■ 万が一の時の「労働時間」 (平成20年11月16日)


使用者には、労働者の労働時間を
適切に管理する責務があります。

残業代をきっちり支給するため、
労働者の働きすぎを防止するため、など。

そのため、どこの会社にもタイムカードや
出勤簿等が備えられているはずです。

ところが、中にはそういった記録を
何も残していない会社もあるのです。


労働基準法では、
・出勤簿
・賃金台帳
・労働者名簿
は、必ず備えておかなければならないもの
としています。

また、出勤簿等で労働時間を管理していなければ、
何時間働いているのかわかりません。

把握していないことで、当然、
サービス残業が発生しているでしょう。

それをいいことに、使用者は、
労働者が長時間労働をしていても
黙殺してしまいます。
つまり、労働者に甘えているのです。


そういうことを続けていると
どういう事になるのか。


長時間労働がまかり通り、
蓄積された疲労が、知らず知らずのうちに
労働者の身体をむしばんで行くのです。


長時間労働が身体にどのような悪影響を
及ぼすのか、知っていますか?

代表的なものに、脳と心臓の病気があります。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-11.pdf

脳内出血、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など。


そして、その脳・心疾患を労災と認定
してもらうために一番大事になってくるのが
『労働時間』です。

ゆえに、その肝心かなめの労働時間を把握
出来ないことには、いくら、

「仕事でこき使われて、
 毎日何時間も残業させられ、
 挙句の果てに病気になったんだ」

と主張しても、労災に認定されるのは、
相当「いばらの道」です。


今まで会社のために頑張って働いてきても、
会社が労働時間の管理を怠ってきたことで、

 ◆労災にも認定されない、
 ◆残業代も払ってもらえない、

という不幸な結果になってしまうのです。


11月は、
「労働時間適正化キャンペーン」期間です。

労働時間をきちんと把握することにより、
サービス残業をさせないこともそうですが、

何より、長時間労働を防ぐことが、
 ◆脳・心疾患を防ぐ、
 ◆過労死を防ぐ、

という、労働者の身体やその家族を
守ることに繋がると思うのです。


また労働者側も、
たとえ会社がタイムカード等を備えていなくても、
労働時間を、手帳や作業日報等に
書き込んでおく、等の自己防衛策を
とる必要があります。

自分の身は自分で守る!

この行動がどれだけ大切か、
実際にその立場になった時に身にしみるのです。


うちの会社も・・・と不安になった人は、
今からでも遅くはありません。

自分で働いた時間は、何かに記録しておきましょう。
それが最悪の状況になったときに
自分を助けてくれるはずです。

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