将来、いい人材が確保できるだろうか・・・?  (平成20年5月4日)


ほとんどの企業は、将来、自社にあったいい人材を
確保できるかどうかを心配しています。

以下、財務省が調査した結果を簡単にご紹介します。
企業規模の内訳は、大企業、中小企業、ほぼ半数です。


□ 将来の労働力を確保することに懸念を抱いているか? 

YES 7割以上

 その理由の第一位は、『少子化のため』です。

 現在でも、なかなか人が集まらない状況です。
 将来にいたっては、間違いなく労働力人口は減少します。

 まして、その中から自社が必要とする人材を確保することは、
 より困難では? と感じるのは、当然と言えるでしょう。

 しかし、がっかりするのはまだ早い。

 労働力確保を懸念するその他の理由をみてみると、
  ・他社、他業種での採用が活発だから
  ・自社の業種は、労働条件が厳しく、職場のイメージが悪いため
   応募者が少ないから、

 ということです。 まだまだ改善の余地はあります。
 


では、労働力を確保するために、他の企業は、
どのような取り組みをしているのでしょうか?

□ 女性の活用

 たとえば、
  ・1年以上の育児休暇制度の導入  6割弱
  ・育児期の短時間勤務制度の導入  5割弱
  ・パートを正社員にする       2割
  ・結婚退職者の再雇用       2割   
             
  少ない例では、「保育施設の設置」「在宅勤務制度」などがあります。


□ 高齢者、外国人の活用

 高齢者の活用として、「再雇用制度」が8割を占めています。

 次に、外国人の活用です。
 私が知っている数社の派遣会社を比べますと、外国人を派遣労働者として
 活用している会社の業績は、間違いなく伸びているように感じます。

 一方、日本人だけを活用している派遣会社は、
 「外国人の扱い方がわからない」「怖い」という理由で、外国人の活用を躊躇し、

 しかし日本人だけでは人が集まらず、結果、業績が落ちていく、
 という悩みを抱えているようです。


 まずは、外国人労働者を管理する『管理者』を育てるところから
 はじめてみてはいかがでしょうか? 管理者の力は大きいです!

 私も某派遣会社で働いていた時期がありました。
 会社の業績を左右するカギは「管理者」が握っていると言っても、過言ではないと思います。
 
 また、外国人は自己防衛意識が働くからか、日本人以上に権利意識が強く、
 監督署にすぐ駆け込む傾向があるようです。
 会社側も法律武装をすることが、いま以上に大事になってくるでしょう。



以上のとおり、企業がこれから積極的に労働力として活用していきたい
と考えているのは、『女性』と『高齢者』です。 
そして、派遣労働者に甘んじている若年者と外国人。

しかし、企業側で積極的に活用したいと考えていても、
当の労働者側が『そこまで望んでいない』というギャップがあるのも事実です。

女性ですと、所得税や住民税、社会保険の扶養の範囲内で働きたい、
という考えが今も昔も根強くあるようです。

派遣の場合は、
派遣先企業が、派遣労働者を直接雇用したいと考えていても、その際、
派遣先企業(派遣会社)に、まとまったお金を払わなければならないので、
やはり、ためらってしまうようです。

外国人の雇用を考えた場合は、上記で挙げたケース以外にも、
在留資格、在留期間の問題等があり、二の足を踏んでしまうようです。



『企業は人なり』

労働者がいなければ、会社は成り立ちません。
しかし、確実に労働者になるであろう人口は減っていきます。

時代は変わっています。
今までのような募集の仕方、労働条件、労働環境では、人は来ません。
来てもすぐに辞めてしまいます。 そしてまた募集します。
費用と時間と教育と、そして事務処理のロスが生じます。


ほかにもデメリットはあります。

職を求めている人達は、ハローワークや求人誌に頻繁に登場する企業に対して、
 「この年間休日数じゃ、誰も応募しないよね」
 「すぐに人が辞めてしまう会社なんだ」
 「社会保険にも入っていないなんて、もしかして有休も取れないんじゃ・・」
と思われ、敬遠されてしまう可能性もあります。

これらは、私が求職活動中に実際に感じたことですし、周りでもよく聞く話です。


労働者を確保したい、いい人材が欲しい、と本気で思うのであれば、
今すぐ社長が、『自分だったら、こういう会社で働きたい!』
と思えるような会社に改善していくことが大事なのではないでしょうか?

受け入れる側の意識を改革し、魅力的な会社に近づいていけば、
おのずと労働者は集まってくると私は思います。

どうすれば人が集まってくるか、どうすればみんなが活き活きと
長く働いてくれるか、を真剣に考える時期が来たのでしょう。


HOME