犬に関係したお話

最初のワンコ(出会い)

 皆さん初めて犬と出会ったとき、犬と接したときの事を覚えていますか。私の話をさせて頂きます。
小さいとき、私の母は体が弱く伯母の家によく預けられました。伯母には子供がいなかったのでとても可愛がってもらいました。
伯母は犬を飼ってました。スコッチテリア(スコティッシュ、テリア)のアボです。
真っ黒でヒゲをたくわえたアボは、子供の私からは哲学者のおじいさんのように見えました。
哲学者のおじいさんはその容貌とおなじで決して慌てたりせず、いつも静かでおちついた動きで歩きます。
走り回るなんてことはしません。伯母がいなくて寂しくても大声で騒ぐなんてこともしません。
ちょっかいを出しても、静かに「ウー」と私に警告します。けっして咬んだりしません。
もし子供のときアボに咬まれたりしていたら、これほど犬好きにはなってなかったと思います。
伯母は自分でトリミングをしていました。綺麗に丸く短く刈りそろえられた背中は触ると、とても気持ちよかった。
アボと伯母は私に散歩を教えてくれました。春のヒバリのさえずり、夏の暑さ、秋のススキ、冬の霜柱の踏む音。
四季の移り変わりを楽しみました。
一緒に歩いた散歩コースは、今、車が走り回る道路になってしまい面影もありません。
最初に死というものを教えてくれたのもアボでした。いたものがいなくなる。触れなくなる。会えなくなる。それを教えてくれました。
何年くらいだったのか覚えてませんが、多くの事を一緒に経験した思い出があります。
不思議な体験
むかし、飼っていた犬の話です。 友人の知人から貰い受けたワンコです。白と黒のブチの犬です。
名前もそのままブチ。ブッチャンと呼んでました。
体の弱い仔でジステンパーにかかったときは、もう駄目だと思いました。仕事に出かける前、帰ってからの散歩が日課で楽しい一時でした。
ある日、軽く咳をしていました。しばらく様子をみてましたがあまり良くならないので病院へ。家へ帰り玄関先で寝かせました。
しばらくして意識が朦朧となり、苦しそうにしています。良くなる様子が無いので深夜もう一度病院へ向かいました。
残念ながら手遅れで病院へ着く前の車中で息を引き取りました。
病院へ行ったばかりだかりという過信と、もっと早く連れて行けばよかったという後悔ばかりが残りました。
わずか4年の付き合いで愛犬を死なせてしまった悔しさを覚えています。

