「揺れる絆」


 フィー達一同は、デン王国首都サグドルまで戻って来ていた。先日ワルプ荘園で起きた吸血鬼事件によって、その荘園の領主であるディルコン小侍が死亡する。その事件は、彼等に重苦しい影を落としていた。
 事件そのものは、フィー達がコネのある貴族――ケイルヴィー爵侍に話を通し、なんとか丸くおさまる様に頼んだ。結果、ディルコン小侍の部下達などは、後任としてその地を任された貴族にそのまま雇用される事になったのである。それ故、そちらの意味での問題は無いと言って良い。
 だが、問題はその後起こった、ある練法師による『吸血鬼の灰盗難』である。吸血鬼を完全に滅ぼすべく、清めた杭を打ち、炎で焼き尽くした後の灰を、突如現れた凄まじい実力を持った練法師が奪っていったのだ。……最大の問題は、その練法師が盗難の際に、クーガの事を『術師』と呼んだ事にあった。クーガは実の所、練法師である。練法師は、世間一般には妖術師と呼ばれ、蔑視されると共に恐怖の目で見られているのだ。
 当然クーガはその事を隠していた。だがその苦心も、彼の練法師の一言で無に帰したのである。仲間達のうちでフィーは、何度かクーガの練法に助けられた事で、薄々ながらクーガの正体に気付いていた。だが彼はクーガへの態度を変えなかった。ハリアーは当初から、彼の正体を知っていた。そして最初彼女はクーガの事を疑っていた。しかし彼に何度か助けられたこと、彼の過去を知ったことで、彼女はクーガへの疑いを解いた。この2人については、何の問題も無いであろう。
 問題は残りの2人の仲間達である。クーガが妖術師――練法師である事を予想もしていなかったブラガとシャリアは、クーガに対し簡単には拭いがたい疑いの念を抱いてしまったのである。

「……ごちそうさま。」

 今もシャリアは、食事を終えると即座に2階の宿屋へ引っ込んでしまう。話をする暇もない。そしてブラガだ。

「ん、ごっそさん。」
「あ……。」
「……。」

 彼は飯を食べ終えると、無言で夜の街へと繰り出していく。止める間も無い。そして夜遅くならないと帰ってこないのである。場合によっては、次の朝まで戻って来ない。
 クーガは無言で食事を続けている。その無表情な顔には、何ら動揺の色すら浮かんでいない。そんなクーガに、ハリアーが話しかけた。

「……クーガ!今のままで良いんですか!?」
「……だからと言って、どうすれば良いのだ。」
「話をしてみる、とか!」
「向こうがその気が無いことには、話もできん。」

 クーガの諦めたような台詞に、ハリアーは怒りが募った。彼女は立ちあがる。

「ど、どうするんですハリアーさん?」
「シャリアと話してみます!」

 彼女はフィーにそう答えると、階段をずかずかと上って行った。その様子を見て、フィーはやれやれと溜息をつく。そんな様子を見て、クーガは怪訝そうな口ぶりで尋ねた。

「……君は変わらない、な。私が妖術……練法師だと知っても。」
「ん……なんとなく、勘付いてましたし。それに今までだって色々と助けてもらいましたからね。貴方の正体がばれる危険を冒してまで。だからたとえ貴方が練法師だとしても、信じられる。そう思っただけです。」
「そうか。……礼を言った方がいい、かな?」
「いえ、俺の方がまだまだ助けてもらった借りはでかいですから。」
「そうか。」

 クーガは黙り込んだ。しかし先程までと比べて雰囲気が柔らかい。だが再び口を開いたとき、その口調はやや低かった。

「……しかし、シャリアやブラガの件はどうしたものかな。せっかく古文書の解読が進んだと言うのに。」
「何処です?国外ですか?」
「いや、デン王国内に存在している。ここから北西、ミルジア山岳民国との境近くだ。まだ完全に解読が完了したわけでは無いから、その遺跡の詳細はわからないがね。ただ……この様な皆がばらばらの状態では、探索に挑むのは自殺行為だな。
 ……原因である私が言えた事ではない、か。」

