4時前起床、主食はお湯で蒸らす乾燥米だが、嫌気がさして食欲が全く湧かない。歩くため無理に半分押し込む。
食べやすい食糧を工夫すべきと反省。出発前、水をもらいに行くと、親父「水は昨晩だけと言ったでしょ」と不機嫌。
聞いた覚えはないが適当にしのいで貰う。やはり偏屈者。山小屋全体が、偏屈親父の趣味で管理されている感じ。
素泊まり寝具なし4500円。大きな山小屋だが、設備悪く、お勧めできない。親父の愛犬2匹もノソノソ。
塩見側から見る本山は、平長な凸凹が連なり、どこが山頂か不明。明瞭な独立峰の個性のなさで損をしている。
しかし、間ノ岳から対面すると、どっしり威厳の風格。小屋から見上げ、そびえる山容に威圧されるが、
登り始めると、素直に楽に西農鳥岳上に出る。こちらの方が標高が高いのも解せない。なお、「百名山」によると、
間ノ岳を農鳥岳とすべきとあり、ややこしい。雨模様の曇天だが、墨絵風の展望も悪くない。のどかで気分よい。
平長な山頂稜線を安気に進むが、予想外に山頂まで時間を要す。標示がないとはっきりしない山頂に立つ。
墨絵風の山並みの果てに富士、息を呑む美しさ。昨日まで、快晴下、明々白々の景観に恵まれたが、
この景色が一番心に残る。本格的な雨になり、雨具着用、帰路に着く。思いがけず、お花畑が続く。
しばらく進むと、下降点の標示。さらに進むと、広いガレ場の中、広河内岳への縦走路と奈良田への分岐点。
ここから本格的な下り。お花畑の中、写真を撮りながらのどかに下る。幸い雨が上がり、開けた地点で雨具をぬぐ。
土曜日のメインルート、三々五々、人が登ってくる。幼い子連れ家族も。この先、急傾斜の悪路の下り、ウンザリ。
台風か大雨のせいか荒廃が目立つ。心中、最悪のルートと悪態をついていたが、大門沢の大きな景観が開け、
穏やかな趣の樹林帯に変わり、気持ちも収まる。道中、ホタルブクロが多い。黄色のホトトギスの花が珍しい。
下るにつれ、上部とは対照的に歩きやすい暖傾斜の樹林帯になり、心癒される。大門沢小屋まで予想以上に遠く、
まだかまだかとイラつく。ようやく到達。小屋の主人に声を掛けられる。物静かな中に気遣いが感じられる人。
景観は得られないが感じの良い小屋。シャワー室まである。小屋前で人々と共に昼食休憩。汁粉がおいしい。
合席の女性が焼きソバを分けてくれる。最後、渓流沿い、樹林帯を進む。これも長い。ようやく長い吊橋3箇所を渡り、
林道に降り立つ。発電所まで歩くつもりが、小屋から連絡してもらった旅館「大家」の車が迎えに来てくれており、
大助かり。奈良田温泉の老舗「白根館」が満員で「大家」に。設備、接客、料理とも不足、お勧めできない。
翌朝、山岳写真家:白旗史朗記念館と民俗資料館に寄る。資料館は見応えあり。9:40発の身延行きバスに乗車。
特急と新幹線を乗り継ぎ、夕刻、帰宅。無事故、無傷の帰還が一番の幸せ。⇒トップページ

農 鳥  

山頂があいまいだがどっしり落ち着いた山 のうとりだけ 3026m 山梨県南巨摩郡芦安村

2006812日()曇×雨×晴 5:40農鳥小屋→7:40山頂→12:00大門沢小屋→14:50林道