Chicago Poodle LIVE ODYSSEY '09-'10 そして僕らは旅に出る

at 岡山CRAZYMAMA KINGDOM on 2009.12.12


2009年の音楽シーンで最も大きな出来事といえば、Chicago Poodle(以下、シカプー)のメジャーデビュー。 異論は認めません。 3枚のシングルと1枚のアルバムのリリースを経て始まった全国ツアーに行きました。 私は岡山公演を選択しました。 「何故岡山なんだ」という理由のひとつは、翌年まで待てなかったこと、 もうひとつは当日の日記を御覧ください。

会場に着くと、入場列は建物裏の公園とのこと。 そこはスタッフは何もしなくて、ただファンが溜まっているだけというカオスな状態。 最後尾が何処かもわかりませんでした。 やがて会場時刻が過ぎると、ファン一行はぞろぞろと会場に向けて歩き出しました。 チケットの番号関係無しかよ。 それにしても、過去2回のLIVEとは比較にならない程の観客の数。 メジャーデビューして急激に増えましたね。 そのため、過去の会場規模を考えると、これだけの人数が入りきるのか心配になりましたが、入れました。

時間ぴったりに会場は暗くなり、オープニングSEに合わせてステージにメンバー登場。 花沢さん(Vo,Key)のピアノの旋律を聴いて、1曲目は『Hello』と予想し、実際そうだったんですが、 この日はサビから始まるLIVEバージョンに変わっていました。 2曲目は、LIVEの定番になった『TOMORROW LAND』。歌詞の一部を会場名「KINGDOM」に変えて歌っていました。

最初のMCでは
花沢さん「こんばんはChicago Poodleです。」
辻本さん(B)「TLS!」
観客「ポカーン」
花沢さん「わかりにくいわ。」
辻本さん「TLSね。『Twinkle Little Stars』(岡山を題材にした曲、後述)」
観客「おおー!」
辻本さん「会場ごとに独自の挨拶を考えてるんですけど、岡山ではTLSで。TLS!」
観客のごく一部「TLS!」
この時点ではあまり浸透していなかったようです。

LIVE再開。次はシングルのカップリング曲としてリリースされている『My Life』。 意外なことに、ここまで最新アルバムからの曲はありませんでした。 しかし次の『スーパースター』は最新アルバム『僕旅』からの曲。 マイケルジャクソンの急逝を扱った歌詞に因んでか、キーボードソロで 花沢さんはマイケルジャクソンの曲の一部らしき旋律を弾いていました。

ここで各メンバーの自己紹介。山口さん(D)が漸くマイクに向かって喋ります。 キャンペーンでの訪問を含めても(キャンペーンは大抵花沢さん一人で実施するので)まだ岡山県は2回目だそうです。 そして
「メジャーデビューしましたが、メジャーでも変わらず、シングルアルバムの区別なく、いい曲を作り続けていきます」
などの決意表明、そして花沢さんの作詞に関する経歴も。
花沢さん「僕は人生の中で、2回しか作詞の経験が無いんですよ。」
辻本さん「何やったっけ、初めて作詞した曲、8ヶ月かかって(会場どよめく)漸く出来た歌詞が、読んでもさっぱりわからへんかった(会場爆笑)」
花沢さん「テーマが壮大すぎたようで。でも次に披露する曲は、人生2回目に作詞した曲です。 僕本当は作曲家かプロデューサーとして音楽業界に入りたかったんです。 でもこうしてChicago Poodleのヴォーカルとしてステージで歌っている、 それは最初から決まっていた自然なことなんじゃないか、という内容の歌詞です。」
と紹介されたのは、最新アルバムの花沢さんピアノ弾き語りナンバー『空の青』。 続けてインディーズ時代の代表曲『夢』、再び最新アルバムからの『約束』と、 バラードナンバーが続きました。こういうキーボード中心のシンプルなアレンジの曲こそ、彼らの真骨頂です。

次のMCでは、これまでにリリースされた3枚のシングルについて。
辻本さん「『ODYSSEY』『ナツメロ』『さよならベイベー』にはある共通する秘密が隠されてるんですよ。知ってます?これツアー会場でしかバラしてないんですけど。」
観客の一人「知ってる!」
3人「嘘!?どうやって知ったの?」
観客の一人「秘密です」
辻本さん「秘密だそうですが、先ず『ODYSSEY』のジャケット写真、プードルが宇宙服着てますよね。その宇宙服が『ナツメロ』の歌詞カードに映ってるんです(会場どよめく)。 で、『ナツメロ』は西瓜ですね?西瓜がヘッドホンをしているジャケットですけど、そのヘッドホンが『さよならベイベー』の裏ジャケットの何処かに使われてます。 これ本当です。後で確認してみてください。」
その流れだと、『さよならベイベー』のジャケットの叡山電鉄の車両が次のシングルにも登場するはずですが、果たして結果は(2010年1月現在シングルリリースの発表無し)