 そう言うと、クーガはまた黙りこむ。フィーはどう声をかけて良いかわからなかった。



 ハリアーは、酒場の2階にある宿屋の、女用に取ってある部屋へと向かった。そして律儀にノックをする。中からはシャリアの声が聞こえた。

「どーぞ。」
「入りますよシャリア。」

 そう言うと、ハリアーは部屋の中へ入り込む。部屋の中では、シャリアが寝台に腰掛けて、仏頂面をしていた。ハリアーはその正面に立つ。

「シャリア、少し話したい事があります。」
「クーガの事だね?」
「ええ、そうです。」

 そう言うと、ハリアーはどう話を持って行こうか少々考え込む。だがその間に、シャリアの側から話しかけて来た。

「ハリアー。ハリアーはさ、クーガが妖術師だってこと、知ってたんでしょ?」
「……ええ。正しくは妖術師の事を、練法師と呼ぶのですがね。」
「そんなことはどうでもいいのよ!妖術師だろうが練……えーと、練法師だろうが!なんで黙ってたのよ、クーガもあんたも!」
「それは……。」

 シャリアは腰掛けていた寝台から立ち上がる。そしてハリアーに掴みかからんばかりに詰め寄った。

「あたしが怒ってるのは!あんたらがあたし達に隠し事をしてたって事!なんかフィーも知ってたみたいじゃない!なんで隠すのよ!」
「……その事については謝ります。すいませんでしたシャリア。ですが……この事実は、そう簡単に打ち明ける事ができない秘密だったんです。」
「……。」
「フィーさんは自分で気付いたらしいんですが、この秘密の重大さを分かっていたから、自分から黙っていてくれたんです。彼を怒らないでください。」

 ハリアーはつらそうに言う。シャリアは黙ったままだ。

「……シャリアはあまり知らない様ですが、簡単に言うと、練法師と言うのは嫌われ者なのです。ここ西方で信仰されているペガーナ教徒達からは、異端の魔導師として追われているぐらいです。一般人にも、何やら人を攫って生贄として魔神に捧げたりとか、そう言う事をしている悪鬼の様な者達だと思われている事が多いです。事実、ダングスのオリナミウムで出逢った練法師達は、子供を攫っていたでしょう?クーガの話では、生贄に捧げるのでは無いらしいですが……。」
「……うん。」
「事実、クーガも昔は上に強要されて、人殺しをした事があるのです。強制されて、どうしようもなかった様ですが。」
「上?」
「練法師達の組織の上層部ですよ。」

 シャリアの様子が、少し柔らかくなってきた。ハリアーはその事に多少安堵する。

「私は最初、クーガに厳しく当たっていたでしょう?私はクーガがその人殺しをした所に居合わせた事があるのです。ですがついこの間までは、彼が無理矢理にそれをやらされていた事とは知りませんでした。
 練法師達の組織とは、その様な非道を行わせる物なのです。だから練法師は嫌われているのですよ。」
「……うん。クーガが自分から、そんな酷い事やる様な奴だなんて思わないよ。今までのこと、見てればわかるもん。でも、なんでクーガはそんな奴らの仲間になったの?」
「自分から仲間になったわけではないらしいですよ。クーガも攫われて、無理矢理に仲間にされたみたいです。……クーガが居た組織は壊滅して、それでクーガは抜けられたと言う話ですがね。」
「そう……。」

 ハリアーは諭すように言う。

「練法師とは、そう言うわけで嫌われているのですよ。下手をすれば、ペガーナのお坊さん達からよってたかって火あぶりにされてしまいかねないぐらいに。と言いますか、ペガンズの寺院の組織には、専門にそう言う者達を狩り出して火あぶりにするための集団もいるらしいです。」
「嘘……!じゃない、みたいね……。ペガンズのお坊さん達って、そう言う人達もいるんだ……。」
「だから、クーガが追われる身にならないためにも、この事は秘密にしていたんです。……シャリア達に黙っていたのは悪かったと思います。でも、簡単に話せる事じゃあ無かったんです。」
「そう……。」

 シャリアは、深く深く息を吐き出した。そして寝台に寝転がる。

「……ハリアー達が黙ってた理由はわかった。ハリアー達……クーガ達は悪く無い。でも、なんかやっぱり……上手く言えないけど、こうモヤモヤするんだ。もう少し、何かこう、考えてみる!話の続きはそれから!
 ……あたしはもう寝る。」
「あ、湯あみはしないんですか?せめて絞った手拭いで身体ぐらい拭いた方が……。」
「んー。起きてからやる。おやすみ!」

 シャリアはそう言うと、毛布を頭からかぶってしまう。ハリアーは軽く溜息をついた。まだシャリアの気持ちは解決したわけでは無い。だが、少なくとも前ほど悪い状況では無い様だ。ハリアーは自分の分の寝台に腰掛けて、再び軽く溜息をついた。気分は多少は軽かった。



