2018.03.05初版
時空は質量で歪むのではなくて重力で歪むのだ


空間中に物体(質点)があるだけで時空が歪むかのような説明をしばしば見うけるがそれは誤りであり、正しくは物体に伴なう重力によって時空が歪むのである。

解説書には、計量尺度のテンソルは一般化されたポテンシャル、の意味をもつとある。

以下のような考察もできる。例えば、水星の近日点前進の問題であるが100年間で角度の43”前進が観測されていた。アインシュタインは、その原因を時空の歪みとして一般相対性理論によって正しく説明した。

シュワルツシルドの解(線要素)は、相対性理論のそう多くはない解説書に出てくるが、それを基にして以下の手順で時空の歪を数値として把握できる。

手順(1) シュワルツシルドの解(線要素)

手順(2) シュワルツシルド半径を求める。その計算式は、質量x万有引力定数に関係あるので(光速も関係するが)、質量だけで時空が歪むというのは誤りであって、時空の歪みの本当の原因は重力ポテンシャルであることがわかる。なお、万有引力定数は、一般相対性理論では文字通り定数であるが、ニュートリノ起因の新重力理論では広大な宇宙とか超高密度天体の近傍などでは定数としてでは扱えない(変化する)。

手順(3) 水星の近日点前進の計算式に、シュワルツシルド半径の値を代入する。理論が観測されていた事実に一致。

手順(3’) 太陽近くを通過する光線の曲がり角度を計算する式に、シュワルツシルド半径の値を代入する。観測が理論に一致。

手順(3’’) 恒星表面の時間遅れの計算式に、シュワルツシルド半径の値を代入する。観測が理論に一致。



参考にした主な書籍: 荒木俊馬著「相対性原理概論」、恒星社版、昭和44年3月30日発行


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