定着率の影響 平成21年2月15日
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経営者の方々との話の中で必ず出てくるのが
「いい人材がほしい」
「どうすれば定着率が良くなるか」 です。
それだけ経営者の方々は、「人」についての悩みが多いのですね。
今回は、従業員の定着率が悪いと
どういう影響が起こるのかを考えてみます。
定着率が悪いと起こる影響パート1は、
●募集広告に費用がかかる。
民間会社は、当然ですが費用がかかります。
一枠3〜5万円前後でしょうか?
その代わり、急な依頼に、
電話やFAX一本で対応してくれるので助かります。
一方、ハローワークでの求人は無料です。
取り下げなければ2,3ヵ月は掲載され続けます。
希望すればネット上でも公開されます。
しかし、法令順守の姿勢がないと受付けてもらえません。
たとえば、労働保険や社会保険に加入していないなど・・。
また、給与額も、残業代込みの額なのか。
込みだとしたらその内訳は? 試用期間中の賃金は?
など、根掘り葉掘り聞かれます。
しかし、ハローワークを上手に活用すれば、
助成金が受けられることもあります。
定着率が悪いと起こる影響パート2は、
●余計な(目に見えない)コストがかかる。
たとえば、
・募集、面接、選考採用に、担当者の貴重な時間が取られる。
(この時間を基幹業務に充てていれば、
会社としての生産性は上がっていたのに・・)
・引継時は人件費が2倍かかる。
・その後の教育コストもかかる。 (はじめからやり直し)
ここで注意!
このように時間とお金を投入して採用した大事な新入社員の教育を、
以後、先輩従業員に任せっぱなしにしてはいないでしょうか?
その先輩が、人間的にも能力的にも優秀であれば問題ありませんが、
意地悪な人、会社に対する不平不満ばかりを言う人を
教育担当者にしていると、最悪です!
間違いなく、新人のやる気を失わせ離職の途まっしぐらか、
その先輩のクローン従業員と化していく可能性大です。
教育担当者の、新人に与える影響は大きい、ということは
承知しておいてください。
でも、まだまだです。
この段階で、新人教育が成功したとしても、
以後、レベルに応じた継続的な教育は不可欠です。
その繰り返しにより、会社での自分の将来像を具体的にイメージ
させることが出来れば、定着率やモチベーションアップにつながっていきます。
逆に、それを怠ると、その会社での先が見えず、
やる気を失い、転職していくのでしょう。
常に教育、評価、昇給昇格という刺激を与え続けて行くことが必要です。
定着率が悪いと起こる影響パート3は、
●会社の業績が向上しない。
人が定着しないということは、従業員に教育すれども振出しに戻るので
従業員全体のレベルがそこで頭打ち。 よって、会社のレベルも頭打ち。
これでは、業績は向上しません。
会社の利益を生み出すのが労働者である以上、
人材育成に力を入れることが、回り道のようでいて一番の近道なのかもしれません。
そして、それをサポートするための人事制度や賃金制度、
職場環境を整える等の工夫が必要になってくるのでしょう。
しかし、言うは易く、行なうは難し。
ギリギリの人員で業務を回している中小企業にとっては、
やはり難しいことだと思います。
中小企業は人が定着しないと言われる所以の一つかもしれません。
でも、
この会社で働くのが楽しい! この会社で長く働きたい!
うちの会社は教育制度が充実していて従業員を大切にしてくれる!
と従業員が自慢する会社って
いいと思いません?
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