 ブラガは、宿泊している宿屋兼酒場とは別の酒場で、1人で飲んでいた。彼はシャリアの様な世間知らずではない。クーガが自分の正体を隠していた理由も、大方想像がついている。だからその事を責めるつもりは無かった。
 だが、やはりどうしても、今はクーガの傍に近寄りたくは無かった。妖術師――練法師と言う物に対する嫌悪感、いや恐怖感と言った方が正しいが、それはちょっとやそっとで拭い去れる物では無かった。別にブラガは敬虔な神の信者と言うわけでは無い。無いのだが、小さな頃からの価値観と言う物はどうにもこうにも、そう簡単に変えられる物ではない。
 そんなブラガに、隣で飲んでいた男が声をかけた。

「よう、しけた顔してるな。」
「ほっといてくれ。」
「まあ、そう言うな。」

 男はブラガに小さく手で合図を送る。ブラガはそれを見るや、顔が引き締まった。その手の合図は、盗賊同士の符丁だったのだ。実はこの酒場、一般人にも開放されてはいるが、ここデン王国はサグドルに巣くっている盗賊匠合の拠点の一つなのである。ブラガはこの街に来た当初から、この盗賊匠合に金を出して顔を繋いでいた。
 ブラガは自分も手で合図を送る。

『俺に何用だ。』
『頼みたい事がある。来てくれ。』
『わかった。』

 ブラガと男は、手の合図――手話と言えるかもしれない精巧な物――で簡単な会話をする。そして男は立ち上がり、先に立って歩き出した。ブラガも後に続く。
 男とブラガは、酒場の奥の扉を潜り、奥の部屋へと入っていく。男はそこで床に作られた隠し扉を開き、ブラガを手招きした。ブラガも男に続き、その隠し扉へ入って行く。すると、そこにはかなり広い地下通路があった。壁にはランプが仕掛けられ、けっこう明るい。男は先に立ってブラガを案内する。そして男とブラガは地下通路の奥まった場所にある部屋へとやって来た。
 男は部屋に入ると、中にいた、大きな執務机に着いている別の男に話しかける。

「どうも、ボス。連れてまいりやした。」
「おう。そんじゃ、お前は戻っていいぞ。」
「へい、失礼しやす。」

 ブラガはその男をこっそりと値踏みした。自分では太刀打ちできないほどの、腕利きの盗賊の様だ。ブラガをここへ連れて来た男は、ボスと呼んでいた。するとこの男は、この盗賊匠合の頭か。

「あんた、いや貴方がここの頭……?」
「ああ、そうだ。俺がここの頭をやっているダイカ・ロムウと言うもんだ。ブラガ……だったよな?シャルク出身の、今は山師をやってる。」
「へ、へい。」

 ダイカはにやりと笑った。彼はブラガを見ながら、口を開く。

「お前のお仲間に、たしか聖刻教の坊主……女の僧侶がいたな?たしか……ハリアー・デ・ロードル。」
「そ、そんな事まで……。」
「何、こう言う商売をしている都合上、あたりまえだ。そのハリアーとか言う女僧侶、なかなかの実力だそうじゃねぇか。それを見込んで、ちっと頼みたい事がある。なに、只とは言わねえ。ほれ。」

 ダイカはそう言うと、机の上に袋を放り出した。ブラガは息を飲む。ダイカは続けて言った。

「かまわねえから、開けてみな。」
「へ、へい。……こ、これは!」
「交易用金貨で50枚。5,000ゴルダだ。とりあえず充分だろ?」
「し、しかし一体何を……。」
「なあに、ちょいとした探索を頼みたくてな。」

 ブラガは顔を強張らせる。ダイカはかまわず続ける。

「ちょっとした幽霊屋敷なんだがよ。先代の頭の屋敷でな。」
「せ、先代の?」
「おう、あまりに理不尽な暴虐を働いて、今の幹部連中皆から粛清されたんだ。下剋上とも言うな。そんで新たな頭として俺が選出されたってわけだが。
 そんで、そこの屋敷に先代が持っていた『頭の証』が隠されてやがるんだ。皆は、そんなもんなんてどうでもいい、って言いやがるんだが、他所の盗賊匠合とかに睨みを利かすには、やっぱりそう言う物品によるハッタリてえもんが必要でな。」
「はあ……。」

