に高岡漁港隣の公園にテントを張る。 天気も良いし、漁火を見ながら般若湯(お神酒)をいただき、醒めないうちに早々に眠る。 |
![]() 夫婦岩 |
4月28日
今日も晴れ。夜明けの海では定置網の漁。三隻の船が連携して動いている。海を眺めながらモーニングコーヒーとパン。
朝一で最御崎寺を打つ。寺の下の駐車場に自転車を置き、ジグザグの細い道を登り最御崎寺を打つ。早朝で参拝者も少なく静かなお参りが出来た。
駐車場に戻ると徳島への船で一緒の「ラーメン打ち師」のお兄さんと会う。
彼も順調のようだ。高知市内で一杯やろうかと約束して分かれる。
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神峯寺山門(隣に鳥居が) | 琴が浜遠望 | 雨が降ります雨が降る〜の歌詞 |
やっぱり急な登りは足が一番。
無理をして自転車で登るよりも、使い慣れた足が私には一番だというのが良く分かった。
津照寺は街の中。階段は急勾配。こじんまりした寺だ。門前で旨そうなビワをゲット。
金剛頂寺の登り口に自転車を置き歩いて登る。境内の休憩所でサツマイモの蒸かしたもので接待を受ける。近所のご婦人達なのか。蒸かしたてで熱く旨い。数人で接待を受けながら四方山話をしばしする。
自転車に戻ると私とすれ違いに登る人とスライド。私は津照寺門前で購入したビワを、その人と分けて食べながらしばらく休息。
「キラメッセ室戸道の駅」は、今日は休みの谷間で休みのようだ。
自動販売機でジュースを買い喉を潤す。
神峯寺の坂の登り口に自転車を置き、足で2時間掛けて打つ。坂道を登ると山門の隣に鳥居がある。神仏混交の名残である。
途中に孟宗竹の旨そうな筍が路肩に出ていて、一本接待を受ける(勝手に)。南無大師遍照金剛。
また、無人販売所でグリンピースの剥き実が200円也。筍と煮ると肴になると確信して購入。
大山岬に「琴が浜」が遠望できる小さな公園がある。童謡の里として村興しの一つにしているようだ。眺めよし、雰囲気よし。
此処を過ぎる辺りから、海岸沿いの自転車専用道路を走る。
松林や砂浜沿いに延々続く自転車道路。
自転車道を走り、日暮れ近くに赤岡漁港に到着。近くのイサバヤ(魚加工工場)とスーパーで、しらす干などを購入して肴とする。
テント場で話をした老漁師の話によると、昨日の日曜日に赤岡漁港で、一升酒の一気飲み大会があったそうだ。
テレビ中継もあったとか。すごい土地柄だ。親の遺言で「酒と食べ物の賭けは絶対にするな」という戒め。
近頃それを実感している。賭けをしなくても二日酔いの我輩。
電話があり、件のラーメン師は既に高知市内。原チャリと自転車ではスピードが違う。スケジュールが合わないので、イッパイ飲みは次の機会にする。
前回利用した漁港のコンクリートの建物は、老朽化で取り壊して陰も形も無い。
その代わりに海に突き出た形で、新しい漁港施設が出来ていた。
星空を眺めながらいっぱい飲み、テントにもぐる。明日も天気は大丈夫そうだ。
高知県の道中を「修行の道」というが、山坂が多く、自転車でも厳しい修行の連続だ。
高知市を過ぎ、土佐市の青龍寺を打つと37番岩本寺。更に足摺岬の金剛福寺、その先の延光寺と長い道のりは続く。
ラーメン師は四万十川の潜水橋を、上流から下流まで全てを見たであろうか。
七子峠
中土佐町の土佐久礼を過ぎると、道は窪川町(岩本寺)まで山道となる。
久礼の街から一気に久礼坂を登る。標高差約300m。私は途中4回の休憩を入れて自転車を漕いだ。快晴で路面からの照り返しに耐え、正に修行である。
七子峠については、中土佐町観光★七子峠★http://www.mantentosa.com/sightseeing/see/nanako/ その他沢山の記載があるので「七子峠」で検索・参照されたい。
