山 上 ヶ 岳
稲村ヶ岳へ往復後、本山を目指す。アップダウンを繰り返しながら、稜線の下、自然林の中、黙々と進む。
レンゲ辻までかなり歩き続ける。レンゲ辻の先で、女人結界と大書した門と女人禁制順守の大掲示板あり。
元気一杯の高齢女性ハイカーたちは守っているのだろうか。山頂まで急峻な岩場、鉄梯子を踏ん張りながら登る。
背後に通過してきた稜線の起伏を一望、曇天でくすんでいるが、一面、紅葉の彩り。何度も振り返りながら登る。
登り切りると、一転、笹原の高原、素晴らしい展望の広がり!笹原に延びる道をたどり、ご神体の石を祭った山頂着。
眼前、通過してきた大峰主稜線越し、大日岳の突起と稲村ヶ岳。その左方、どっしり控えるシルエットは
大峰最高峰:八経ヶ岳か。浮き立つ気持ちで引き返し、笹原と反対方向の尾根突端に立つ。紅葉の樹海の広がり、
息を飲む。陽射しがあればどれ程素晴らしいことか。金剛山のシルエット、墨絵風の山並みの重なりを遠望。
高揚した気分で宿坊の方へ下る。この辺り、やや地理が分かりにくく、大峯山寺へ出るのに少しウロウロ。
紅葉シーズンの休日、世界遺産見物も兼ねて人出が多いと思いきや閑散。立派な大峯寺も宿坊も入口を閉ざしている。
数人のハイカーを目にするだけ。大峰奥駈道の平坦路を進み、西ノ覗岩へ寄る。断崖上に半身を突き出す修行場。
岩場の突端に頑丈な鎖が設置されているが、半身を乗り出す勇気はなく、眼下の樹海をおそるおそる覗く。
対面する岩壁の迫力、美しさ。15年前に訪れた時の記憶が鮮明に蘇る。素晴らしい展望を満喫、帰路を急ぐ。
少し進むと、新しく整備された下山路があり、旧道は危険で通行止めの掲示。新道を快適に下り、洞辻茶屋着。
沢山の席がある。下山を急ぎ、お助け水、一本松茶屋と通過し、清浄大橋に出る。茶店と大駐車場、トイレがある。
駐車料1000円。川沿い車道をどんどん進み、母公堂へ戻る。堂守りご夫婦から休憩していくよう呼び掛けられる。
駐車料500円を払い、コーヒーとせんべいをごちそうになる。お堂の扉が開かれ、灯がともされ、色白、ふくよかな母と
色黒の痩せた役小角が並び祭られている。この山域一帯、昔から脈々続く修験道の気配が濃厚。⇒トップページへ
2010年10月17日(日)曇 11:15山上辻→12:20山頂→13:45洞辻茶屋→14:50清浄大橋→15:10母公堂