 不思議なことはブチを死なせた2,3日後おきました。夜寝ていると外でゴソゴソ音がします。夜中の12時を過ぎたころです。
何事かと思い外で出てみました。そこにはブチがいて、スクーターのカバーを引っ張っているではありませんか。
「え〜ブチ生きてたのか!」と一瞬思いましたが冷静の考えればそんなことはありえません。よ〜く見るとブチにそっくりな近所のワンコです。
この仔とは一度も遊んだことも無くうちに来たこともありません。
その仔は一心にスクーターのカバーを引っ張り、私の顔を見ると吼えるでもなくシッポを振ってうれしそうにお座りをしました。
何かを言いたそうに座り私の顔を見ています。私は「いいよ分かったからお家にお帰り。」そういうとその仔はシッポを振りながら元気に帰っていきました。
たんなる偶然でしょうが、なにかブチが別れの挨拶に来てくれたような気がしました。
 そのあと、数回その仔の頭をなでてやることはありましたが、我が家にやって来ることはありませんでした。
 あの夜のことはいったい何だったでしょう。時々思い出しては不思議に思えます。
真夏のミステリー
 その日仕事は早く終わりました。トリマーさん達も帰り、愛犬二匹もゲージから出て店の片隅で静かに寝ています。
私はパソコンでネットサーフィンをしてました。とても静かな一時で外を走る車の音ぐらいしかしません。
そのとき突然1匹(ハスキー)が顔を上げました。「ん!何。」私は不思議に思いました。
ハスキーは天井の一角をジッと見ています。するともう一匹(柴犬)も顔を上げ同じところジッと見つめています。視線の先を見ますが私には何も見えません。
二匹の視線は天井から壁にうつります。私には何も見えません。二匹の視線は壁から徐々に私の方に来ます。「え〜これってもしかして子供や動物には見えて、
人間の大人には見えないってものですか?」
 二匹の視線は私の方に、私は少しパニクリながら「何が来るんだ。お化け、悪霊、わ〜来るな〜、こっち見るな〜」心の中でつぶやきました。
私の直前で二匹の視線は外れカウンターの方へ、ホッとしたときハスキーが立ち上がりカウンターに向かいました。
カウンターに前足をつき何か臭いを嗅いで窺がってます。よく見ると、とっても小さなハエがそこにいました。あまり小さかったので私の眼には見えなかったのです。
ど〜っと疲れが出ました。そして安堵の溜息。あまりオカルトに興味を持つものではありませんな。静かな夏の夕方、怖い思いをした一瞬でした。
手作りのバンダナ
 お店を始めたころの話です。 初老の夫婦が3,4歳のシーズを連れて来店しました。トリミングを終えて仲良く帰っていきました。
その仔の首にはバンダナが巻いてありました。トリマーさんが言いました。「あのバンダナはお父さんの手作りなんですよ。」
店の中にフッと暖かい空気が流れたような気がした。
その数年後、そのお父さんが亡くなりました。
仲の良かったお母さんは大層落ち込み悲しみました。その悲しそうな様子に言葉も出ません。
シーズーのロンちゃんはそんなお母さんを支えきました。
月日は流れ10年近くの時が過ぎました。お母さんは体のあちこちが痛いと言いながらも頑張っています。
そんなお母さんを支えてきたロンちゃんもかなり高齢になって来ました。
ときどき、お父さんのバンダナかは分かりませんが首に巻いてます。どうしても犬は人より早く歳を取ります。
ロンちゃんにもしものときお母さんが心配です。
あのときと同じ悲しい想いがお母さんに来るのかな。少しでも長く生きて、お母さんを支えてあげて・・・・・・。
ホテル犬の思い出
 ホテルでたくさんの仔の世話をして来ました。そんな中、印象に残ってる仔の話です。
パグのキクちゃん

 お母さんがよく旅行に行かれましたので、その間よく面倒みさせて頂きました。ちょっとアトピーがある高齢のパグです。
痩せてて、キョロっとした可愛い目が印象的でした。部屋を覗くと大きな眼で顔を見つめてきます。散歩に行くとヨタヨタした足取りですが元気に歩きます。
アトピーの関係で食事は制限されたくさんはあげられません。散歩から帰ると美味しそうにフードを食べ「もっと欲しい。」とあの愛くるしい眼で顔を見ます。
そのキクちゃんもしばらくして亡くなりました。面倒見たのは期間にして半年くらいだと思いますが、今だにあの可愛い眼は大きな印象に残ってます。

壊犬ギン

 知人からの紹介でした。飼い主が病気で入院するのでしばらく預かって欲しいとのこと。犬種はシャーペイ。だらんとしたホッペとちょっと怖そうな眼の犬です。
大きさは小ぶりのラブラドールくらい。今まで飼い主と離れたことはなく見かけとは違い人にベッタリ甘えてます。
ホテル部屋に入れました。大騒ぎでパニクリ3分でホテルの戸を食い破りました。人の姿が見えるとおとなしくしてます。
見えないと寂し飼がり大騒ぎです。板張りのホテルには入れておけず、やむなく鉄製のゲージで預かることに。顔に似合わず寂しがりのギンちゃん。
我が家のヒナちゃん(柴)が気に入りチョッカイ出しますがおもいきり嫌われ、たるんだホッペをかじられてました。
皮膚が悪いので綺麗にしてやりたかったのだけど、水が大嫌いで大暴れ、大騒ぎになります。何でも子犬のとき河に投げ込まれ水恐怖症になったそうです。
 不細工だけど愛嬌のある顔で近所に人にも愛されました。一月預かりました。退院された飼い主に連れられ帰っていきました。
ボロボロになったゲージが残りました。食い破られたホテルの扉は泣きながら直しました。(修理大変だったのですよ。)


