前日、信濃大町駅からタクシーで高瀬ダムへ。下流の七倉ダムとともに石積みのダム、自然景観を壊していない。
エメラルドグリーンのダム湖沿い、車道歩き1時間、さらに、遊歩道のような道を1時間半、17:40晴嵐荘着。
長い歩きだが道中の景色や趣は悪くない。小屋は、清流沿い自然の趣の良い場所。予約時、受付のオバちゃんが
「うちはいつでも空いてます」と言ったとおり、土曜だが10名ほどの客しかいない。山荘の人達は素朴な感じ。
山荘内の温泉で汗を流した後、山荘前のベンチで、名古屋のデパートで買ってきたトンカツで豪華な夕食。
キャンプ中の父親と中学生の娘が同席。二人とも相当のアスリート。父親は山も相当に歩いている様子、
コースの情報をもらう。小屋へ戻ると、向かいの部屋が騒がしく、2階の空室へ移動。静かだが頭が冴えて寝付けず。
4:00起床、小屋前のベンチでパンの朝食後、昨日の父親に見送られ、出発。のっけからダートな急登、
用心しつつあえぎつつ忍の一字で登り続ける。眼前、硫黄岳が荒々しい。次第に樹林中、中傾斜のマシな道になる。
湯股岳を過ぎてしばらくすると、硫黄岳の背後から槍ヶ岳がせり上がる。振り返ると、きれいな三角のシルエット、
大天井岳か。前方、真砂岳〜本山の連なりも見えるようになる。道中、草花も多く、疲れを癒してくれる。
南真砂岳を越えると、鷲羽山方向の山並みも見え始め、久しぶりのアルプスの雄大な風景に気持ちも晴れやか。
眼前、真砂岳〜本山がいよいよ大きい。行く手を阻むように、難所という崩落地の荒々しい壁が立ちはだかる。
取り付いてみると、さ程のことはなくクリア。真砂岳山頂下を回り込むようにトラバース、裏銀座縦走コース上に出る。
シビアな登りに足運びは速くなかったが地図のタイムより1時間ほど早い。暖傾斜の砂礫帯を進み、楽勝で登頂。
白い砂礫のドーム状の山頂、印象が薄い。あいにくガスが湧いてくる。視界が閉ざされ、展望が得られなくなる。
その代わり、砂礫帯一面にコマクサが群生、さながらコマクサロード!これ程コマクサを見るのは初めて。あいにく
盛りを過ぎ、いたんでいるものが多い。地図では、三ツ岳への尾根道は平坦そうだが、アップダウンの繰り返し、
展望がないため、位置がよく分からず、道中が長く感じられる。三ツ岳山頂は巻いてしまいよく分からず。
ガスの切れ間から屹立する烏帽子岳の岩峰!明日あれに登るのか!小屋へ向かい、砂礫帯の長い下り。
ここも一面コマクサ。近くで雷鳥も見れる。ようやく山小屋着。小屋前、一面、リンドウが植えてある。コマクサも。
予想に反し満員。ガスが晴れ、夕日を受ける三ツ岳方向の山並みが絵になる。餓鬼〜燕〜大天井岳の長い連なり。
昨夏、雨中、歩き続けたコース、感慨。こちらから見ると、眼前、餓鬼岳の先の唐沢岳が大きい。⇒トップページ
野口五郎岳
長くシビアな登りを経て、名前に反し地味な300名山山頂へ のぐちごろうだけ 2924m 長野県大町市
2010年8月1(日)晴→曇 5:05湯俣温泉晴嵐荘→7:40湯股岳→10:55真砂岳分岐(主稜線)→11:40山頂→14:50烏帽子小屋