仙 丈 ヶ 岳
長い長い仙塩尾根を経て未踏の100名山へ せんじょうがたけ 3032m 山梨県南アルプス市
2007年7月27日(金)晴 4:45北岳山荘→6:20間ノ岳→7:00三峰岳→9:15野呂川越→11:35伊那荒倉岳
→15:20山頂→15:50仙丈小屋
本山へは北沢峠からの往復が一般的だが、南アルプス全縦走を目指し、不人気の仙塩尾根を歩き通し本山へ。
稜線上に山小屋がなく、野呂川越下にある両俣小屋泊が無難。登山地図では、北岳山荘〜本山は10時間、
何とか歩き通せそう。たまたま北岳山荘で寝床が隣りになった二人連れが逆コースで仙丈小屋から歩いてきた人。
早足で5時発14時着とのこと。無理しないよう忠告されるが、負けずにやってやろうという気になる。
3:30起床、ゆっくり荷造り、自炊後、出発。間ノ岳へ暖傾斜の岩稜を進むうち日の出。振り返ると、北岳の鋭鋒。
山頂かと思わせる小ピークを幾つか越え、間ノ岳登頂。昨夏、塩見岳から長い稜線歩きの末、ヘトヘトで登頂した峰、
あっさり通過、三峰岳へ急ぐ。眼前、質量感のある農鳥岳、遠く塩見の坊主頭、長く蛇行する仙塩尾根、
よしやるぞ!三峰岳直前から道標に従い仙塩尾根へ踏み出す。険しい急傾斜のダートコースが続き、息を抜けない。
難所を抜けると、シラビソの樹林帯。単調な尾根歩きかと思いきや、尾根を巻きながらアップダウン、倒木も多い。
総じて楽チンな平坦路は少ない。道は概ね明瞭だが、所々コースアウト。シラビソ林の趣が良い通向きのコース。
快晴に恵まれるが樹林が陽射しを遮ってくれる。三峰岳から何とか2時間強で野呂川越着、本山への強行を決める。
人気のないコース、後続の女性一人、好青年2人と出会う。思わず「やっと人と会った!」の声。人恋しくさせる。
中盤、樹林帯で展望がきかないが、横川岳から進むと露岩の上から目標の仙丈が姿を見せる。
北岳から間ノ岳への稜線、塩見など遠く南アルプスの山並みが延びる。荒倉岳から終盤の正念場、覚悟して進むと、
樹林帯を抜け、眼前大きく本山が迫る!疲れを忘れ、気持ちがはやる。ただ、足取りは遅く、
後続の女性に先を譲る。大仙丈へ急斜面のトラバース、見上げてあれを渡るのかと気が怯む。
平気で進む女性を追いながら右下の急斜面を見ないように渡り切る。大仙丈から険しい岩場を乗り越え、登頂。
未踏の100名山登頂の感激より、仙塩尾根を無事歩き通した満足感の方が大きい。
眼下の小屋へ浮き立つ気分で降りる。色白の石楠花の群生と愛想の良い親父さんの大歓迎に迎えられる。
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