Live Dimensional-2007/15th ANNIVERSARY COUNTDOWN SPECIAL

at 目黒ブルースアレイジャパン on 2007.12.31-2008.01.01


2007年最後のLIVEはDIMENSIONです。 当日は朝から東京の他の場所で過ごしていましたが 会場への移動を始めたのは夜になってからなので、 会場入りは開演時刻ギリギリでした。

会場はライブハウスかと思ったら、客席にはテーブルがあって みんなドリンク片手に談笑してました。 所謂ジャズバーってやつです。 それまでにいた場所と比較して、場違いなところに 来てしまったような印象を受けました。 私はテーブルではなく立ち見。 しかし立ち見エリア狭すぎ。

開演時刻である20:30をまわった頃、調律中なのかサックスの音が 聞こえてしました。後ろを振り向くと、何と勝田さん(Sax)が! さらに後ろには増崎さん(G)と小野塚さん(Key)も! 本人たちを生で目撃出来て感激でした。 やがて勝田さん、増崎さん、サポートの2人、小野塚さんの順に ステージに向かって歩き始めました。

曲の前に勝田さん、マイクを取って
「今日はカウントダウンに来ていただき、ありがとうございます。 そして今年一年DIMENSIONについて来てくださってありがとうござます。」
と、いきなりMCから。ヴォーカリストがいないので、 最初は誰が喋ってるのかわからなかったです。 ああいう声で喋るんですね。続いて増崎さんも
「年の瀬のこの日に集まってくださって、よくも来やがったな、 という感じです」
と。そのまま今度はメンバー紹介が始まってしまいました。曲は?

と思っていると、
「そろそろ始めましょうか」
の合図で聞き馴れないイントロ。1曲目は私の知らない曲でした(アルバム『SEVENTH DIMENSION』収録の 『Cricket Smorker』)。 続いては『Beat #5』。DIMENSIONの曲は聞いたことがあっても タイトルが出てこないのが多いです。 そして『Cricket Smorker』の最後に
「2008年を向かえる前に、やり残したことが出来てしまいました」
と言って、曲のエンディング部分の演奏を始める3人。 観客は爆笑でした。忘れてたんかい。

続いては2007年リリースの2枚のアルバムから1曲ずつ、『Never』『NEWISH』を演奏。 この後のMCでは、増崎さんがインスト界で唯一のレコード大賞 受賞ギタリストだったこと(DIMENSION結成前)、被り物ギタリストだったこと、 ほかのギタリストは被り物でTVに出たことなんかないだろう、 などと話していました。
「今年のDIMENSIONの毒を全部出し切るつもりで。 同業者の悪口なんかも(会場笑)」
などMCが面白すぎで、しかも長い!このまま喋り続けて 気付いたら年明けを迎えてた、なんてことになりそうでした。

この日のLIVEは新旧盛りだくさんの内容になっているそうで、 次は『Out Off This Sky』『IF』とバラード曲が続きました。 特に『IF』は、同タイトルのアルバム収録で、DIMENSIONを代表する名バラード。 それを生演奏で聴けて感激でした。 やはりこの曲が連想させる世界観は評判以上でした。

前半は10曲を披露。大部分が知らない曲でしたが、彼らの 超高速演奏テクニックにすっかりヤられてました。 小野塚さんなんて殆ど手元を見ないで、 増崎さんを向いて鍵盤叩いてましたね。 熟練していれば当たり前に出来るのかもしれませんが、ちょっとびっくり。

15分のハーフタイムを挟んで、カウントダウンの瞬間に向けて 後半がスタート。しかし後半は演奏ではなく、爆笑モノの企画でした。 先ずは増崎さんのTV出演時の映像。それもギタリストとしてではなく、 TV東京の釣り番組「釣りロマンを求めて」でした。 岩場で竿を手にした増崎さんが映るなり
「あんたそんな格好で何やってんだよ」
とか、TVでの増崎さんの「竿を持ったときの一体感が」の発言にも
「一体感じゃねえよ」
など、勝田さんから終始突っ込みが絶えませんでした。 番組ではDIMENSIONの曲が使われていて、そこにも3人爆笑。
勝田「我々の曲は釣り番組に合いますね」
増崎「音楽全然知らない男性からこの番組観て手紙貰いましてね。 こういうのをジャズっていうんですね、とか書いてあった」
小野塚「それじゃこれからDIMENSIONの観客層変わりますね。だいぶ 磯臭くなりますよ(会場笑)」

続いての企画は、小野塚さん制作の、DIMENSIONの2007年を振り返る スライドショーが披露されました。 これがTVやflashアニメ以上に凝った作品で、 観客も増崎さん・勝田さんも感心。 最初のアルバムMy Ruleの発売、ADLIB誌表紙抜擢、東京国際フォーラム 野外ステージへの出演、2枚目のアルバムNEWISH発売と来て、 残りの「増崎さんニューヨークに行く」「DIMENSION北京に行く」 の2本で観客は爆笑しました。

先ずはニューヨークですが、写真の増崎さん、全然ギタリストに見えない 格好で写ってました。近所歩いててもおかしくないですよ。 訪問先でゴルフに興じたりパーティに招かれていた写真も出てきましたが、 どの写真の増崎さんも、実に良い笑顔で、観客は更に爆笑。

