常 念 岳

均整のとれた優美な山容の遠望と対照的な岩を積み上げた100名山 じょうねんだけ 2857m 長野県安曇野市

2009727日()雨 6:05大天荘→6:15大天井岳→8:25常念小屋9:55山頂→11:00常念小屋→14:15ヒエ平登山口

”3日目の正直”、天気好転を期待したが、雨音を聞きながら断続的に寝て、4:00起床。外は見るまでもなく雨、サバサバしたあきらめ気分。
乾燥室から衣類等を回収、夏用上着に着替えようとして、下山後に必要なことに気づき、山荘内で着用の厚地の上着・ズボンのままにする。
荷造り後、朝食自炊。登山店で買った軽量な乾燥食品はおいしくない。山での自炊の工夫の必要を再認識。雨具で身ごしらえ、雨の中に出る。
リュックサックは残し、山荘裏手の高みといった感じの大天井岳へ。ダイテンジョウと書き、オテンショウと呼ぶこの山に惹かれていたが、
ガスに閉ざされた中、暖傾斜の岩だらけのコースを安気に登り、山頂確認後、感慨なく引き返す。燕岳側からは圧倒的な迫力があったが、
山荘からはあっけなく登降できる。本命の常念目指し出発。若かりし日、初のアルプス山行で訪れた槍ヶ岳、その鋭い岩峰に圧倒されるが、
槍沢を登り詰めるにつれ、背後にセリ上がるように見えてきた優美な三角の山容に惹かれる。以来いつかあの山頂に立ち、槍ヶ岳を見たいと思っていた。
ガスが切れて槍が一瞬でも見えないかと念じつつ進む。総じて暖傾斜の砂礫の歩きやすい道、所々岩場になるが難所はなく、先を急ぐ。
燕岳周辺ほどではないがコマクサが点在。樹林帯の中、下り切ると、広く開けた常念乗越に出る。地図のタイムより1時間早い。
感じの良い常念小屋に入って一息つきたいが、気おくれして小屋前のベンチで雨に打たれながら軽食休憩。ベンチの下にリュックを残し、常念へ向かう。
ガスの切れ間から常念のドームを確認。空身のグループが降りて来る。山は一面、大小の岩、岩、岩。巨人が岩を積み上げたかのよう。
遠望の優美さからは想像もしなかった様相。どこを登っても同じようだがペンキマークを追う。踏む岩を選びながらすこぶる歩きにくく、イライラする。
空身の下山者数人とすれ違う。果てしのないような岩の登りにウンザリ。ようやく山頂部に出たかと思いきや8合目。傾斜は少し緩やかになるが、
山頂まで意外と遠い。山頂かと思うと、まだ先がある。これまでの山頂は楽勝で登れたが、本山では、したたかなアルバイトを強いられ、それで良かったか。
三角点のない山頂、方位板と小祠あり。ガスに閉ざされ、展望ゼロ。すぐに引き返す。天気が良ければ、常念の南、蝶ヶ岳までの縦走も考えていたが、
3日間、雨漬け、一刻も早く下山したい気分。常念小屋前からタクシー会社へ電話、一ノ沢への下山コースへ。すぐに樹林帯となり、風も穏やかになる。
つい先日、北海道・大雪山系トムラウシで10名の死亡事故があったが、稜線上で強風にさらされると、身体が冷えてゆく。雨具の襟首から雨水が入り、
衣類は濡れている。防水スプレーをした登山靴の中もグチョグチョ。雨に濡れた中、風速25mもの超強風にさらされると、命にかかわるおそれを実感。
下山路は急で雨水が流れているが、ホッとした気分でどんどん下る。登ってくる人が結構いるのに驚く。渓流沿いに下り切る手前にお花畑、
ニッコウキスゲが群生。渓流は、連日の雨で轟々と流れている。何度か渡渉するが、丸太橋が掛けられ、心配はない。
渓流沿い暖傾斜の道、帰路を急ぐ。タクシーの予約は14:30だったがすでに待っていてくれる。登山口に水道と洗い場あり、雨具と靴の泥を落とす。
運転手さんが各名山の山名の由来など講釈してくれる。沿道に猿が何匹もいる。運転手さんはクマを見たこともあるという。
穂高の宿「山荘旅館せきえい」は、緑に囲まれた別荘地の中。近所のきさくな奥さんといった感じの女将さん、手伝いの画家のオジサン、
とても気持ちの良い二人に迎えられる。何と客は他にいない。温泉は洗い場が畳敷きで檜造り、女将さん手作りの料理は素晴らしい!部屋もきれい。
これで2食付1万円強という安さ、お勧め。⇒トップページ