前回は徒歩で夕暮れの遍路道をあえぎながら登った七子峠。今回は自転車を漕いで登る。何で登っても高低差は同じだけある。前回は登りきって時間切れ。峠のガソリンスタンド跡でテント泊。今回はまだまだ時間がある。岩本寺までがんばろう。
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土佐の国分寺 | 桂浜(月の名所は〜♪) | 七子峠(国道56)右側にスタンド跡 |
足摺サニーロードでフル装備のランドナー |
ムカデの土佐佐賀漁港
岩本寺を打ち終え、佐賀温泉に入る。
温泉の駐車場内にヘンロ小屋がある。今夜は此処にお世話になってもいいかなあと思ったが、道路脇で騒々しそう。
風呂にも入って元気が出たこともあり、もう少し先まで走ることにした。
土佐佐賀の漁港。前回、ムカデにやられた所。到着は日没を過ぎ暗くなった時間帯。ガソリンスタンドで食事の出来る店を訪ねたら、スタンドの前の居酒屋を薦められた。此処は大衆価格。安心して飲み食い出来るとのこと。
店には数人の船乗りが食事中。東南アジアの外国人船員見習いもいるようだ。先輩船員がさかんに船中の生活に着いて説明をしている。
私も何種類かのメニューを注文して腹に収める。前回と異なり天気は快晴。
今回は岸壁のエプロンにテントを張る。さざ波の音を枕に就寝。
めじかの里
足摺岬へは雨の中、西海岸沿いの道を行く。これは大失敗。とにかく坂道の連続。道は狭く雨の中を登ったり下ったりの繰り返し。金剛福寺を打ち終えて、県道の安全パトロール車が来たので東海岸の道の状況を聞く。一旦登ってしまえば下るだけとのこと。坂道は一つ。
雨は降っていても坂が一つを知り俄然元気が出る。
土佐清水までは1時間で戻る。此処に戻るのなら、荷物を預けていけばよかったと悔やむ。
土佐清水を後に先へ進む。そろそろテント場を見つけなくては。雨の中、5時ごろめじかの里l という道の駅に着く。
お客は少ない。店の人に此処にテントを張ることの同意を得る。此処で今夜の食材を購入。鯵を4匹。その他弁当やら少々。
テントは私のを含めて3張り、4人。道の駅の建物に沿ってシートで出来た庇の下に、雨を避けてテントを張る。
私が言い出しツぺで皆さんと夕食のテーブルを囲む。それぞれが酒と肴を持ち寄る。私は先ほど道の駅で仕入れた鯵を調理する。鮮度が今一心配だったので、味噌味マリネにする。
参加者は私が包丁や調味料を持ち歩いている事に皆びっくり(私としてはごく普通の装備)
私以外はバイクでのツーリング。女性ライダーは元自転車を乗っていた人で、私のランドナーに興味津々。しばし自転車談義。雨音を子守唄に眠る。
5月2日
昨夜の雨も止み晴れ。皆早々に出発。
私は月山神社に向かい、国道321号を進む。途中、前回も気になっていた龍串という海中公園を横目に見ながら走る。海中公園は意外に狭い範囲のように思える。海中展望塔は40年ほど前に見学した記憶。その頃は電車の終点、宇和島から狭い道を小さなバスで、半日くらいかけて来たような記憶がある。
今回は展望塔には寄らずに、遠景を写真に収めペダルを漕ぐ。
足摺サニーロードは交通量が少なく快適。さしたる坂道も無く、途中の休息場で息を入れ、大浦という小さな漁港辺りで道に戸惑う。
ヘンロ地図では此処から海沿いに月山神社へ道が続いているが、自転車が通れる道は無い。歩き遍路が一人私を追い越していく。
後で気が着いた事だが、海沿いではなく、集落の裏山に当たる辺りから道は分岐しているようだ。私はそれを見つけることが出来ずに、諦めて国道に戻り宿毛に向かう。途中、ふれあいパーク大月という道の駅で食事をする。高知はトマトが旨い。ここでも旨そうなトマトを仕入れる。
39番延光寺を打ち、修行の高知県を後にする。
5泊の修行道。今日で徳島港を出て「発心の道と修行の道」を7泊で打ったことになる。
心配した自転車の調子も尻の調子もまあまあだ。
ぶっつけ本番的に自転車で出立したが、尻の皮もめくれず、多少の痛みを我慢すれば続けられそうである。