続いての北京では、天安門広場を歩いているとき勝田さんが ブーツだったため(しかも長距離歩いたらしい)、機嫌を損ねて しまった様子がしっかり写真に写っていました。 明らかに一人だけ浮いてておかしかったです。 彼の機嫌を直そうと増崎さんと小野塚さん、天安門広場のお土産屋へ。 すると毛沢東のグッズが売られていたそうです。 一国の偉人をグッズにしていいのか?という突っ込みもありましたが、 彼らは勝田さんのために毛沢東グッズのひとつ、 懐中時計を購入。それで勝田さんの機嫌が直ったはいいのですが、 今度はテンション上がり過ぎ! あまりのギャップに吹いてしまう観客続出。 飲み物片手に鑑賞するにはあまりにも危険な写真でした。 ほかに毛沢東の帽子をかぶった3人の写真 (サイズが合ってないので帽子が頭に乗ってるだけ)や、 万里の長城を上る増崎さん・小野塚さんの写真(勝田さんは不在)、 現地のTVに出演したときの写真がありました。

そして抽選会コーナー。私は何も当たりませんでしたが、 景品の数々はまるで罰ゲーム。当たらなくて良かったかも。 先ず北京から密輸してきたという、毛沢東Tシャツ(サイン入り)と 中国産マッチ。マッチは火をつけてどうしろというんでしょうか。 全然使い道がわかりません。毛沢東Tシャツは
「これを着て寝れば悪夢間違いなし」
と紹介されていました。しかし最大の景品はこのあと。 Tシャツがプレゼントされるのに加えて DIMENSION3人のうち誰か1人とハグしてもらえるという特典。 最初こそ女性が引き当て、増崎さんにハグしてもらえたものの、 次に当てた3人は何れも男性。 面白すぎる展開に観客もDIMENSIONもダウンしました。 ステージ上では次から次に、男どうしの熱い抱擁が(アッー!)

しかしこれだけでは終わりません。最後に当たった3人には Tシャツとは別の特典が用意されていました。何とステージ上に残り、
「そこで(演奏テクを)ガン見してください」
と、DIMENSIONのすぐ隣でLIVEを観られる特典が与えられました。 通常のLIVEでは絶対起こり得ない異様な光景の中で 『Black Code』は披露されました。DIMENSIONはこれを「漢祭り」と呼んでましたね。 そして2007年最後を飾るのは、これもDIMENSIONの名曲中の名曲、 『Break Out』。まさに超絶技巧集団という呼称に納得してしまうような、 凄まじい高速演奏と、追いつけない程激しく変化する拍子。 私にとっては悪いことが続きに続いて、ボロボロの状態で迎えた2007年最後の日 でしたが、これを生で聴けたのなら「終わり良ければ-」って気になります。

残り時間約10分となったところで、ステージには鏡割りの樽と、 DIMENSION用のクラッカー(どう見てもバズーカ)が用意されました。 いったいどんな風にして新年を迎えるのか、と思ったら、 客席のディスプレイにはヘイユー(仮称)のカウントダウン映像が。 雰囲気ブチ壊しでした。クラッカーと鏡割りで新年を祝った後は 観客全員に日本酒が配られました。DIMENSIONは升で乾杯。
「ほかのバンドでやるときはステージ上で飲みながら やったりしますが、DIMENSIONは無いですよね。」
「その代わり終わってから凄いですよ(会場笑)」

2008年になって最初に披露された曲は、知らない曲でした。 しかしここでも信じられない光景が。 勝田さんが客席に下りたかと思えば、私の目の前まで来て演奏開始。 本当に観客と向かい合っての演奏でした。 そして客席の椅子の上に立って演奏。 次から次に予想外の事態が起こり、客席はこれ以上ない盛り上がり。 増崎さんはその間、被り物をしてギターを弾いてました。 みんなハジけすぎです。

再び3人がステージに揃って、『Are You Gonna Win?』。 この曲は私が知る限り初めて聴いたDIMENSIONの曲です。 某女性声優のラジオで使われていて毎週のように耳にしていました。 当時はこれがDIMENSIONの曲だとは知らなくて、 何年も経ってベストアルバムを聴いたとき「この曲は!」となった 思い出があります。それを生で聴ける日が来るなんて嬉しいですね。 そのベストアルバムcomplete of DIMENSIONにも収録されている 『Nudistic』を含め、熱く盛り上がれる曲が続きました。 真冬の、それも未明だというのに、その寒さを打ち消して しまうようなステージでした。 ラストナンバーはニューアルバムからの 『I Will』。新しいステージに飛び込む様をイメージさせるこの曲は、 1年の始まりにぴったりですね。

そしてアンコール、と思ったら、3人共なかなか現れません。 本当に終わりなのかと思ったほかの観客たちは次々と帰っていきました。 しかし私は信じて彼らの登場を待ち続けていると、来ました! 勝田さんが
「まだしまっていないソプラノを持って来たので、これで1曲やりたいと思います」
続けて増崎さんも
「曲は本当にこれで終わりだからね!飲み食いは好きにやっててください」
と仰って、アンコールの『Far From Here』を演奏。 最初は美しい音色をじっくり聴かせ 終盤にかけて徐々に盛り上がるこの曲で、 LIVEは最高の形で幕を下ろしました。

殆ど知らない曲だったので、どういうまとめ方をしようか悩みました。 でもこれで、演奏だけじゃなくて喋りも卓越したモノを持っていると、 知っていただけたでしょうか。


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