藤 川 谷

愛知川のせせらぎが聞こえるだけの静寂の中、車中泊。不慣れと窮屈さで安眠できず。5:00起床、目覚めは悪くない。
昨夜と同様、カップラーメンとパン、コーヒーの朝食後、出発。駐車場所は、ちょうど藤川谷入口に架かる藤川橋の先。
国道側へ少し戻ると、登山口。道標は朽ちているが、少し先から300m置きに道標あり。しばらく渓流を高巻き進み、
最初の渡渉点から入渓。小規模で穏やかな出だしだが、進むにつれ変化に富んだ魅力を見せる。小滝を幾つか越え、
難関のゴルジュ帯に入る。入口の小滝は越えるが、次は高巻く。下降点を探して、ゴルジュ内へ戻り、10mの滝を鑑賞。
右を高巻く。できるだけ滝から離れず最短で巻こうと、手・足掛かりを探し危険な綱渡り。滝を直登できないとき、
滝の高巻きが最大の難関。刻々の渓相の変化、無理をする挑戦と無難を選ぶ判断に迫られる。普通の山歩きでは
味わえない緊迫感の連続が沢登りの魅力か。次の8mの滝を高巻くと、穏やかな沢が続き、つまらなくなる。
渓流も小さくなり、もう終盤かと思いきや、登山道の3度目の渡渉点辺りからハイライトの急傾斜の斜瀑帯に入る。
見上げると、自然林の中、岩々を縫うように奔流がすべり落ちてくる。これ程の迫力・規模の斜瀑は初めて。
シャワーを浴びながら小滝の連続をよじ登る。ガイド本にはすべて登れるとあるが、陽差しのない中、水流を浴び続け、
寒さに戦意喪失。難しそうな個所は、脇の水流のない岩場を迂回。右側の岩壁がえぐれた洞窟の回廊のような
面白い個所を通過後、渓流が小さくなり、左右に分岐。右の方が良さそうだが、登山道と確実に合流するはずの左へ。
程なく登山道に上がる。静かで趣の良い疎林の中、気分よく登る。どこでも歩けるような路面、進路不明瞭だが
道標やテープに誘導される。ドーム状の山頂、立派な山頂表示、三角点あり。樹林に遮られ、展望は乏しいが
雰囲気が良く、丸太木のベンチでくつろぐ。北方、樹間に見えるは伊吹山か。沢登りに時間を要し、下山を急ぐ。
沢の最後の分岐は、右へ行っても登山道と合流する。地図の道は単純だが、道標が誘導する道は大きく迂回する。
一帯の雰囲気はとても良い。政所への分岐から下山が始まる。岩場から東方、竜ヶ岳など鈴鹿の山並みを展望。
しばらく急傾斜の下りが続く。沢に近づいたり高巻いたりしながら沢沿いどんどん下る。300m置きの道標で、進度が
よく分かる。後半、植林帯。増水が心配だったが、4度の渡渉も難なくできる。沢も山もお勧めできる。⇒トップページ

変化に富み、意外と手強い秀渓を経て趣の良い山上へ ふじかわだに 934m 滋賀県東近江市

2011925日()曇×晴 6:35藤川橋→7:05入渓11:10出渓11:50日本コバ山頂→14:00藤川橋