シビアな急斜面の直登後、展望と樹氷の素晴らしい山上に立つ かおれだけ 1625m 
2014323日()快晴 5:50登山口→7:55尾根上平坦地→8:551617mピーク→9:10山頂→12:20登山口
前日、本山と尾根続きの位山から下山後、本山登山口への林道中間点で車中泊。4時起床。寒気に手指が凍え、くつろいで朝食を取れない。5時過ぎ、薄明るい中、出発。落石や木枝が散乱、所々積雪のあるダートな林道を進む。RV車でもこの時期、林道終点までは進めない。40分で登山口広場着。林道入口から歩くと、90分ほどか。道標に従い林道を少し進むと、奔流の沢。何とか渡渉。眼前、冠雪の急斜面。どう進むかとまどう。沢前まであった一人の足跡も見当たらない。あきらめ引き返したのか。急斜面に道らしきが見える。ピンクテープもある。地図では、道は急斜面をジグザグに登る。急斜面を緩く斜行する狭い道に積雪、アイゼンを装着、こわごわ進む。しばらく夏道をたどれるが進路不明になる。急斜面の斜行も危険過ぎる。意を決し、植林の急斜面を直登。両手のストック、アイゼンに体重と気合を掛け、木枝も掴みながら必死で登り続ける。しばらく登ると、木の幹に赤ペンキマーク、点々と続く。夏道のよう。苦闘2時間、ようやく尾根上平坦地に出る。眼前、御嶽のシルエット!以降、広い尾根歩き。ペンキマークも続き、迷わず進める。自然林の趣も良い。疎林越し、谷を挟んで対面する平長な本山。尾根伝いに進めそうだが、夏道は、尾根筋から沢筋へ進み、ショートカットして1617mピークへ取付く。無難な進路を探り、開けた沢上部に降りる。この辺り、樹林の趣が良い。急斜面を登り続ける。苦しくこわいが、呼吸を整えながら一気呵成に登る。展望が一気に開け、疎林の樹氷が朝日にきらめく。山頂へなだらかな雪原を最高の気分で進む。人の足跡のない純白の雪面、キラキラ朝日に輝く。山頂直下の急斜面をこなし、平坦な山頂に躍り出る。360度の大展望!白山が絵で描いたようにクッキリ。良い写真を撮りたいが、手指が凍え、うまくシャッターを押せない。乗鞍岳始め北アルプスの山並みが展開、朝日の加減かスッキリ見えない。景色を見ながらゆっくり食事をしたいが、指先が凍え、長くじっとしておれない。雪山ではこれが一番辛い。良い手袋がないものか。満足して往路を引き返す。1617mピークからの下り、アイゼンを上手にきかさないと、足元の雪面が崩れる。雪面はよく締まっており、スノーシューは使わず、終始アイゼン装着。尾根上へ登り返し、自分の足跡をたどりながら下山。登りは大変でも降りはさほどには感じないことが多いが、今回は降りも怖い。ストックはしまい、木枝を掴みながら必死で降り続ける。何とか無事下山、生還した思い。積雪期、本コースは勧められない。早朝発で、楽に登降できる位山からなだらかな尾根伝いに往復するのが良い。緊張続きの山行だったが、雪山の素晴らしさは深い思いを残す。⇒トップページ