破壊犬ギン2

 一月後、退院されたギンの飼い主さん、また具合が悪くなり預かることに。相変わらず愛嬌のある不細工な顔です。
ゲージも少しは慣れたようで以前ほどは暴れません。でも相変わらず水は嫌い。散歩のとき川の中の石を渡ってみました。
水に近づいたら緊張して脚が思うように動かず川に落ちました。すさまじい恐怖の表情と悲鳴。
トラウマはかなり深いようです。シャンプーはあきらめました。一度、家の庭で放してみました。
が、やはり人がいないと不安で柵から飛び出してしまい、近所の子供達に追いかけられてました。
子供達に面白い顔は恐怖より愛嬌になったようです。2ヶ月ほど預かり、退院した飼い主さんに返したときはとてもうれしそうでした。
 気付かぬうちのそっと帰ろうとすると、一瞬私のほうを見て「あれ帰っちゃうの?・・・。」って顔をしてくれました。
い主さんの病状やギンは元気にしているか気になりますが、その後連絡はありません。元気にしてるかな?・・・。

ひょんな事こら我が家の一員になった柴犬のヒナ。一緒に過ごした十年間を振り返って見ました
ヒナの話

 出会い
 あれは私がこの仕事を始めて半年位たった時でした。
いつものようにオジョウを助手席に乗せて出勤しました。「オジョウ」。我が家で飼っていたシベリアンハスキーの名です。
小柄でわんぱく。それでいて気が小さく、若くして二頭の仔を産んだお母さんです。
とても子犬の世話などできないだろうと思ってましたが、
立派に3頭の仔を産み(残念ながら一頭は死産でした。)二頭の仔犬を育てました。
でもすぐに大きさで娘たち追い越され、最近では二頭がかりで虐められるので可哀想になり、
一緒に店に連れてくるようになりました。
当時はホンダの初代CR−Vに乗ってました。いわゆるSUVという車高の高めの車です。
普通に走ってました。道路は混んでません。
そのとき路側帯のガードレールの下から毛布のような物が飛び込んで来ました。
「!!!!?????」・・・・・・・・・・・
まったくブレーキを踏むことは出来ず、その物の上を取りすぎて行きました。
「何だ?」。ルームミラーを見ると路上でもだえ苦しんでいる柴犬の姿が眼に入ったのです。
「やってしまった!」急いで車から降りて柴犬に駆け寄りました。幸い後続の車も気がつき避けて通ってくれました。
見ると怖かったのかウンチを漏らしてました。顔に小さな擦り傷があり他は大きな怪我は無さそうでした。
でも骨でも折れてるかもと思い、保護してすぐ動物病院へ走りました。
 犬○動物病院で受付の方に事故の急患と告げるとすぐに処置室に通されました。
他の治療を後回しにした先生方が5人ほど集まり、柴犬の体を丁寧に診察して下さいました。迅速で丁寧な対応に感激しました。
 5分ほど先生達はくまなく診てくださいました。副院長曰く「とくに骨は異常ありません。外傷も顔のキズ以外見当りません。」
一斉にその場の緊張がほぐれました。大げさ人だと思われたかもしれません。でもこのときは誰もが良かったと思ったでしょう。
「念の為、明日もう一度診せに来て下さい。」と言われ病院をあとにしました。
店のホテルルームに入れフードを与えるとペロリとたいらげました。
お腹減っていたようです。
 翌日、診察してもらう。異常なし。ダニが付いていたのでフロントラインを付けて頂きました。首輪はしてましたが汚れてました。
一部は毛の抜けたところもありました。残飯の匂いを気にして食べようとします。やたら人を怖がります。
特に子供は嫌いで脚をブルブル震わせて怖がりました。なにかされたのでしょうか?
その日から飼い主を探す為ポスターを作り、保護した近所のコンビニに貼らせて頂きました。
土曜日の市内版に迷い犬の記事を載せてもらいました。一件申し出があり面会しましたが、残念ながら違いました。
この方に貰ってもらおうかとも思いましたが、小さなお子さんがいたのでやめました。
1週間もすると慣れてきたのか少し心を開いてくれました。
ホテルに1頭でいるのが嫌なようで、ホテル室で暴れ壊すようになりました。
家に連れて行くことになりました。犬には相性があります。幸いオジョウがこの仔を気に入り、とっても可愛がります。
歳は変わらないと思うのですがやはり二頭を育てたお母さん。
自分より小さい仔は可愛いとみえ耳を舐めたり、顔を顔にすり寄せたりしてます。
この仔は我が家の犬たちに受け入れられました。名前はなんとなく「ヒナ」という名が浮かび付けました。
家では普段私が座っている座布団が気に入り、私がいないときはチャッカリ座ってます。その後すっかり盗られてしまいました。
 その後、名乗り出る飼い主は現れませんでした。
2ヶ月近くがすぎ、5頭の犬の世話をする自信が無かった私は、「里親募集」の張り紙をしておきました。
それもそろそろ剥がそうかと思った矢先、ひとりのおじさんがやって来て、「ヒナを引き取りたい。」と申し出がありました。
柴犬好きのおじさんで最近飼っていた仔を亡くし、元気が無かったようです。娘さんに「里親募集」の話を聞き、来たそうです。
ヒナの頭をペチペチ叩くようにさすります。「?」なにか違和感を感じましたが悪い人では無さそうなのでヒナを預けました。
気持ち元気の無さそうな後姿を「可愛がってもらえよ。」と見送りました。

