自転車遍路の発心

2008年 3月10日を過ぎ、めっきり春めいてきました。
歩き遍路を昨年結願をして一段落。もう四国はいいかなあと思っていた私。
年明けあたりから遍路虫が目覚めたようで、此処に来て四国お遍路の具体的準備をしている。
今回は自転車に乗って巡るつもりだ。

自転車を実は2年前から物色していた。荷物が積めてなおかつ走行性の良いもの。砂利道も舗装道も走れるものを。
自転車が欲しい理由は、山道で乗りたいこと。それは山奥へ行くと林道の入り口にゲートがあり、車では入れない道があるからだ。
自転車やミニバイクなら入れる。ゲートをする理由はいろいろあり、本当は自転車も入ってはいけないのかも知れないが。

佐原の昇商会という自転車屋さんに相談。中々良いものが無いようで、連絡が来ない。何度か督促したのだが中々。
最近知ったことだが、現在私が欲しいと思っているタイプは生産中止のようだ。
ところが、昇商会の倉庫にランドナーの在庫が有ったのです。話をしているうちにオヤジさんが思い出したのです。
早速組み立てを依頼。3月15日に仮納品。早速その日に岩間の愛宕山で催された、私の仲間の定年退職送別会に持参。お披露目。

16日には我が家から昇商会までの試走。片道17km。
尻が痛い!!  とっても痛い。自転車の遠乗りは40数年ぶり。私の尻はすっかり柔になってしまったのだ。
3日続けて乗ってみたが、やっぱり痛い。

3月20日
 春分の日。おりからの低気圧の影響で朝から冷たい雨。丁度休養日日和。今日はトレーニング中止。
明日は風が強そうだが、生家へ彼岸参りに自転車で片道20数キロ走ろう!
少し過激に尻を痛めないと時間がない。1日に80〜100kmを走るには事前にそれ以上の試走をしなければ。

未だ自転車の組み立ては完了していない。
パーツが揃わないのだ。それに輪行するための分解組み立て技術を練習しなくてはならないので、早くパーツが到着して欲しい。

3月22日
 尻は相変わらず痛いが思い切って今日は50km走に挑戦。利根川を遡り神崎大橋までのツーリング。
片道1時間と少し、橋の袂の土手で一休み。行きは左岸、帰りは右岸。あと1kmで家に到着と言う所でアクシデント。
前輪のギャ切替え装置が変形。一瞬何が起きたか分からずパニック。小さな部品なので、指で修繕を試みるがダメ。このまま押して帰るかと思ったが、ギヤを替えなければ乗れそうなのでソーと走り帰宅。
早速自転車を車に積み込んで佐原の昇商会へ。調整していただき一安心。ギヤチェンジのタイミングを会得しなければと心に誓う。坂道などでギヤチェンジは負荷をかける少し前にしないと、前と後ろを同時に変えようとするとトラブルの危険がありそうです。
尻は相変わらず痛いが、我慢の範囲にまでなったようだ。何とかなりそうな気になってきた。明日は更に上流の滑川に挑戦しよう。

3月24日
 昨日は滑川まで行く予定が佐原でダウン。結局40kmの走行であった。尻痛が心配で自重してUターンしてしまった。
帰り道は余りにもいい陽気だったので、利根川の土手で昼寝をしながらののんびり輪走。土手では辛子菜を採集して晩酌の肴にテーブルにのぼる。
しかし、家に帰っても尻は痛い。(内心はこのままダメかもと落ち込む)
今日の朝になっても痛みは消えない。しかし、いましがた風呂から出てみると、大分痛さは薄れていてびっくり。(この分では大丈夫かなぁと、少し気持ちは前向きになっている)
今週末は滑川まで行ける気持ちになっている私。1日当たり80〜100kmを走りたい私としては、此処は歯を食いしばり尻痛さを克服しなければならないと気を引き締めている。(大丈夫かなぁ)

今回は歩き遍路ルートをなるべく外れ、海岸沿いや街中、田舎道を自転車に乗り巡りたい。特に海岸線は地図上の海沿いの道を周りたい。おそらく古い道は海沿いや砂浜がルートであったはず。今では其れが自動車の都合で、バイパスが海からどんどん山際へ移っているのではないかと考えている。
山の麓や山上の道は余り昔と変わらないかもしれないが。

昭和30年代の早い頃と思っているが、お遍路を題材にした映画「娘巡礼」?と言うのを観たが、海沿いの景色が思い出される。渚を歩く娘巡礼の姿。思い違いかもしれないが…。
前回はなるべく遍路路を歩いたが、どちらかと言えば近道を選んで歩いた。それは一つには時間、日数が気になったためである。
今回はなるべくじっくりと歩いてみたい(走って)。
ネットで検索しました。出てきました。あの「星野哲郎作詞、鈴木三重子 歌」コンビでした。
思わず口ずさんでししまいました

むすめ巡礼     昭和30年

作詞 星野哲郎  作曲 下川省吾 歌 鈴木三重子

沖に寄る浪 とんとろり

空にゃのどかな あげ雲雀

むすめ遍路は ひとり旅

ここは何処やら 故郷恋し

シャラリコ シャラリコ シャンシャラリ

八十八ケ所 鈴だより

 

