行き先に迷うが、ガイド本掲載の兵庫県内5谷中、未遡行の最後の沢へ。中国道:山崎ICから国道29号を快走、
車窓から沢入口のソーメン滝を確認、日ノ原浄化センター付近でUターン。沢入口の少し南、広い路肩に駐車。
予報どおり11月並みの寒々とした曇天。沢入口は薄暗く、気持ちも沈む。小橋から簡単にソーメン滝の斜面に立つ。
ガイド本の写真と違い、広い岩場に水流がなく、ソーメンには見えない。沢入口を塞ぐような大岩を縫って進む。
気持ちが乗らず、身体の動きもギクシャク。進むにつれ、渓相も気持ちも落ち着いてくる。水流の冷たさも余り気に
ならなくなる。新調の渓流用スパッツの具合が良く、靴の中に砂利が入らず、快適。程なく最初の難関、急斜面を
勢いよく落ちる3段の大滝に見惚れる。右側の岩壁、何とか這い登れる傾斜。詰めの滝は手掛かりが乏しい。
2段目の滝の落ち口を慎重に渡り、左側の急斜面を木枝を掴んでよじ登る。しばらくナメ滝状の暖傾斜、小滝が続く。
総じて、苔むした渋い剛毅な感じの沢。後半、急斜面に斜瀑が連続。先日の藤川谷の斜瀑ほど大規模ではないが、
豪壮な感じ。小雨がパラつき、一層寒々しい。シャワーを浴びながら滝を直登するほどの気力はなくなり、適当に
奔流を避けて迂回しながら登る。最後のクライマックス、20mの豪壮な大滝がそびえる。前衛の巨岩が前進を阻むが、
頑張って岩上によじ登る。すごい勢いの水瀑、大岩上ではじける。さて、この先どうしたものか、巻き方を思案。
ガイド本に従い、左側から巻く。大岩上を慎重に移動、感覚的には垂直に近い急斜面を木枝を頼りに必死でよじ登る。
手・足掛かりの乏しい岩壁の下で窮す。スリングを上方の立ち木の根元に投げて回すことを考えるが、何とか木枝を
頼りに壁上に出る。滝の落ち口側へのトバースは危険そう。木枝の手掛かりの多い方へ移動、やっと安全圏に入る。
喉カラカラ。これ程難しく、危険な高巻きは、神奈川の丹沢で経験してから2度目。踏み跡をたどり、難なく沢に降りる。
この高巻きに所要30分。この後、一転、沢が平凡化、しばらく進み続けるが、雑然とした変哲ない渓相になる。
ガイド本にある林道も見えてこず、これ以上沢を歩き続ける気がせず、切り上げる。余韻の残らない終盤、残念。
尾根は見上げる高さ、一面ブッシュ。登路を求め、沢沿いに進むが、見当たらず。あきらめ、急斜面を這い登る。
期待の林道はないが、踏み跡あり。少し先に幸い登山道標あり、日ノ原への下山路が分かる。植林中、ジグザグに
下り続け、短時間で神社に出る。参道の階段脇に見慣れた宍粟50名山の標柱あり。一帯の景色も見覚えあり。
ここから日ノ原山に登っている。本谷遡行後、日ノ原山へ登るのがお勧めか。集落内の道を下り、国道29号を南進、
ソーメン滝をまた見て、短時間で駐車場所へ戻る。⇒トップページへ
遡行時間は短いがダイナミックな渓相のインパクトのある沢 まんがだに 兵庫県宍粟市
2011年10月2日(日)曇 8:05入渓→10:50出渓→11:15登山道→11:45日ノ原登山口→12:15駐車点