 ヒナが里子に行ってからしばらく違和感がありました。とくに車の中。いつも助手席でオジョウと並んで座っていました。
手を伸ばして頭をよく撫ぜてました。その頭がないので手の置き場が無くなり片手間な感じです。
「柴犬も可愛いな。」ハスキーの好きな(結局付き合えばどんな犬種も可愛い。)私は思いました。

ヒナがいなくなってから2週間。送迎の仕事から帰ってきたら店に柴犬が一匹ゲージに入ってました。
見慣れた顔です。「あれ?????・・・・・・・・」。  留守番していたトリマーさんに「これうちにいた柴だよね。」と聞くと
「懐かないので返す。」と連れてきたそうです。でも、なぜ付けていった首輪がわざわざ外してあるのか?。
疑問に思いました。電話で聞くと「懐いてもらおうと色々やったけど、おびえて懐いてくれなかった。」
とのこと「申し訳ない。」「こちらこそ愛想の無い仔で申しわけありませんでした。
可愛がってくださりありがとうございました。」そう話をし電話を切りました。気を使いお菓子まで頂きました。
ヒナに首輪をはめようとしたら、一回り太っていてはまりません。
おじさんはヒナの気を引こうとして、いろいろお菓子をあげたようです。
ますますおじさんに申しわけない気持ちがこみあげてきました。
「こいつ食う物はしっかり食べて心は開かずにいたのか、まるであこぎなキャバ嬢みたいな奴だな。」
(あくまでもイメージです。行った事ないので)
「そんなにうちに来たかったのか?仕方ないうちの仔にしてやるみんなと仲良くするんだよ。」
この瞬間ヒナは私の家の仔になった。
 (ヒナ悶絶)
 我が家にもすっかり慣れたヒナ。うちに着くと大喜びで部屋の中入っていきます。
散歩も用足しが済むと家の帰るとダダをこねて歩きません。結構強情で頑固です。
食事が済んでしばらくすると牛ガムをやります。いつも喜んで咬んでました。ある日、いつものように牛ガムをやりました。
しばらくすると悶絶して苦しんでました。のどにでも詰まらかしたか?てんかんの症状は無かった筈。
急いで病院で看て貰いました。「顎の骨が折れてるね。左右を見比べてごらん。」先生に言われ正面から見ました。
たしかに片方はみ出て歪んでました。特別何も出来ないとのこと。痛み止めを打ってもらい、落ち着きました。
後は徐々に固まるのを待つだけ。それからは硬い物は絶対駄目!大きな物も小さくしてから与えることになりました。
「ひょっとしたら事故のときにダメージを受けていて、それがガムを噛んだことにより悪化したのかな。」
そんなことも考えましたが真実は分かりません。

(新しい送迎車)
 ヒナと遇ったときの車(CR−V)は15万キロ以上走り、そろそろガタがきました。
燃費も良くないので思い切って替えることにしました。大きな荷物を運ぶ訳ではないので小さなファンカーゴにしました。
丸っこくて可愛いらしい外見はお客さんにも好評でした。特に気に入ったのは前席にベンチシートが選べること。
助手席の足元に道具箱を置き、その上にクッションを引きました。ここがヒナの指定席。
オジョウは隣に座ってます。あまり乗り心地は良さそうではないけど少しの時間なので我慢してもらいました。
でも場所の取り合いで車の中で二匹が喧嘩を始めたときは事故りそうになりました。
 オジョウはたまに私の膝を枕にうたた寝をします。その後、オジョウの真似をしてヒナも膝枕をするようになりました。
甘えるのが下手なヒナが唯一甘えてくる瞬間です。
機嫌がいいときは膝だけではなくお腹に沿って、ずっと上まで顎を付けて甘えてきました。
このときがヒナの一番カワイイときでした。家ではこんなに甘えたことがありません。
和犬は甘えたくても我慢するのでしょうか?けっこう照れ屋さん・・・・・・・。