また、ファンが何処から来たかの質問がメンバーからありました。 私がこの日最も遠くからのファンと判明。絶対ほかにもいると思ってたのに。 シカプーと縁の深い美星町からのファンもいらっしゃいました。

ここで前述のシカプーと岡山県の関係についてのMC。2009年2月にFM岡山の「ドリームファクトリー」に出演したことから始まったそうです。
花沢さん「パーソナリティの方が『美星町(現井原市)っていうものすごく星の綺麗な名所があるんですよ。行ったことあります?』『ないです』 『行きましょう今から』って話になって、番組が終わった後行ったんですよ。本当に綺麗で、そこで浮かんだ曲が『Twinkle Little Stars-星が降る町-』です」
と曲紹介。光景が目に浮かぶのは勿論、この歌詞のような経験は誰でも一度はあるはずで、 完全に歌詞の世界に引きずり込まれました。これを生演奏で聴いて泣かない人はいないでしょう。 アルバム未収録曲ながら、今後のLIVEでも定番になりそうな名曲です。

星を題材にした曲でシカプーのLIVEの定番といえば、忘れちゃいけないのが『流星』。 当然この日も披露されました。その後はニューアルバムから『バイバイ』『泡沫』『ハレルヤ』が一気に披露され、 続いて聴き慣れないイントロ。これは何の曲?と思っていたらお馴染みのピアノの旋律で『ネガポジ』と判明。 これは過去のLIVE同様、絶対最後の曲だと思ったら!これで会場のテンションは上がり、その勢いで2ndシングル『ナツメロ』、 デビューシングル『ODYSSEY』とアップテンポな曲が続き、これこそLIVEだっていう熱い空気が。 CDでしかシカプーを知らない人がこれを体験したら、絶対中毒になりますね。

しかしLIVE本編は次で最後の曲。
花沢さん「FM岡山でもパワープレイに選んでいただいたこの曲で締めたいと思います」
と言って3rdシングル『さよならベイベー』が披露されました。 この季節にぴったりの歌詞に美しいピアノの音色、過去2作のシングルとは明らかに曲の存在感が別格です。 こういう曲を作らせたらシカプーの右に出る物はいませんね。

通常ここではアンコールが起こるのですが、この日はアンコールではなくTLSコール。岡山公演ならではの光景でした。

やがてシカプーの3人が登場。しかし何やら様子が変。 ツアーTシャツを着ているのですが、辻本さんだけ胸元が大きく開いていて違和感バリバリ。 そんなことしてセクシーさをアピールしなくても。
辻本さん「ツアー用に胸元の開いたTシャツを全員持っていて、会場ごとに担当した人が着ることになってまして、岡山では僕が。」
花沢さん「俺のあったかな」
辻本さん「全員分作ったやん」
そして最後にもう一度メンバー紹介をしますが
辻本さん「キーボード&ボーカル、花沢耕太!」
花沢さん「すみませんね、最後まで(座ったままで)見えにくくて」
辻本さん「立ったらええやん」
などの会話に続いて、辻本さんが「好きに踊ってください!」と観客を煽りつつ披露したのは『Dance-華と龍-』でした。 終演後に周囲の観客たちがシカプーの演奏の上手さに舌を巻いていて、 確かにデビュー1年目のBANDとは思えないくらいの技術を持っていますが、 観客の盛り上げ方もベテランの域に達しているように見えます。 最後に披露されたのはニューアルバムからの『旅人』。 これで本当にラストということもあり、曲の最後のアカペラになる部分は余計に感動しました。 こうして、メジャーデビュー後初のツアーの岡山公演は感動のうちに終了。

ツアー『LIVE ODYSSEY-そして僕らは旅に出る-』は2009年11月から始まり、2010年2月まで、4ヶ月間に及ぶ長いツアーです。 これを書いている時点ではまだツアーは終わっていませんが、 今から既に次のアルバム・次のLIVEが待ち遠しくなる、そんなステージでした。


Back