つい先日まで雪山モードだったが、桜も散り、暑さを感じる最近、今年の初沢登り、無難そうな沢へ。釣り師が入るとあり、見送っていた本沢へ。国道166号を快走、枝垂桜が美しい。香肌峡ホテル・スメール道標に従い集落内を進む。正面、鋭く屹立する新緑の迷岳。進路を間違え、地元の人に聞く。「山で事故が続いているので遭難しないよう」注意される。事故のたび、地元の人は迷惑しているのだろう。ホテル玄関前を通過、小橋を渡り右折、川沿いに進み、小橋を渡った所で駐車。数台が駐車、釣師か。3月上旬から漁解禁。すぐ下の渓流が本沢か自信がない。駐車点で沢装備を付け、林道から分岐する小道から沢に降りる。しばらく滑床状の大味な広い渓流中を進む。まだ水が冷たい。伐採作業の音が耳障り。沢上に張り渡されたワイヤーがしなっている。伐採された木枝が沢中に散乱。見上げると、木を吊り下げたワイヤーが沢上を移動中。急ぎ足で通過。30分ほどで落ち着いた渓相になる。新緑が鮮やか。威圧感のない滑床状の穏やかな渓相が続く。最初の関門、大タイ滝。両岸、切り立ち、容易に巻けそうにない。気持ちがなまっているのか、すでにリタイアしたい。左の土壁を木枝、根っ子を掴みよじ登る。大巻き。踏み跡らしきに出、苦労して下降。七ツ釜ゴルジュは余り難渋せず通過。ガイド本にある斧で断ち割ったような滝も気づかず通過。しばらく無難に進み、S字滑滝の奥にハイライトの45m滝。滑滝前に大きな淵。水につかる勇気はなく、両岸をウロウロ。ここでリタイアか。右の土壁をよじ登り、急下降。何とか支流の45m滝前に。本沢はここで左折。次の関門、15m斜瀑は右を難なく登る。次の10m斜瀑、滝中、足掛かりが多く、直登できそう。岩壁をへつり、滝下に立つ。冷たい水瀑に戦意喪失。岩壁を恐々戻る。萎える気持ちを励まし、岩壁上に登り、滝上部へ移動。勇気をふりしぼり、乏しい足掛かり頼りに直登。足がすべるが幸い滝中の足掛かりで止まる。滝落ち口にせり登る。思わず大声が出る。クリア後も大声が出続ける。恐怖の余韻か。気が抜け、これで終わりかと思いきや本沢最大の25m滝。手前の小滝前に深い淵。何とか25m滝前に出たい。小滝前の滑床を登ろうとして力尽き数m滑落、上着の袖をまくっていたため、左腕に擦過傷。気持ちが萎え切ってしまう。軽食休憩、気持ちを静める。両岸切り立ち、右からの方が巻きやすそうだが、ガイド本に従い、最後の気力を振り絞り、左の壁をよじ登る。木枝、根っ子が頼り。滝近くは滑落が怖く、上へ上へと逃げる。喉カラカラ、ヘトヘト、幸い踏み跡に出る。少し進み、急斜面を木枝頼りに慎重に下る。ようやく難所を通過。夢中で気づかなかったが手指に切り傷。穏やかな渓相、岩と緑の中、ツツジが鮮やか。ゴール目指し不安げに進む。左に朽ちた小屋跡、右に支沢。ガイド本にあるゴール。次の不安は、下降路があるか。かすかな踏み跡らしきをたどる。急斜面の植林中、踏み跡不明瞭。踏み跡を求め急斜面を上下。切り立った支沢の横断で難渋。沢中を下降しようかと思うが、難所を思い、やめる。沢に下降した地点で沢中を歩く方がマシと判断、また沢装備を付ける。幸い難所は過ぎ、あせらないように進む。程なく右に明瞭な山道が見え、たどると入渓点に戻る。駐車点からすぐに入渓したが、この山道をたどり入渓するのが良い。⇒トップページへ |