(ヒナ唄う)
我が家には4匹のハスキーがいました。お父さんハスキーのケンはおじいさん。
ヒナが来たときはすでに耳も遠く、眼もよく見えてないみたい。ヒナを匂いで確認しあとはあまり関心が無い。
ハスキーは遠吠えをします。外でスーシンとムーランが唄い始めます。ケンは耳が遠いので無反応。
それに反応してオジョウも唄い始めます。それぞれ個性のある声とメロディーで鳴きます。
そのときヒナも一緒になって唄います。ハスキーのように「ウォーウォウォー」という遠吠えは出来ません。
それでも一緒になって「ワン!ワンワン!ウァオーウァオー」と一生懸命吠えてます。
ヒナが自分もファミリィーの一員だと主張しているのか、一員に溶け込もうとしているのか分かりません。
でも可愛い声で一生懸命吠えているのを聞いて心が和む一時でした。
 
ヒナビビる
 多くの犬がそうであるようにヒナも雷が嫌いだった。どれくらい嫌いかというと、雷が鳴ってなくても雨が降り出すと
勝手に雷が来ると連想して震えだす。怖くなると普段は上らない二階にやって来る。
夜中に気がつくと枕元でブルブル振るえよだれを垂らしている。あまりに怖がるので抱っこして
「怖くないよ。」となだめていた。しかし夜中にあまりそれが続くとこちらも眠れずツライ。夏の夜は大変だった。

ヒナビビる2
 近所の山の中で一人暮らしをしているおばさんがいる。このおばさんのところには「野良猫」「引き取り手のない犬」
たまに「野良娘」や「野良オヤジ」。そして「桜肉」にされかけた馬がいる。
なんでも一時は地方競馬で優勝したこともあるサラブレッドだそうです。(私は馬刺しと呼んでいる。)
最初は気が荒く近づくのも危険だったそうです。今は「馬刺し」と呼んでやると顔を出して挨拶してくれます。
ときどき知り合いが来て乗馬を楽しんでいるそうですがおばさんは世話をしているだけで完全なペットです。
うちの犬たちが馬を観たときどんな反応をするか興味があったので、ヒナとオジョウを合せてみました。
以外にオジョウはうれしそうに臭いを嗅いでシッポを振っていました。
 しかし、ヒナはビックリ仰天の顔をしていました。普段は眠たそうなアーモンド型の目を大きく見開き
おもいっきりビビリました。言葉をしゃべればおそらく「なにこれ!なにこのでっかいの!」
「やだ怖い!咬みつかないかしら?襲ってこないかしら?」という表情をしていました。
ヒナのあんな顔はあとにも先にもこのときだけでした。

(ヒナ切れる!)
 いつも威張っているオジョウ。普段は静かでおとなしいヒナ。でもやはり柴犬。やるときはやります。
オジョウが異常にしつこい時やおやつの取り合いでもめたとき凄かったです。
 ヒナが食べずにいたおやつをオジョウが横取りしました。そのとき怒ったヒナは何食わぬ顔をしてオジョウに
近づき首元に前足を掛けて、おもむろに激しい剣幕で咬み付きました。私もオジョウもビックリ。
逃げるオジョウを必要に追いかけ咬み続けます。思わず引き剥がし、しばらくだっこ。
落ち着いたかと思い下ろすとまたオジョウを追いかけ咬み付きます。かなりシツコイです。
オジョウは完全にビビリ、椅子の陰に隠れて「ウ〜」と唸ってます。しかし、完全にシッポはたれ下がり戦意喪失。
もともと他の犬と喧嘩など出来ない性格(本当はやさしい仔)です。
 それからもイザコザはありますが、普段は相変わらずオジョウが威張ってました。
 
(ヒナのボーイフレンド)
ヒナにはお気に入りのボーイフレンドがいます。コーギーの龍ちゃん。
よくお泊りしてくれた龍ちゃんと一緒にドックランへ行ったこともあります。歳も体格も近い二匹はランでよく遊びました。
ヒナにとって一番楽しいときだったと思います。
 
