ニュージャージーの野鳥

2002.2.17 Scherman-Hoffman Wildlife Sanctuary 他

  Cape MayでNJオーデュボン協会(NJAS)の実力を知った私は, NJASの管理するサンクチュアリを狙うことにしました. そしてHamilton Veterans Parkでキツツキ撮影の要領を得て, もっと別のキツツキも撮りたいと考えていました.

「注意」
NJでは「ライム病」というウイルス性の風土病があります. 病原菌は野生のシカを宿主とし,シカに寄生するダニが人へ媒介します. ダニは春から夏に活動しますので,バードウォッチングのためには,その時期には特に注意が必要です. 一般的には以下のようなことが言われています.
  1. ダニの付着を防止する(帽子をかぶる.靴下をズボンの上にかぶせる. ダニ避け剤を用いる).
  2. ダニの付着を仲間同士でチェックする(白い靴下を履くなどして早期発見を心がける).
    実際は,帽子をかぶっている人は見ますが,それ以上の対処をしている人は見かけません (そこまでするなら外へ出ないという人の方が多い?).
  3. ダニにかまれていない事を確認する.噛まれていれば血を吸って1センチくらいまで大きくなる.
  4. 噛まれた跡は,赤い円状の班が出来るのでそれが出ないことを観察する. これが出ないこともあるので注意が必要.
もしもライム病に感染した場合は,抗生物質の早期治療で治りますが,放置すると慢性化します. 北米NY近郊の疫病情報は 外務省・地域別医療事情・アメリカ合衆国(ニューヨーク周辺) を,症状等さらに詳しくはネットで検索してご確認下さい. 北米のバードウォチングはこれがネックですね(流行らないわけだ). ただ,日本にも上陸しており,わずかながら危険性はあるようです.

【Scherman-Hoffman Wildlife Sanctuary】
NJ中北部Somerset County(郡)にあります. ネイチャーセンターの建物前には餌台があり, ギフトショップの窓やテラスからたくさんの冬鳥を見ることが出来ます. 環境は低い山と谷で,遊歩道で一周できます. キツツキ類は山の斜面から,小鳥はセンター周辺に集まっており, 周辺の遊歩道から探すのが良いです.

No.064 アメリカコガラ(Poecile atricapillus
英名:Black-capped Chickadee
  以前紹介したカロライナコガラと非常に似ています. カロライナコガラとの違いは,雨覆(風切羽の前を覆う羽)が白っぽいことと, 喉の黒い三角の底辺がまっすぐでないことです. この写真ではいまいち雨覆が白く写っていませんが, 喉の黒い部分の端下がまっすぐでないのが分かります.
  アメリカコガラは,アメリカ北部で普通の留鳥ですが, 南部に分布するカロライナコガラとは見事に棲み分けています. そしてラッキーな事に,その境界線はちょうどプリンストンのあたりを通っています. 前にHamilton Veterans Parkで見たと思っていましたが, あそこにはいないようです. (CHINO)

【Washington Crossing State Park】
  トレントンの北西,デラウェア川に隣接した比較的大きい公園. 園内ほとんどが森で,池などがないため森の鳥がメインになる. ヒメコンドルやキツツキ類が多い. 公園西端はデラウェア川の河原に繋がっているので,そちらへ行くといいかも?
No.065 シルスイキツツキ(Sphyrapicus varius
英名:Yellow-bellied Sapsucker
  キツツキ狙いで見事にゲットしました. アカゲラより一回り小さいキツツキでこの時初めて見ました. 背の高い木の上の方にばかりいて写真を撮りにくかったのですが, なんとか1枚写ってました.
  アメリカ東北部で普通の夏鳥,南東部で冬鳥,NJでは境目になります. 写真の個体は喉が赤いのでオスです. (CHINO)

No.066 ホシムクドリ(Sturnus vulgaris
英名:European Starling
  1890年代に北アメリカに侵入し,普通腫になってしまいました. 日本のムクドリと同様,夏の終わりから大きな群になります. NJでは日本のムクドリほど大きな群は見たことありません. よその図鑑などではCommon Starlingとなっていますが, アメリカではEuropean Starlingと表記されており,旧大陸の鳥の印象があるのでしょう.
  で,この鳥,結構写真に撮りにくかったりします. どこにでもいると言っても,家の周りとか観光地とかで, 普段望遠レンズを持ち歩く時には出てきません. いたとしても,ちょこちょこ歩き回ってばかりでピントが合わせられないという...
  結局,この写真はワシントンD.C.の動物園に行った時のデジカメ写真. 12月で完全な冬羽です. (CHINO)

  掲載するのが遅くなりましたが,「ライム病」は厄介です. それほど感染率は高くないようですが,危険は常にあるので用心するに越した事はありません. バードウォッチングでは,遊歩道を外れなければかなり回避できると思いますが, クワガタやカブトムシがいたとしても獲ったり出来ませんね(実際,昆虫採集をして遊んでる子供はいないみたい).
  同じ理由で湖でマス釣りもやらない事にしました. それから,こちらの湖には貸しボートがありません. みなエンジン付きのマイボートでやってます(クルーザーの路上駐車がある!). お国柄の違いは意外なところで出てきます.(CHINO)