NSR500 開 発 裏 話
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【苦労したこと】

・84年に満を辞して登場したのがNV0Aで,NS500に代わる4気筒WGPマシンでした.メカGrでは私が

 担当(PL:プロジェクトリーダー)を命ぜられました.

・83年から組んで,年末にはオーストラリアのサーファーズパラダイスサーキットにフレディスペンサー

 を呼んでシェイクダウンテストをしたのですが,どうもフレディの反応がよろしくない.世界的メカの

 Erv(アーブ).Kanemoto氏(フレディのチーフメカ)を通して話を聞いてみると,満タンやGASが空に

 近い状態ではそこそこ操安も悪くないが,GAS半分程度でリヤをスライドさせる様なライディングをした

 時はGASが中で暴れているのか乗りにくいとのこと(これ以上の詳細は機密です)

・84年はこのマシンを日本で熟成させながら,WGPに私一人で持ち込ませ(Fさん覚えてろ!)フレディ

 やランディ(マモラ)に「すごく調子いいよ.乗ってくんない?」と個々にご用伺いに回っていました.

 フリー走行では乗ってくれるのですが,「やっぱ,いいや」と予選からNS500に乗り換えるのが常でした.

・シャーシダイナモではロードロード(*1)で乗ってみたりしました.ENGは非常に調子よく回るんです

 が,とにかく熱い(& 暑い).だってマシンに跨って上半身を伏せるとその下はチャンバーですよ!

 2重構造の,タンクに似せたカーボンファイバー製のカバーの内側には断熱材が貼られて,FRカウルの

 NACAダクトから外気がカバーに導入され冷却する様になっていましたが,それでもお腹と胸は低温火傷

 状態で,あちこちから漏れる熱風で顔も手も水ぶくれになりました(嘘ww でもそれくらい熱かった)

 

 *1: 強制的に後輪を回すのではなく,ローラーに実走行相当の負荷(走行抵抗分)をかけてミッショ

    ンの具合やら各部の異常などを,実際にテストライダーがシャーシで乗って確認するための方法

Freddie on NV0A at Surfer’s Paradise