(ネズミが出たー)
 我が家にネズミが出ました。床下から壁の中、二階の天井裏まで我が物顔で走り回ってました。
超音波効果なし。殺鼠剤効果なし。バルサンを炊いてみた、効果なし。
猫のオシッコをシートに付けて天井裏の置いてみた、効果なし。ネズミ捕りシート効果あり。
ヒナ、壁の中のネズミに反応して壁及び畳、障子をを齧り壊す。涙。

 (ヒナVSねずみ)
ネズミの駆除は大変でした。一見可愛らしく見えるネズミですが、とても凶暴で一緒の罠にはまった仲間をかみ殺し
食べてしまいます。その共食いを見てネズミに対する情けは消えました。
粘着テープのネズミ捕りも最初は効果あったのですが、慣れてくると危険な物と認識してうまく避けるようになりました。
そんなある日、家に帰るとヒナが何かに反応して洗濯機の前から動きません。もしかと思い棒で洗濯機の下を突いてみました。
なにも起きない。それでもヒナは何か入ると訴えてきます。思い切り洗濯機の下をかき回してみました。
するとねずみが飛び出してきました。それをすかさずヒナが捕らえました。食べてはいけないとすばやく取り上げます。
ヒナが捕まえたり、うまく罠の方に誘導したり、そんな方法で数匹捕まえました。
特に最後に捕まえたネズミは一回り大きく貫禄ありました。(わーボスキャラだ。)
その大物を捕らえた後、我が家のネズミはいなくなりました。
ヒナ WIN!

(ヒナ迷子)
夏の日の夜、仕事の帰りにスーパーに買い物に行った。夜とはいえ暑さの残る日でした。
わずかな時間なので大丈夫だろうと少し多目に窓を開けてスーパーの中へ。10分も経たないうちの戻ったがヒナがいない。
オジョウはシートの上で寝ている。しまったと思い付近を捜す。歩いたり車で走ったりして探し回った。スーパーも閉店し辺りは暗くなる。
1時間以上探し回ったが見つからない。家の仔も腹を空かしているだろう。諦めて一度帰ることにする。
 帰りに交番により迷子犬の届け出をして帰りました。
 家の仔達の食事を済ませ、徹夜を覚悟して3匹を車に乗せて、ふたたび探しに出かける。12時を少し廻っていた。
スーパーの近所まで来て探し始めたとき携帯が鳴りました。
 深夜の電話は警察署(交番)から。「柴の保護犬が連れて来られたけどお宅の仔かな?」
特徴を聞いて「うちの仔です。すぐ迎えに行きます。」まったく運のいい仔です。
こんなに早く保護してくださる人がいるなんて、しかも真夜中。交番に着くと隅でふるえてるヒナ。
傍らには一見ヤンキー風のカップルが。なんでもスーパー隣の公園で花火をしていて保護したとやら。
公園の周りは何度も探したのにどうして見つからなかったのか?ふるえて全然心を開いてくれなかったと言ってました。
でも出された缶詰はきれいにたいらげたそうです。
里親になってくれたおじさんのことを思い出しました。エサはしっかりあげているのに、はずかしい話です。
感動の再会とはならず、ヒナも淡々としている。カップルは見かけと違い(失礼)、やさしく深夜にわざわざ届けてくれました。
感謝!調書をとる若いおまわりさん。上司のおまわりさんが大きな声できびしく指導している。
 正直少し不快、でも迷惑をおかけしたので我慢していた。見かねたヤンキーのお兄さん。
「マーチョットやさしく言ったってよ。」きっぱり言い放った。心の中で拍手。可愛げの無い柴犬を抱いてお礼を言いました。
少しばかりのお礼と缶詰の代金を出せてくれと言うと、「いいから可愛がってあげて下さい。もう逃がさないで。」と言い去っていきました。
ありがとう。家に帰ると深夜2時前。ヒナは何事もなかったように家で眠ってました。少し腹が立ったが無事でよかった。でも翌日すごく眠かった。

