穂高縦走、槍へのゴールを果たし、早く下山、温泉に入りたく、3:00起床。目覚めも悪くない。今朝もレトルトご飯で
中華丼の朝食。ご飯がまずく、鼻をつまむように口に押し込む。近くの女性が星がきれい、一見の値打ちありと勧める。
降るような満天の星!千丈乗越側の方が展望が良さそうだが、暗い中、昨日通過した飛騨乗越へ短時間で戻る。
飛騨沢の広いすり鉢状の斜面、整備された道をジグザグに下る。正面、夜明け前の笠ヶ岳。今回の山行で
終始見え続け、行動を共にしてくれた。昨夏の笠ヶ岳山行では、雨中に閉ざされていたそののびやかな姿を心に刻む。
トリカブトなどの草花が一面に咲き、雰囲気が良い。気の抜けない険しい岩稜歩きを終え、穏やかな景色が心を癒す。
千丈乗越への分岐点まで快調に下る。樹林帯に入り、展望はなくなるが、岩稜とは対照的な自然の緑が心にしみる。
樹林の切れ間から雲海に浮かぶ焼岳と乗鞍岳、ジャンダルムの見納め。樹林中、沢音を聞きながら
長い暖傾斜の下りが続く。断続的に登りの人たちとすれ違う。ようやく沢沿い広河原に出る。何とも気持ちが良い。
テントが数基、絶好のキャンプサイト。眼前、緑の奥丸山。20代初めてのアルプス山行、穂高連峰の展望を期待、
槍から平長な本山へ。山頂でプロのカメラマンからコーヒーをごちそうになった思い出。槍平小屋前、浮世離れした
オーナーか、インドの楽器をかなで妙なる音色。山上の人ごみの山小屋とは別世界。こんな小屋に泊まってのんびり
するのも良さそう。少し先で、昨日通過した北穂からの難所を見上げる。次第に累積した疲労の色が濃くなる。
辛抱の歩きが続く。滝谷出合、土石流で荒れた雰囲気。最短で沢を渡れず、道標に誘導され迂回、木橋を渡る。
多くの岳人が惹かれた滝谷、いつか入ってみたいが、荒涼とした急峻な谷、奥に大きな滝がかかり、入れそうにない。
ようやく白出沢出合着。ここから林道、やれやれと思いきや、長い長い砂利道歩きにゲンナリ。20代の日にも、炎天下、
気張ってはいた重登山靴でウンザリ歩き続けた。笠ヶ岳の南端、錫杖ヶ岳の岩峰を見上げる。ゴールが近い。
温泉が近づき、元気回復。昨夏も利用した日帰り入浴の温泉に入る。ただただ疲れ過ぎて、満足感は湧いてこない。
入浴後食べた野菜カレーのおいしさ。平日でも満員のバスにゆられ、眠くなる。⇒トップページへ
上高地側とは違った静けさ・趣の良さがあるが、林道歩きが長すぎる 岐阜県高山市
2012年8月27日(月)晴 4:30槍ヶ岳山荘→5:45千丈分岐点→7:20槍平小屋→8:20滝谷避難小屋→9:35白出沢出合
→11:20新穂高岳温泉