Access2007 のコマンド ライン スイッチ

◆概要
このページはスタートアップ コマンドにスイッチやパラメータを追加することにより、Microsoft Office Access 2007 の起動方法をカスタマイズする方法について説明します。たとえば、Office Access 2007 の起動時に特定のファイルを開いたり、特定のマクロを実行したりできます。

◆内容

コマンド ライン スイッチは、コマンド ライン オプションとも呼ばれます。スイッチには、その動作に応じて、パラメータが必要なものと必要でないものがあります。


あるスイッチおよび関連するパラメータを 1 回使用するだけでよい場合は、Microsoft Windows の [ファイル名を指定して実行] ボックス ([スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] をクリック) にコマンド文字列を入力します。コマンド文字列は、プログラムを起動するコマンド (ここでは Msaccess.exe) と、その後に続くスイッチおよびパラメータの組み合わせから構成されます。特定のスイッチおよび関連するパラメータを何度も使用する場合は、常に同じスイッチとパラメータを指定してプログラムを起動するデスクトップ ショートカットを作成しておくと便利です。この記事では、両方の方法について説明すると共に、Office Access 2007 で使用できるすべてのスイッチとパラメータの一覧表を示します。

コマンド、スイッチ、およびパラメータについて

[スタート] メニューにある Access のプログラム アイコンやプログラム名をクリックして Access を起動する場合、通常はコマンドを入力したり目にしたりすることがなくても、実際にはその都度 Msaccess.exe コマンドが実行されています。

Msaccess.exe コマンドにスイッチと呼ばれるサブコマンドを追加すると、プログラムの起動方法を一定の形式で変更できます。スイッチは、メイン コマンドの後にスペースを入力し、続けてスラッシュ (/) とスイッチの名前を入力することによって指定します。スイッチによっては、後ろにスペースをもう 1 つ入力し、"パラメータ" と呼ばれる 1 つ以上の命令を続けることで、Msaccess.exe コマンドの実行方法をより細かく指示できる場合もあります。たとえば、次のコマンドは Access を起動し、指定したファイルを読み取り専用で開きます。

msaccess.exe /ro "c:\My Folder\My Database.accdb"

この例では、/ro がスイッチで、"c:\My Folder\My Database.accdb" がパラメータです。ここでは、ファイルのパスにスペースが含まれているため、パスが二重引用符で囲まれていることに注意してください。ファイルのパスにスペースが含まれていなければ、二重引用符は必要ありません。

Office Access 2007 では、"msaccess.exe" を省略し、ファイルの完全なパスからコマンドを始めることができます。たとえば、上のコマンドは次のように入力できます。

"c:\My Folder\My Database.accdb" /ro メモ

.accdb ファイル、.adp ファイル、または .mdb ファイルに対して "msaccess.exe" を指定せずにコマンドを実行するときは、Access が実行中でないことを確認してください。Access が既に実行されていると、コマンド ライン スイッチが渡されません。ただし、.accdr ファイル、.mde ファイル、.accde ファイル、または .ade ファイルを開く場合は、常に新しい Access のインスタンスが開始されるため、コマンド ライン スイッチが通常どおりに機能します。

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[ファイル名を指定して実行] コマンドにスイッチを追加して使用する

  1. Microsoft Windows で、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
  2. [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「msaccess.exe」と入力するか、または [参照] をクリックして msaccess.exe の場所を指定します。
  3. スペースを入力し、続けてスイッチと必要なパラメータを入力します。1 つのコマンドに、複数のスイッチおよびパラメータを含めることができます。たとえば、指定したデータベースを読み取り専用モードで開き、そのデータベース内の特定のマクロを実行するには、次のように入力します。
  4. msaccess.exe /ro "c:\MyFolder\MyDatabase.accdb" /x MyMacro

次回の Access の起動時にコマンド ライン スイッチを指定しなければ、プログラムは既定の設定で起動します。カスタマイズした起動方法を繰り返し使用できるようにするには、次のセクションを参照してください。

メモ

  • スイッチおよびパラメータでは、大文字と小文字の区別されません。たとえば、/RO は /ro と同じように機能します。
  • 各スイッチの前と各パラメータの前には、空白スペースを 1 つずつ挿入します。


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ショートカットを作成してスイッチを再利用できるようにする

まず、Msaccess.exe がコンピュータのどこにあるかを確認します。Access のインストール時に既定のインストール先を選択した場合は、通常、次の場所に Msaccess.exe が置かれています

C:\Program Files\Microsoft Office\Office12\msaccess.exe

この場所に Msaccess.exe ファイルが見つからない場合は、ファイルを検索して完全なパスを控えておきます。

  1. Windows デスクトップをマウスの右ボタンでクリックし、[新規作成] をポイントして、ショートカット メニューの [ショートカット] をクリックします。
  2. ショートカットの作成ウィザードで、[項目の場所を入力してください] ボックスにニ重引用符 (") を入力し、Msaccess.exe ファイルの完全なパス (ファイル名を含む) を入力して、二重引用符をもう 1 つ入力します。または、[参照] をクリックしてファイルを選択することもできます。この場合は、二重引用符が自動的に追加されます。
  3. 2 つ目の二重引用符に続けてスペースを入力し、スイッチとパラメータを入力します。スペースを含むファイルのパスをパラメータとして指定する場合は、そのパラメータも二重引用符で囲む必要があります。たとえば、次のように入力します。
  4. "c:\program files\microsoft office\office12 \msaccess.exe" /ro "c:\My Folder\My Database.accdb"
  5. [次へ] をクリックします。
  6. [このショートカットの名前を入力してください] ボックスにショートカットの名前を入力し、[完了] をクリックします。
  7. ショートカットをダブルクリックすると、いつでもこの特定のカスタマイズ方法で Access を起動できます。

