2003/05
針生山より祝瓶山を望む | |
熊ウォッチング | マタギ衆 |
4月の終わりに天気が良かったので、針生平から針生山の尾根筋が歩きたくなり登った。
温かな上天気。一汗かいた頃に稜線に出た。振り返ると祝瓶山が残雪をいただきスックと聳えている。いつ見てもいい山だ。
稜線に出て小一時間ほど歩いた針生山あたりにさしかかった頃、異様な雰囲気に気がついた。
大の大人が山々をデバガメ !!
双眼鏡を顔一杯に当てて食い入るように山や谷をのぞいている。声も出さない!
そのうちに無線で何かを話し出した。緊張が走っている。数人の人たちがそれぞれに散れて行く。親方風の人が皆にいろいろ指示をしているようだ。
私は当てのある山歩きでもないので、今日はここで見学を決め込んだ(というよりもこの先には緊張一杯で進めない)
私も双眼鏡を貸してもらい、熊を探すが私には岩の黒さと熊の黒さの区別がつかない。しばらく覗いていると雪渓の上の黒い物体が動き出した。
「熊だ!」ゆっくりと、堂々とした風態。あれが熊か。
私も物好きだ。3時間ぐらいこの大捕り物を見学させていただいた。
鉄砲の音が何度かして、緊張がほぐれたと思ったら、どうやら仕留めたようだ。親方風の人(中央の写真)が「取れたので奥へ行く。見に行くか?」と言われるので「お願いします」と言う私。
後ろを付いて歩くのだが、速い速い!! 私も多少山歩きには自信があるつもりでいたが、及びもしない。この人たちのスピードは何としたことか。
へたへた付いていくのがやっと。
2時間ほど歩き谷底に着くとそこには熊が数人のマタギ達の中心に大の字で寝ていた。既に皮を剥き、その皮を枝肉を保護するように掛けてあるのだという。
写真を撮らしてもらい、私も谷底に降りた。そしてじっくり見せてもらった。堂々とした熊だ。
雪の上の熊 |
6尺以上の大熊だという。
これを分担して担ぎこれから下山し、熊祭りをすると言う。(反省会と言うそうだ)
私も一緒に下山することとした。皆の最後尾からトボトボ付いて歩き、日が落ち暗くなる少し前に下山した。
何と言う日だろう。今日は貴重な体験が出来た。これがマタギと言う人達か。
髭面で怖そうに初めは思っていたが、話をしているうちにとても心の温かな人達であることが実感できた。