ニュージャージーの野鳥

2002.7.14 Island Beach SP & Cottus Island CP

 ペリカンを見に行く

  日本ではモモイロペリカンハイイロペリカンが記録されていますが、 極稀な迷鳥なので、 動物園などで見たことはあっても野生のものを見たことのある人は少ないと思います。

  NJでバードウォッチングを始めて1年半が過ぎ、 だんだんと新種が増えないことに不満が出てきた頃でもありました。 野鳥の杜ではシギ・チドリやカモ類など水鳥系には自信を持っています(一応)。 が、NJでは何故か水鳥があまり見られずにいました。

  結局のところ、広いアメリカで特に知り合いも無く 自力で探し回っていることの限界に突き当たっていたのでした。 そんな時にRBAという最高の情報源を見つけ、 その中にブラウンペリカンという異国ならではの情報を見つけました。

  ひとまず馴染みのSandy Hookに行ってみましたが (バルドイーグルを撮影できましたが)本命には見事にふられて帰ってきました。

  一度や二度でめげてはいられません。 次のポイントをIsland Beach SP(State Park)に絞りました。 ここは、今まで何度もカモメやシギを見に行っていたBrielle の南の大きな州立公園です。 NJの大西洋岸には巨大なラグーンが形成されており、 内海と外海(大西洋)が細長い砂州で隔てられています。 Island Beach SPはNJでも最大級の長さ(南北に約10km)の砂州を 主体とした公園です(MAP参照)。

No.101 カッショクペリカン(Pelecanus occidentalis
英名:Brown Pelican
  Toms River(市)から長い橋で砂州に渡り、 砂州を南下すると突き当たりに駐車場があります。 そこから砂浜を先端まで歩きました。 すると上空にペリカンの群れが行ったり来たりしていました。 でかいですし、一目でペリカンと分かるシルエット。 感動しました。 (CHINO)

No.101 カッショクペリカン(Pelecanus occidentalis
英名:Brown Pelican
  英名はブラウンペリカンで、和名ではカッショクペリカンといいます。 砂州の先端から内湾側へ回り込むと、群れの本体が休んでいるのを発見しました。 その数、約40羽。こんなに大きな群れでいるとはビックリでした。 距離的にはかなり遠いので、近くに寄ってきた一羽を、 フィールドスコープにデジカメを付けて撮影しました。
  アメリカ東西両海岸の南部とメキシコ湾岸で留鳥、 NJのようにちょっと北へ行くと少ない夏鳥です。 (CHINO)

   Island Beach SPでは、 ほかにカモメ類、アジサシ類、サギ類、レンジャク、トウヒチョウなどが見られました。 そこからの帰りがけにToms Riverの北東にあるCottus Island CP(County Park) に寄ってみました。
  こちらの公園は、内湾に発達した湿地と森の組み合わさった大きい公園で、 市街地からのアクセスも良く、管理人も常駐する本格的な自然公園です。
No.023 オウゴンヒワ(Carduelis tristis
英名:American Goldfinch
  湿地の中を横切る散策道の木にいました。 完璧なオスの成鳥です。 ゴールドフィンチが飛んでくると辺りがぱ〜っと明るくなる感じがします。 その見事な姿を写真に撮りたいのですが、 結構警戒心が強く、通りすがりの固体を近距離で撮影するのは難しいです。 (CHINO)

No.102 サンショクサギ(Egretta tricolor
英名:Tricolored Heron
  いまいち何がどう三色なのか、ぱっと見では分かりませんが、 色の多いサギで大きさもそこそこ大きいので見ごたえがあります。 これは成長の夏羽で、後頭部に白い飾り羽が見えます。
  アメリカでは東海岸南部〜メキシコ湾岸にしかいないので、 見られて良かったです。 (CHINO)

No.007 ナゲキバト(Zenaida macroura
英名:Mourning Dove
  一番最初にデジカメ写真で登場して以来とんとご無沙汰でした。 管理事務所の餌台の横木に飛んできてとまったところです。 あちこちにいるのですが、電線や高い枝にとまっていて逆光で写真にならないパターンばかりでした。 このハトは水色のアイリングと赤い足、それと尾が結構長いのが特徴的です。 (CHINO)

No.103 ノドアカハチドリ(Archilochus colubris
英名:Ruby-throated Hummingbird
  日本にはいない代表選手のうちのひとつではないでしょうか? 北アメリカでは、23種のハチドリがいます。 が、2/3はメキシコとの国境近く、残りの1/3はアメリカ西部に分布が限られているのです。 結局のところ、アメリカ東部で見られるのはこの1種のみ。
  聞くところによると、夏に窓際に赤い造花とジュースを置いておけば来てくれるとのことで、 夏が来るのを待っていました。 それで来るなら、近所の公園などで見られるだろうと高をくくっていたのですが、 一向に見られませんでした。 意外と夏の公園には花が咲いていないのです。
  そんな折にこの公園で見ることが出来ました。 例の餌台には、ハチドリ用のジュースもぶら下げてあったのです。 飲み口が花の形で、ホバリングしながら飲めるようになっていました。 なるほど、ジュースを置けばやってきてくれるのは本当だったようです。 (CHINO)

  新規開拓の公園で、目的のブラウンペリカン に加えてハチドリも見ることが出来ました。 ところが喜んでばかりはいられませんでした。 帰りがけに、一緒に行った会社の同僚の首筋に ライム病を媒介する鹿ダニが付いていたのです。
  幸運にも、噛み付かれていなくて大事には至りませんでした。 公園の案内板には、ダニに注意のポスターが貼ってありました。 日本人的には、シカなどの大型動物が棲んでいると嬉しくなってしまいますが、 マイナスの面もあることに気付かされます。

  さて、そろそろ帰国まで2ヶ月に迫った時期です。 最後のお盆休みには1週間の休みを取り、Cape Codに行きました。 マサチューセッツ州ボストンの近郊で、夏は避暑地として有名ですが、 北東アメリカ最大のバードウオッチングポイントです。 次回はそこでの写真を紹介します.(CHINO)