(ヒナの手術)
 ヒナのお尻に出来物が出来た。かつてスーシンにも出来た皮脂線がつまりばい菌が入ってイボのような物できる物。
悪性の物ではないようだけど、気になるのかしょっちゅう舐めている。ストレスになると思い、手術を決意。
ついでに避妊もした方がいいと進められる。体力もあり我が家で一番長生きすると思った私は、なんのためらいも無くお願いした。
事前の検査で白血球の数値が高かった。ストレスによるものかもと手術直前に再検査。そのときは異常なし。手術をしました。
術後は経過もよく痛みも無いようでした。元気すぎて糸が一本弾けてしまった。やたら舐めるのでエリザベスカラーを付けた。
すっごく迷惑そうな顔をして、別のストレスに悩んでました。

(ヒナVSムーラン)
 我が家のボスはスーシンらしい。ムーランとスーシンは体格体力とも互角だが、メンタルの面でポジティブなスーシンにメガティブなムーランは
ちょっと引きがち。その辺でややスーシンリード。
小さいヒナに負けたくないムーラン。ときどきチョッカイを出す。
ある日、小さなおやつのイザコザでついに大喧嘩。3倍はあるムーランに一歩も引かないヒナ。「このままではヤバイ!」仲裁に入る。(命懸け)
 耳を咬まれたのか少し痛そうにしてるヒナ。見てみたが出血もキズも見当たらなかった。数日後、耳を倒し気にしてるヒナ。
見てみると耳から膿が出ていた。急いで耳を掃除して軟膏とヨードチンキで治療。(しみるー)。
しばらく様子をみていけなそうなら獣医へ行こうと思った。幸い2、3回手当てをしたら良くなった。柴犬やるときはやります。オジョウの立場なし。
 
(不安)
 ヒナは年末に下痢をした。様子を見ていたが良くなる気配がないので病院へ行った。下痢止めと抗生物質を注射にてもらった。
しばらく様子を見ていたら治まったので一安心。しかし最近よく下痢をするようになった。若いときは下痢などしたこともなかったのに、
歳のせいか、それとも過保護すぎるのか?不安を胸に様子をみる。食欲も戻り、元気に遊んでいる。
でもこのとき病魔はヒナの体を少しずつ蝕んでいた。
 
 1月の末にまた調子が悪くなった。まったく食べず吐くようになった。嫌な予感のした私はすぐ病院へ連れて行った。副院長曰く。
「胃が悪いのであればいいが、そうでなければ・・・・・・・・・・。」と首をかしげる。
とりあえず胃の治療をして様子を見る。が、まったく良くなる様子がない。翌日、血液検査と超音波エコーをする。
診断は「肝臓もしくは消化器系かリンパの腫瘍。組織を取り検査をしないと詳しいことは分からない。」
とのこと「ステロイドで若干抑えることはできるが治癒はしない。」2、3日様子を見て考えることにする。
その足で店へ出勤。着くなり車から飛び降り脱走。ほんとにガンなのかと思ってしまうほど元気。
食欲も出てきた。ステロイドが効いたとゆうことはやっぱりガンであるという証拠。
取り合えず美味しい物をたくさん食べさせてあげようと思った。
 「美味しい物をたくさん食べさせたやろう。」と決めた数日後、ヒナの容態が急変しました。
突然ふらつき倒れるようになりました。貧血のようです。その日から食欲もなくなり、1週間もするとほとんど食べなくなりました。
どんどん痩せていき、最後は立つことも出来なくなりました。
そんなときひとかけらのおやつでも、スポイト数回のガムシロップでも口にしてくれたときは大変うれしかったです。
おしめを付け点滴だけで生きているだけの状態が数日続きました。
そんなある日、ホテル犬の世話でちょっと眼を放したスキに容態が急変しました。
気が付いたときは息も絶え絶え。最後の呼びかけに僅か前脚を動かし、静かに息を引き取りました。
その後、瞳孔が開いておしっこが漏れてきました。その瞬間ヒナが天に召されたことを実感しました。

 突然現れた柴犬は突然去っていきました。
 親切丁寧に埋葬して下さいました「ペットメモリー」のくまパパさん。ありがとうございました。ヒナを可愛がって下さいました皆さん。
ありがとうございました。
ヒナのいなくなった部屋はとても広く感じます。オジョウも寂しそうにしています。
そのオジョウも翌年ヒナと同じようにこの世を去りました。そしてヒナとケンカしたムーランも今年亡くなりました。
天国で仲良くしているかな。もうケンカせず仲良くするんだよ。

「ヒナ、オジョウ、ムーラン、スーシン、幸せだったか?」