親はないのか 母さんは

問えばうつむく 菅の笠

むすめ遍路は まだ二八

ひと目逢いたや 母恋いし

シャラリコ シャラリコ シャンシャラリ

頬にちょっぴり なみだ汗

 

いつか日暮れた 磯の道

帰る白帆が 見えたとて

むすめ遍路は ただひとり

帰命頂礼 父恋し

シャラリコ シャラリコ シャンシャラリ

赤い夕焼け 見て歩く

自転車に乗れそう
4月6日
 昨日と今日で205km自転車で走りました。
家から利根川の堤防を遡り、安食というかつての利根川船運の基地まで。
昨日はうな重。今日は中華料理店で昼食を食べて帰りました。
昨日は後半は尻が痛くてやっと92kmを走りましたが、今日は110km余り走れました。これで何とか四国へ行けそうな気になってきました。
先週末は80kmがやっとでしたので、今週は随分と出世したもんです。
四国では一日あたりマックスは100km余りを走る計画ですが、何とかなりそうな気になってきました。

連日で走れるかどうかを今日試したのですが、昨日よりも調子が良かったことに満足しています。(走り始めは痛くて心配したが)
今度の週末に再度100km走れれば概ね大丈夫。と決め込んでいる私。

4月13日
 昨夜佐原の昇商会で自転車の分解方法を教わった。小さなビスが沢山あり中々難しい。
とりあえず分解をして家に帰り、今朝梱包をしてみた。大体思っていたように出来た。
2m×2.7m角のブルーシートを風呂敷のような使い方で梱包してみた。ブルーシートはテントのグランドシートに転用する。
梱包した外寸法は0.8m x 0.8m x 0.3m。これは手荷物サイズ。JR高速バスは積んでくれないかなぁ。
組み立ては難航した。理由はカンチレバーブレーキのワイヤーのセット。細心の注意をしてはめ込まないと、ワイヤーの長さ不足になり、ブレーキが利いた状態になってしまう。
それらしく組み立てたのだが、結局まとまらず佐原の昇商会に行き、チェックポイントを教わる。
なんとなく理解できた気がする。もう一度試行錯誤しながら実践しよう!!!

解体後ブルーシートで梱包 下部を折り返し紐で結ぶ 4本の紐できつく結ぶ

心変わり
 尻痛訓練。荷物の整理。概ね目途がついたかなあ。
そんな中で心変わり。88札所の外に番外別格霊場20札所を今回巡ろうかと。
コース調べをすると、3番慈眼寺や7番金山出石寺、20番大滝寺などは随分と厳しそう。コースからかなり外れる。
時間や日数を気にせずにじっくり巡りたい。その景色や風の匂いを肌で感じながら。
そうだ。今回は第一目標は松山市にしよう。
天気やコンディションが良く、先に進めることが出来ればさらに進もう。

順調にいけば徳島県の西北外れまで行きたい。もう随分古い話になってしまったが、甲子園で蔦監督が「山の中の子供達ですから…」と言う台詞のヤマビコ打線で有名な、徳島県旧池田町(三好市)の15番箸蔵寺を打って、中央構造線である吉野川に沿って徳島に下りたい。
地質にいささか興味がある私が、ネットで見ていた日本列島の成り立ち。日本列島は西南日本外帯と西南日本内帯という帯のように細長い二つの島が、吉野川の流れに沿う形で合体しているのだそうだ。吉野川(九州から日本列島を縦断している断層で、東の外れは茨城県から太平洋に出ている)の両岸に連なるのを見ることが出来るのだろうか?
資料では川の右岸側(南)が外帯で左岸側が内帯である。

内帯は古い地層で(ジュラ紀。1億8千万年前ごろ誕生)、アジア大陸(ユーラシアプレート)に付着しているような列島である。外帯は新しい地層で(白亜紀前半。1億3千万年前以降)南海の向こうで誕生し、白亜紀後半7000千万年前ごろ流れ着いて日本列島が出来たたとか。(信じ難いがプレートテクトニクス理論)
内帯と外帯の接する面が中央地構造線で日本列島を縦断しているとか。
理解し難い話だが、地球の胎動を目の当たりに出来ることに期待は大きい。
未だ見たことが無いのだが、一目で岩石の違いが分かるのだろうか???
などと思いをめぐらしている。

自転車完成

4月19日
 今日の昼前、自転車屋さんに行きバックミラーを付けていただいた。これですべて完了。完成品である。
午後から分解組み立てをする。スムーズに行けば荷造りにかかる。
とり合えずザックに自転車以外のものを詰め込み、ヤマト運輸に営業所留め置きでお願いしよう。

自転車乗りは明日最後にする。明日は取手まで行こう。取手までは片道50km以上はある。これが四国へ行く前の最後の試走となる。
この結果を踏まえて四国での行程を決めよう。
ドロ縄の今回の四国自転車遍路だが、行程を何度も練り直し、あとは現地で身体や気象条件や交通事情と相談。余り無理をしない行程としよう。

* 昇商会(ノボル)店先で完成した我がランドナーと昇商会のおやじさん。
バックに写っているランクルは私の愛用のもの。後部座席を外し特製の畳が敷いてありアウトドア専用車。

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