仕事がひと段落ついた休日、今年初の沢登り、兵庫の最高峰:氷ノ山へ突き上げる沢へ。低山歩きが続き、心身が
なまって、臆する気持ちを圧して行く。播但道:和田山ICから国道9号、県道87号をひた走る。山麓の旅館街を抜け、
登山口への道標に従い、左の枝道へ下る。道なりに走り、小橋を渡ると、登山口駐車場。平日だが先行車数台。
よく確認しないまま車道を進み、引き返す。トイレの先に登山道が延びている。道標に従い進むと、土石が堆積した
河原に出る。眼前に小滝と小堰堤。これが沢入口か。ガイド本コピーで確認、間違いなさそう。ひるむ気持ちで
久しぶりに沢装備着用。小滝脇の岩場に取付く。岩に手を掛けると、一抱えもある岩が落下、足を引くが、軽負傷。
のっけからパンチ。全体に岩がもろく、細心の注意。小滝の先、切り立った岩壁の回廊。見上げる新緑が鮮やか。
回廊突き当り、45m滝が険しい。とりあえず接近。とても巻けそうにない。弱気、早々の退却か。ガイド本を
見直す。滝前の岩壁入口まで戻り、高巻くとある。大きな雪渓が残っており、その端から草付きの急斜面に取付く。
進路を考えあぐねながら木枝と根っ子を頼りに小刻みによじ登る。体の動き・気持ちに勢い・キレがなく、モタモタ。
何と下から人の声。声に追われるように登り切る。幸い下降はそれ程無理、危険なく沢に戻れる。滝落ち口上、
ナメ滝上で人心地着く。斜瀑を難なくこなすと、大滝。ガイド本では右岸をたやすく登れるとあるが、そうは見えない。
ガイド本の写真と照らすと、本沢中の名瀑:不動滝。高巻きの取付きは比較的楽だが上部で難渋。
中間部、風水害の跡か、大量の土石が広い谷を埋め、荒涼。流れは細く、歩きにくい土石上を進む。沢の分岐を
見落とさないよう注意して進む。土石の堆積で分かりにくいが、沢が分岐、左から流れ込む沢へ。苔むした渋い沢、
趣が良くなる。ガイド本にある滝がなかなか出てこない。沢を間違えたかと不安になってきたころ、小滝。楽に巻く。
次の10m滝もそれ程難渋せず。もう難所はないかと息をついていたら、40m滝。右前のルンゼを登れそうだが、
手前の草付きを登る。滝の方へ戻るため、ルンゼの急峻な切れ込みを細心にトラバース。何とかクリアと思いきや、
眼前2段目20m滝!また苦しく危険な高巻き。ヘトヘトになり、ようやく難所をこなす。後、若干の小滝は直登でこなす。
雪解けのせいか、なかなか水が枯れない。ガイド本に従い右の小沢へ。程なく沢が枯れ、細い沢中、沢靴を脱ぐ。
両側、覆いかぶさる竹の密生。突破するしかない。竹を踏みつけ、左右に押し分けながら少しずつ前進。根気よく
登り続け、ようやく登山道に抜け出る。位置がよく分からず、とりあえず山頂方向へ進む。イワカガミ、チゴユリ、
ヒトリシズカが沿道を彩る。ヘトヘトの気持ちが和む。山頂まで1キロの表示、時間切れ、引き返す。鉢伏山の展望で
満足。氷ノ山越の手前、ブナ林の趣が良い。親水公園への降りは、意外と暖傾斜、足がはかどる。地蔵堂から短く
ジグを切りながら急斜面を下る。途中、布滝を展望。近づいてみたい見事な滝。無事駐車場へ戻ると、地元の人が
トイレ掃除中、感謝。⇒トップページへ
八木川源流
滝の高巻きとブッシュ突破に難渋した氷ノ山の沢 やぎがわげんりゅう 兵庫県養父市
2012年6月6日(水)晴 8:50親水公園駐車場→9:15入渓→10:45不動滝→13:40出渓→14:45尾根道
→15:25氷ノ山越→16:35駐車場