    ヒント

    デスクトップ ショートカットを Windows の [スタート] メニューに追加するには、ショートカットをマウスの右ボタンでクリックし、ショートカット メニューの [[スタート] メニューにアイコンを追加] をクリックします。

さまざまなショートカットを作成することで、プログラムの起動時にそれぞれ異なるスイッチとパラメータを適用できます。

メモ

  • スイッチおよびパラメータでは、大文字と小文字は区別されません。たとえば、/RO は /ro と同じように機能します。
  • 各スイッチの前と各パラメータの前には、空白スペースを 1 つずつ挿入します。


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使用可能なスイッチおよびパラメータ

次の表は、Office Access 2007 で使用可能なすべてのスイッチとパラメータの一覧です。

スイッチ パラメータ 説明
なし <データベース> 指定したデータベースまたは Microsoft Access プロジェクトを開きます。必要に応じてパスを含めます。パスにスペースが含まれている場合は、パスを二重引用符で囲みます。
/excl なし 指定した Access データベースを排他?(排他 : ネットワーク上で共有しているデータベースのデータへのアクセス方法。排他モードでデータベースを開くと、ほかのユーザーはそのデータベースを開くことができなくなります。)モードで開きます。マルチユーザー?(マルチユーザー データベース (共有データベース) : 複数のユーザーが同じデータ セットに同時にアクセスして、データを変更できるデータベースです。)環境で共有するデータベースを開く場合は、このオプションを指定しないでください。Access データベースにのみ適用されます。
/ro なし 指定した Access データベースまたは Access プロジェクトを読み取り専用で開きます。
/runtime なし ランタイム バージョンのオプションを使用して Access を起動します。
/user <ユーザー名> 指定したユーザー名で Access を起動します。Access 2002-2003 およびそれ以前のデータベースにのみ適用されます。
/pwd <パスワード> 指定したパスワードを使用して Access を起動します。Access 2002-2003 およびそれ以前のデータベースにのみ適用されます。
/profile <ユーザー プロファイル> Access のインストール時に作成された標準の Windows レジストリ設定ではなく、指定したユーザー プロファイルのオプションを使用して Access を起動します。これは、Access 95 以前のバージョンで初期化ファイルを指定するために使用されていた /ini スイッチの後継機能です。
/compact <対象データベース> または <対象 Access プロジェクト> /compact スイッチの前に指定した Access データベースを最適化して修復するか、または同様に指定した Access プロジェクトを最適化して、Access を終了します。/compact スイッチの後の対象ファイル名を省略すると、ファイルは元のフォルダに元の名前で最適化されます。別の名前で最適化するには、対象ファイル名を指定します。<対象データベース> パラメータまたは <対象 Access プロジェクト> パラメータにパスを指定しない場合は、既定で My Documents フォルダに対象ファイルが作成されます。スペースを含むパスを指定する場合は、パスを二重引用符で囲みます。

Access プロジェクトにこのオプションを使用すると、Access プロジェクト (.adp) ファイルは最適化されますが、SQL Server データベースは最適化されません。

/repair なし /repair スイッチの前に指定した Access データベースを修復し、Access を終了します。Microsoft Access 2000 以降では、/compact スイッチに最適化と修復の機能が統合されています。/repair スイッチは、下位互換性のためにサポートされています。
/convert <対象データベース> 以前のバージョンの Access データベースまたは Access プロジェクトを Access 2007 のファイル形式に変換し、そのファイルに新しいファイル名を付けて、Access を終了します。/convert スイッチの前に、変換元データベースを指定する必要があります。
/x <マクロ> /x スイッチの前に指定されている Access データベースを開いた後、指定したマクロを実行します。データベースを開いたときにマクロを実行する別の方法として、AutoExec という名前のマクロを作成することもできます。

 注意   マクロにはウイルスが含まれている可能性があるため、実行する場合には注意してください。感染への予防策として、最新のウイルス対策ソフトウェアをコンピュータで動作させ、セキュリティ センターを使用してデジタル署名のないマクロをすべて無効にし、信頼できるマクロの作成元の一覧を管理してください。

/cmd なし Command 関数を呼び出したときに、このスイッチの後に続くコマンド ラインの文字列が返されるように指定します。このオプションは、コマンド ラインの最後に指定する必要があります。/cmd の代わりにセミコロン (;) を使用することもできます。

Visual Basic for Applications (VBA)?(Visual Basic for Applications (VBA): Microsoft Windows ベースのアプリケーションの作成に使用される Visual Basic のマクロ言語バージョン。いくつかの Microsoft プログラムで使用できます。) コードで使用できるコマンド ライン引数を指定するには、このスイッチを使用します。

/wrkgrp <ワークグループ情報ファイル> 指定したワークグループ情報ファイルを使用して Access を起動します。Access 2002-2003 およびそれ以前のデータベースにのみ適用されます。


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