旅 ②
北海道を去って5年後、2011年3月満60歳で定年退職を迎えたが、再就職し満70歳まで働いたことから300名山行はそれ程多くはできなかった。2021年9月末退職し、体力気力の衰えも顕著になってきたことから、これからは300名山行を最優先にしようと思った。中でも難峰を早めに登っておこうと思った。300名山登頂を果たした先輩N氏の話では北海道の山が難しかったとのこと。そこで、22年7月北海道の300名山を目指す。その時点で15山未踏。北海道はマイカーで行くとフェリー乗船費用だけで往復10万円近くなることから、長期戦覚悟で1回で完登を目指す勢いであったが、天候不順に疲れも重なり、6山登頂で撤退。それでも日高の難峰、幌尻、ペテガリ、神威の3山に登頂できたのは幸い。何とか年内に完登したく1か月後の8月にも再訪したがまた天候不順、4山登頂で撤退。1番の目標、日高のカムイエクウチカウシ山は出発後雨となり撤退。翌23年9月、今度こそ残る5山登頂を目指す。夜間、北海道に上陸後、深夜の運転で石狩岳登山口着。仮眠しただけで翌朝登るという強行軍。続いて本命のカムエクへ向かう。晴天に恵まれ、体調・気分とも上々、順調に前進していたが中腹のテント場手前で左アキレス腱断裂。テント場まで登り、翌日、苦難の撤退。療養で年末まで登山休止。24年1月から登山再開、5,6月に北関東の300名山行で足の具合を見極める。6月末から天候をこまめにモニターし、出発当日朝、決断、夜フェリー乗船。高速道の夜間通行止や林道の落石による不通など幾つかの支障があったが登頂を断念せざるを得ないような事故、雨天、大きな怪我はなく、無事4山登頂。北海道の300名山完登を果たせ、山場を越えた安堵感あり。振り返ると、やはり日高の4山が難しかった。いずれも山が奥深く、登山口へのアプローチが長く、1泊以上のテント泊、山小屋泊になる。川や沢の渡渉があり、登山道・道標の整備が不十分でハイキング感覚では行けない。歩行時間も長く、登山経験、体力・気力が必要になる。また、北海道の山全体にいえるがヒグマとの遭遇のリスクがあるが幸い気配を感じることもなく済んだことは幸せ。4回の北海道の山旅を通して感じたことは、天候の不順さ。北海道にはさわやかなイメージがあるが、札幌在住の1年間も意外とすっきりしない天気が多いという印象で、山旅が4回にもなった一番の理由も天候不順にある。北海道出身の知人によると、6月が良いとことだが山は低山でも残雪があり、安全を期すと入山できない。良い面は、北海道の広さと車道網の整備。スピードの感覚が本州とは異なり、ついついオーバーしてしまいがち。高速道だけでなく、道道もよく整備されており、車での旅がしやすい。林道の整備も驚くほど進んでおり、登山にはありがたい。また、北海道は昔から車やバイク、自転車、徒歩でのツーリストを受け入れてきた歴史があるせいか、ツーリストへの配慮が行き届いている。道の駅はもとより、PAが高速道だけではなく、国道沿いにもあり、トイレのある所もあり、車中泊には便利である。温泉が多く、入浴場所を探す苦労も少ない。安く泊まれる民宿や小宿も多い。昭文社のツーリングマップルにはツーリストに配慮した情報が載っており、大変役立った。駆け足で回った北海道だがまた機会があればのんびりと回って見たい。⇒トップページ