岩坂士京&Korobokgur LIVE KanDoro second stage
at 新橋ZZ on 2010.2.19
岩坂さんにどんな心境の変化があったのか、地下に潜ってばかりだったあの岩坂さんが、3ヶ月連続LIVEという 無謀な試みを敢行。しかし全て平日のため、私は2月開催分のみ辛うじて行けるという状況でした。 会場は定員30人くらいという驚きの狭さ。しかし逆に、ちょっと体を伸ばせば岩坂さんまで 手が届くのでは?と思えるくらいの近さでした。そのため楽屋とかは無いようで、 岩坂さんやバンドメンバは普通に客席からステージに上がってスタンバイしました。異様な光景。
遂に3年振りの岩坂さんの生ステージが、しかもフルバンド編成で開始。 1曲目は冬のバラード『Melody Fair』でした。 この曲は以前岩坂さんが「やらかした」曲ですが、今回は特にそんな点も無く。 あるにはありましたけど序盤は久々のパフォーマンスに酔い痴れていたせいで、全然気になりませんでした。 寧ろ気になったのはステージ外。 私の座った位置のせいでそう感じるだけで、他の観客は気にしていないのか、 曲が始まってるのに周りが後ろ向いてお喋りっていうのは激しく萎えます。 別に会場に来る必要無いですよね。 そういう場合は岩坂さんにも「金返すから帰れ」って言ってほしかったんですが、 会場にいる以上、岩坂さんにとっては貴重な収入源なんですよね。残念ながら。岩坂さんがかわいそうです。
2曲目は最新シングル、と言ってもリリースは10年前の、『俺は何も変わらない』。
オープニングナンバーとは打って変わって勢いのあるステージを見せてくれました。
ここで最初のMC。
「今日はフレンドリーな感じでやっていきたいと思います。みんなもお酒でも飲みながら。
僕の好きな焼酎もあるのかな」
というコメントに続いては『風』『それぞれの扉を開いて』と懐かしい曲が披露されました。
「僕は楽曲提供もやっていて、演歌関係の人だったりとか、アニメにも曲を書いています。」
ここまで来たら声優・落合祐里香さん(現長谷優里奈、通称ゆりしー)に提供した『For you』(岩坂さん作曲)
の話題が出て然るべきだと思うんですが、全く話題に挙がらないゆりしーがかわいそうです。
ゆりしーだって岩坂ファミリー(勝手に命名)の一員なんですけどね。
「その中で知らない人はいらない、あれ?知らない人はいない、ガンダムの曲を演ります。
と言っても僕もガンダムは知らなくて、初代のガンダムのDVDをやっと今見ているところです。」
と言って、これも岩坂さんの作曲『愛は流星』を披露しました。
曲の終わりに『愛は流星』って囁いていましたね。
「曲に歌詞を付ける前に仮のタイトルを付けるんですが、そういうのは
リリース時のタイトルとは全く違うタイトルだったりします。
『それぞれの扉を開いて』はstay away、譜面に書いてますよね(バンドメンバに確認する)。
ほかにも『風』は何処か遠くへだったかな。でも次に演る曲は、
デモのときから同じタイトルが付いていました。」
という説明から、これも岩坂さんの名曲『手紙』へ。
ハードな曲から泣ける曲まで何でも作曲できてしまう岩坂さんのコンポーザ能力は異常です。
しかもそれに加えて歌唱力、ルックスと、何処に着目しても超一流。
こんな小さな会場に留まっていい人材ではないと思います。
前半ラストの曲(この日は2部構成だったらしい)は『smile-いっさいがっさい忘れたい-』。
岩坂さんは、この曲を新橋で歌うのが夢だと仰っていました。また、間奏では
「今日はこの曲をみんなに歌ってほしいと思います。バンドメンバが1回練習するのでそれに続けてください」
「気持ちを新橋じゃなくて今日は東京ドームに届けたい」
「気持ちは東京ドームに届きました」
と観客との合唱に対してコメント。夢はドーム公演ですか?ここで前半終了。ハーフタイムを挟んで後半に続きます。
後半は岩坂さんが一人でステージへ、更にアコースティックギター片手に椅子に座り、
浅倉一男さんに提供した『さよなら』(タイトル曖昧)が披露されました。
「恋愛に対しては女性のほうが強いという印象があります。(観客席から笑いが)何で今笑ったんですか?僕を見て笑ったんですか?」
「振られても女性はすぐ次に行きますけど男は同じ場所に留まっているような。次に歌う曲は、
浅倉一男さんという俳優も歌も出来る才能を持った方に提供した曲なんですが、女性の立場からの内容になっています。」
と説明していました。MCの内容を聞いたとき、岩坂さんのオリジナル曲としてリリースされた
『もしも翼があったなら』が披露されるのかと思いました。
あの曲も、終わった恋愛に対しても男のほうは相手を思い続けていて、という内容でしたね。
次の曲の前にメンバ紹介。一人一人ステージ上に呼びながら紹介していました。
「このLIVEは岩坂士京&Korobokgurというバンド名でやっていますが、Korobokgurって何だかわかりますか?
