休止モードを設定する方法
文書番号: winxp017
対象OS: WindowsXp
◆概要
ACPIの機能を活用して、スタンバイ機能を活用すると、PCの電源をオフにしても、それまで実行していた状態をHDDに保存したり、メモリ状態をそのままキープすることで、終了直前の状態を保持します。次に電源をオンにした時は、以前の作業状態が再現されます。ACPIスタンバイ方法では「休止モード」と「STR」という2つの方式があります。
◆休止モード
休止モードを使用するには、PCのBIOS設定とWindows XPの設定が必要になります。
- BIOS設定
- 「Power Management Setup」メニューを選択
- 「ACPI Sleep Type」の項目を「S1(POS)」に設定
- BIOS設定を保存して終了
- Windows XPでの設定
- 「コントロールパネル」を開き「電源オプション」を選択
- 「休止状態」タブをクリック
- 「休止状態を有効にする」にチェック
この画面では「休止状態にするために必要なディスク領域○○MB」の項目を確認しておいてください。○○MBがPC状態をHDDに保存するための容量です。休止状態の設定が済んたら、次に休止状態に入るまでの時間を設定します。 - 「電源設定」タブクリック
- 「システム休止状態」- 時間設定
これで、休止状態の設定は一応完了ですが、ユーザーが随時休止状態にしたい場合は、次のように設定します。
「詳細設定」タブをクリックし「電源ボタン」にて以下の項目を設定- 「コンピュータの電源ボタンを押したとき」
- 「コンピュータのスリープボタンを押したとき」
各項目では「何もしない」「入力を求める」「スタンバイ」「休止状態」「シャットダウン」の5つの動作を設定できますが、ここで「休止状態」を選択すると、各ボタンを押した時、直ちに休止状態になります。
◆休止モード使用方法
休止モードの設定が済むと、以降は指定時間が経過するか、ボタンを押すことで休止状態になります。また、Windows XPの操作としては、次のような方法でも休止状態にすることができます。
- 「スタート」ボタンを押し「シャットダウン」を選択
- 「コンピュータの電源を切る」ダイアログボックスで、「Shift」キーを押すと「スタンバイ」ボタンが「休止状態」ボタンに変化するので、その状態で選択
◆STRスタンバイ機能
STRスタンバイ機能は、現状のPCであればほとんどのPCに搭載されていますし、自作PCのマザーボードにも搭載されるようになりました。ただしSTRは、起動方法が特殊なため、誤動作の可能性が割合に高くなります。そして自作PCでは、無数のパーツの組み合わせがあるため、更に誤動作しやすくなっています。
STRはACPI規格で定義されるS3モードのことで、「Suspend To Ram」を表します。PCをSTRスタンバイ状態にすると、PCの主なデバイスの電源はオフになりますが、メモリだけは電源がオンのままで、終了直前の状態がずっと保持されています。次に電源をオンにすると、通常とは異なり、HDDからOSをロードしたりはせず、デバイスの初期化も省略され、終了直前の動作状態に設定されるのみです。こうすることでPCの起動は非常に高速化され、通常の起動よりも数倍速く起動します。
STRスタンバイ時にはメモリの電源はオンになっていますので、PCの電源は完全にオフになっておらず、メモリ搭載量にもよりますが、およそ0.5A〜1.0Aほど消費されます。またメモリに電源を供給するため、電源ユニットはスタンバイ電源を0.7A以上供給できることが必須とされ、ATX2.03以降の規格に対応していることが要求されます。
この他にも使用するパーツでは、「ビデオカードは完全にACPIに対応していること」「ACPIに準拠しないレガシーI/Fや機器は使用しないこと」など、STRを実現するためには細かい規則があります。規則に従わないと、ほぼ間違いなくSTRは誤動作することになり、多くのトラブルを引き起こすことにもなりかねません。
STRを実現するにはあまり多くのパーツを組み込まず、比較的新しいパーツで構成するとよいでしょう。およそ1年以内に登場したパーツであれば、ほとんど問題ないと思いますが、それ以前のパーツではSTR動作は難しいかもしれません。一つの目安として確実性があるのは、Windows XP対応となっているパーツ・機器であればよいかと思われます。
◆STRモード設定方法
STRモードの設定方法は、休止モードとほとんど同じ方法で設定できますので、ここでは異なる部分のみ、その方法を示すことにします。設定の詳しい方法は休止モードの設定を見てください。
- BIOS設定
- BIOSセットアップを起動して、「Power Management Setup」メニューを選択
- 「ACPI Sleep Type」の項目を「S3」に設定
- BIOS設定を保存して終了、Windows XPを起動
- Windows XPの設定
- 「コントロールパネル」を開き「電源オプション」を選択
- 「電源設定」にて「システムスタンバイ」-時間設定(1分〜6時間)
これで設定は終了ですが、必要によって「詳細設定」画面で電源ボタンの割当を行っておくとよいでしょう。またSTR使用時には「休止状態」は無効にしておくことをお薦めします。
◆STRモードの利用方法
STRの設定が終了すると、PCがスタンバイ時間までアイドリングされたら、自動的に電源がオフになります。またスタートメニューから終了する時に最後に表示される「コンピュータの電源を切る」画面で「スタンバイ」ボタンを押すとただちにスタンバイ状態に移行します。
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