矢 納 谷

月末の北アルプス山行の鍛錬、連日沢登り。昨夜就寝前に行き先を決める。ガイド本の下山道が分かるか不安。
結果、不安的中。国道169号を南下、上多古川沿いの林道へ右折、上谷との出合で右へ直進。林道はそれ程荒れて
ないが、蛇谷手前で道路が大陥没、工事中。広い路肩がなく、少し戻り駐車。陥没場所の通過に難儀。しばらく林道
を進み、終点広場着。途中、行人滝の迫力。錆びた鉄小橋を渡り、杣道を進む。右手、本谷の多古ノ滝が轟々の
大迫力。真近に垂直の矢納滝を見て容易に滝上に降り、入渓。巨岩累々、大迫力。ガイド本に初心者でも
楽しめるとあるが、これ程迫力のある沢は初めてか。初心者だと肝を潰すのでは。温和な高齢の釣人と遭遇。
巨岩の間を縫うように進む。進路をはばむ巨岩を思案しながらこなす。最初の大滝:昇龍ノ滝。少し戻り、
切れ込んだルンゼを登り、それ程難なく巻く。しばし気を抜ける穏やかな渓相。8m滝を左側から巻き、何とか沢へ戻る。
ゴルジュを抜けると、右、垂直の岩壁から細流30m滝を見上げる。正面、赤い岩盤のナメ滝の奥に赤ナメクチキの滝。
ナメ滝で滑り落ちそうになる。25m滝、右からそれ程難しくなく巻ける。かなり進んでも巨岩の累積。
いささかタメ息。最後の大滝:コウリン滝25mが頭上に飛沫を上げる。臆する気持ちを圧して滝前を横切る。
左側の急峻なルンゼをよじ登り切り、痩せ尾根上に出る。進路が分からず戸惑い進むうち、踏み跡発見。高巻き
進むと、何とか沢へ下降できる。右側、覆いかぶさるような巨大な岩壁。気持ちも押しつぶされそう。いささかバテる。
時間と下山路の不安であせり始めたころ、ガイド本にある朽ちた小屋を見る。ここで切り上げるが杣道が見つからない。
沢を高巻くように見当で進む。途方に暮れ始めたころ、踏み跡発見。先ほどのルンゼ上に戻る。再び進路を失い、
かすかな痕跡と勘を頼りに下降、ルンゼを下るロープ発見!比較的楽に沢へ戻る。渡渉しやすそうな個所へ向かうと、
対岸にビニールテープあり。杣道があることを念じて、登山靴に履き替える。幸い踏み跡あり、赤ナメクチキの滝手前
の30m滝上部をトラバース。何度も進路を失いそうになり、暗くなる前に脱出できるか不安に駆られる。携帯電話も
不通。沢靴に履き替え、沢中を下るかとあきらめたころ、岩に赤ペンキマーク発見、さらに梯子あり、きわどく活路を
見いだす。にわか雨にもたたられるが、無事、戻れ、助かる。大迫力の沢だが下降路が難。⇒トップページ

積み重なる巨岩と大滝が大迫力の美渓、下山に難渋 やのうだに 奈良県川上村

2012819日()晴 8:35駐車点→9:30入渓→10:35昇龍ノ滝→11:45赤ナメクチキの滝→12:25コウリン滝
           →13:30廃小屋→13:55杣道発見
→17:00駐車点