リーダー(キーボードの女性)が付けたんですが、北海道のアイヌ民族が信じている、森の妖精だそうです。」
申し訳ないですが「森の妖精」発言はNG。
「あと今回のLIVEタイトルKanDoroというのも僕の地元、北九州に因んだ造語です。
北九州の小倉には小倉祇園太鼓というお祭りがあります。2人一組で太鼓を叩くんですが、Kanとはその高い音、Doroは太鼓の低い音です。」
「町内会で太鼓があれば子供でも叩けますが、叩く機会の無い子供もいます。僕はたまたま駅前に住んでいたので
町内会に太鼓があったんですが、太鼓の叩き手は、祭りが平日でも学校公認で休むことが許されたんです。
祭りの日に学校を早退して優越感に浸るなど、子供でもちょっとした祭りの楽しみがありました。」
「やがてバンドを組んで上京すると祭りには参加しなくなってたんですが、
一度太鼓を叩いてみたら楽しくて、それ以来毎年祭りの時期には帰っています。
また来たのかって思われてますが、楽しいんだからいいですよね。」
と北九州での思い出を語った岩坂さんは、次にそこを舞台にした曲『レンガ色の想い出』を披露しました。
「この3ヶ月連続LIVEではカバー曲も披露していて、今回は同じ福岡出身で僕も大好きな甲斐バンドの曲を2曲やります。
甲斐バンドはね、僕が高校生の頃、BANDを組んで、学園祭でベースを弾きながら歌ったバンドです。
そのときもバンド名が決まらなくて。甲斐バンドの曲の中に『氷のくちびる』というタイトルがあったんですが、
そこからウルトラマンの『ウー』を連想して、そのままバンド名になっちゃいました。
ちょうどここにハヤタ君(ギターの人)もいるしね。ハヤタ隊員。」
と話が脱線しつつも、共に甲斐バンドの1977年の曲『かりそめのスゥイング』『きんぽうげ』を披露しました。
私まだ生まれてませんよ!しかし岩坂さんが高校時代に好きだった甲斐バンドの曲を今でも好きなように、
高校時代に岩坂さんの曲やラジオに触発された私がこうして社会人になった今、会社帰りにLIVE会場に来ているのは、
自然な流れと言えますね。
昭和の福岡から曲の舞台は移り変わり、次は岩坂さんの上京直後の曲を歌った『涙のかたち』、次に
「金子みすずさんという童話作家がいるんですが、その人の作品は逆の視点から考えた内容になっています。
例えば綺麗な花が咲いていても、僕たちは綺麗だと感じますが、花の立場からすると綺麗だからこそ摘まれてしまう、とか。
そんな作品に影響されて作った曲です。」
このMCを聞いて、次の曲が判明しました。岩坂さん自身もラジオで
「後ろ向きな気持ちで考えるからこそ見えてくるものもある」
と発言していた『心の地図』です。思わずラジオのリスナーだった当時を思い出してしまいました。
すぐに次の曲『STEP BY STEP』に移りましたが、信じられない事態発生。 イントロの後、いつまで経っても岩坂さんは歌い始めようとしません。 そのままコードが進み、明らかにサビのタイミングになっても岩坂さんは歌わず。 この長いイントロは演出ですよね?と半信半疑でしたが、岩坂さんは2番から歌い始めました。 さすがにこれには観客ドン引き。いい曲なのに勿体無いです。
何事も無かったかのように岩坂さんは「最後の曲」などと言い、デビューシングルのカップリング曲『優しさの条件』
でLIVEは終了の予定でした。間奏にも
「また来月お会いしましょう!ありがとうございました!」
と言っていました。しかしやはり先程のアレが引っかかるのか、
「最後のような雰囲気で曲が終わりましたが、やっぱりもう1曲やります!」
と、ありがたいことに追加してくれました。この日本当にラストの曲は
デビュー曲『この空にKissしたい』でした。
ここでアンコール要求したらもう1曲やってくれないかな? と期待していましたが、会場がそんな空気ではなかったので、とっとと帰ることにしました。 終演は22時近くでしたし。