- 第一期 デビュー ~ カメラ万年筆 (1976-1980)
- この頃のMoonridersは割と暗い。実にヨーロッパ志向の強い作品群を発表している。プログレッシブポップとでも言えなくもない。もともと、Moonridersの良さは東京的な発想とヨーロッパ的な雰囲気にあった。第一期が勿論そのカラーが強い。ヌーベル・バーグ
NOUVELLES VAGUES (1978)あたりで、MoonridersSoundは完成され、カメラ万年筆に至っては完全に円熟した初期のMoonridersが聴ける。
- 第二期 マニアマニエラ ~ DON'T TRUST
OVER THIRTY (1982-1986)
- 私の一番好きな時代だ。マニアマニエラはそのアバンギャルドさからレコード会社から時期が早すぎると待ったがかかり、レコード自体は1986年まで発売されていないが、1982年にCDでのみ発売されている。マニアマニエラは確かに前衛だった。「青空百景」はマニアマニエラが発売できなかったので先に発売された。この時代のMoonridersは音的にもリズムが割と前面に出てきており、詩もユーモラスでいながら実にナイーブに人の心理を歌っている。とりわけ「アマチュアアカデミー」はMoonridersの最高傑作だと思っている。この頃のMoonridersは当時最新鋭だったサンプリングを効果的に使用し、ユニークな世界を展開している。その辺がテクノポップバンドと思われる由縁だろうが、テクノポップというとYMOを連想するが、YMOとは全く違うテクノロジーの起用をしている。どちらかというと、PeterGabrielやXTC(つまりはSteveLillyWhite)的というほうが正確な表現だとおもう。
- 第三期 最後の晩餐 ~ (1991- )
- いきなりの「最後の晩餐」は衝撃だった。この頃からMoonridersはHardRock Bandに変身している(?)。「AOR」は別として、最近の作品はHeavyでHardである。詩も社会の風刺をまじめ(?)に歌っている。そういった意味で「最後の晩餐」はすごく格好良いし、「月面賛歌」に至っては完全に行ってる。次なるMoonridersのテーマは「狂気」(!?)
|
 |
 |
 |
|
 |
私の選ぶベスト5
- AmatuerAcademy
- 最後の晩餐
- カメラ万年筆
- 青空百景
- ヌーベル・バーグ
|
 |
|
|
 |
Amatuer Academy |
1984 |
|
|
01 |
Y.B.J. |
02 |
30 |
03 |
G.o.a.P. |
04 |
B TO F |
05 |
S・E・X |
06 |
M.I.J. |
07 |
NO.OH |
08 |
D/P |
09 |
BLDG |
10 |
B.B.L.B. |
MoonRidersで私が一番好きな作品はこの作品だろう。「カメラ万年筆」、「最後の晩餐」も結構好きだが、この作品が一番かっこいいと思う。全体的にノスタルジックな雰囲気が漂い、ここに円熟したムーンライダース式アヴァンギャルドポップの頂点の姿があると思う。歌詞が実にナイーブに男心を描いていて面白い。この頃テクノポップと言われていた彼らだが、YMOのそれとは違う。エレクトリックスの導入とい点ではYMOがクラフトワークだとすれば、Moonridersはピーター・ゲイブリエル的である。XTCや10ccに通じるものも感じる。 |
|
 |
Mania Maniera |
1982(1986) |
|
|
01 |
Kのトランク |
02 |
花咲く乙女よ穴を掘れ |
03 |
檸檬の季節 |
04 |
気球と通信 |
05 |
バースディ |
06 |
工場と微笑 |
07 |
ばらと廃物 |
08 |
滑車と振子 |
09 |
温和な労働者と便利な発電所 |
10 |
スカーレットの誓い |
|
|
とにかく凄い作品だ、82年にCDで発売されたにもかかわらずアナログで発売されたのが86年なのだ。「前衛すぎる」という理由から発売が延期されたらしい。ただ作った側の意地だろうか、当時まだ十分に普及していなかったCDでのみ発売してしまった。中身は実にセンスの良い知的な遊び心いっぱいのアヴァンギャルドポップと言ったところだろうか?メロディーもこの作品頃から実に聞きやすくなって軽くなっている。この次の「青空百景」が実にポップで聴きやすかったのとは対照的にポップだが好きでないと聞けない何かがこの作品にはある。万人には受け入れてはもらえないだろう。
実にパワフルな作品だ!!当時の言葉でいうところのNewWave路線第一作だろうか。 |
|
 |
青空百景 |
1982 |
|
|
01 |
僕はスーパーフライ |
02 |
青空のマリー |
03 |
霧の10・ |
04 |
真夜中の玉子 |
05 |
トンピクレンッ子 |
06 |
二十世紀鋼鉄の男 |
07 |
アケガラス |
08 |
O.K.パ・ド・ドゥ |
09 |
物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、眼をつぶれ |
10 |
くれない埠頭 |
|
|
Moon Ridersファンには評価が低い。しかし、私は結構好きな作品のひとつである。どの曲も割とポップで聴きやすい。でも、MoonRidersである。一ひねりも二ひねりもひねってあって楽しいが、詩の意味を深く考えるとエスプリが効いているが結構ナイーブな詩なんですよこれが。何か新しい方向性を感じさせてくれる作品だ。Mania
Manieraより格段に前衛性は薄くなっているが、同時期の作品なので音とかは似ている。 |
|
 |
月面賛歌 |
1998 |
|
|
01 |
Sweet Bitter Candy |
02 |
幸せの場所 |
03 |
彼女はプレイガール |
04 |
月曜の朝には終わるとるに足らない夢 |
05 |
窓からの景色 |
06 |
君には宇宙船がある |
07 |
海辺のベンチ、鳥と夕陽 |
08 |
Lost time(ロスタイム) |
09 |
ぼくは幸せだった |
10 |
服を脱いで、僕のために |
11 |
月面讃歌 |
12 |
恋人が眠ったあとに唄う歌 |
|
|
「最後の晩餐」あたりからHeavyになってきた音がここでも十分に爆発している、Moonriders風HeavyMetal(?)。彼らの凄さを痛感できる。一時期、若者に媚びを売っていた感じでつまらない遊びばかりしていた彼らが久しぶりに本腰を入れてくれたような作品。 |
|