 そこでダイカはにやりと笑う。

「だがな、そこにゃ幽霊が出るっつーんだわ。先代の、よ。今まで何人も手先を送り込んでみたんだが、皆這う這うの体で逃げ出して来やがった。いや、帰って来ない者も何人も居たんだがな。
 そんで、お前の仲間のハリアーって言う聖刻教の女坊主に目を付けたってわけだ。幽霊退治はお手の物だろ?坊主ならよ。」
「はあ……。まあ確かに。」
「俺達の商売柄、ペガンズの坊さんなんかに頭下げて頼むわけにもいかんからな。そんな所に旅の坊主が居る、しかも仲間に盗賊が居るとなりゃあ、渡りに船ってわけだ。
 ……頼めるな?」

 ブラガはごくりと唾を飲み込んだ。断れる雰囲気では無かった。



「……ってなわけなんだがよ。一応金も出るし、なんとか頼めねえか?ハリアー。」

 翌朝ブラガは酒場兼宿屋に戻ってきて、ハリアーに頭を下げた。ハリアーは苦虫を噛み潰した様な表情で、ブラガに問う。

「……犯罪行為では無いのですね?盗賊匠合の依頼なのでしょう?」
「ちがうちがう!犯罪じゃあねえよ。盗賊匠合ったって、悪事ばっかしてるわけじゃねえ。掟を守らねえ犯罪者やなんかを、懲罰したりもしてるんだぜ!
 それにサグドルの盗賊匠合は、先代から代替わりしてから、強きを挫き弱きを助ける、正統派の盗賊が主体のもんに組織が変わってるんだ。」
「ですが、盗みは盗みでしょう。」
「そ、そりゃそうだけどよ……。」

 そこへフィーとシャリアが口を挿んだ。

「いいんじゃないですか?ここで断ったら、ブラガさんの立場が無いですよ。仲間を助けると思って。」
「そうね。ブラガだって、断るに断れなかったんでしょうし。」
「……そうですね。わかりました。」

 ハリアーの承諾に、ブラガはほっと安堵の息をつく。だが、彼はその場にいるある人物と目が合いかけると、ついと目をそらした。その人物とは、言わずと知れたクーガである。
 クーガは徐に口を開いた。

「……今回、私は遠慮しよう。無論、報酬もいらない。」
「クーガ!」
「そ、そうか?」

 責める様に叫んだハリアーとは対照的に、ブラガは安堵した様だった。クーガは言い訳の様に続ける。

「私はまだ、例の古文書の解読が完了していない。そちらを優先したいのだよ。」
「クーガ……。」
「クーガさん……。」
「そ、そっか。済まねえな。」
「……。」

 ハリアーとフィーは、何やら悲しそうな表情になる。ブラガは取って付けた様に謝罪の言葉を口にした。シャリアは無言である。クーガは顔をハリアーとフィーに向け、言葉を発した。

「……気にすることは無い。仕方の無い事だ。仕事の成功を祈っている。」

 そう言って、彼は2階へと階段を上っていった。後の者は、なんとなく気まずげな空気の中に取り残された。



 ブラガを先頭にした一同は、街外れの寂れた館の前に立っていた。無論、その中にクーガの姿は無い。彼等は両開きの大きな扉の前へ歩み寄る。
 ブラガは仲間に説明した。

「地上の建物は全部捜索済みだそうだ。話によれば、この館にはどっかに地下室があるそうだが、その入り口が何処かわからねえ。一応一通り、探してみるしかねえ。」
「要は、あんたがそれを探すのを手伝えばいいってわけね。」
「先代の幽霊だかが出るって話だからな。それが出たら、ハリアー、頼むぜ。」
「……わかりました。」

 ブラガは扉に手をかける前に、一応一通り罠や仕掛けが無いか調べてみる。この扉には罠を仕掛けた跡があったが、どうやら既に解除されている様だ。

「地上は捜索済みってのは、嘘じゃあねえようだ。」
「一応、建物の図面を描きますね。」
「ああ、頼んだ。」

 フィーが羊皮紙に木炭で図面を描く準備をする。ブラガは扉を開けた。するといきなり、玄関ホールに死体が転がっていた。

「げ。いきなりかよ。」
「その死体、まさか起き上って動いたりしないでしょうね。」

 そのまさかだった。死体はびくりと震えると、ゆっくりとした動きで立ち上がる。

「げげっ!」
「こ、このおっ!」

 腐りかけた死体が起き上り、襲いかかって来ると言うおぞましい事態に、彼等を恐怖が襲う。だが、以前の遺跡で骨人に襲われた事もあり、こう言った事態に心構えができていた彼等は、恐怖に捉われる事はなかった。正確には、恐怖をなんとか振り払ったのだが。
 シャリアが先頭をブラガと替わり、死人に斬りかかった。その横でフィーが破斬剣を振るう。死人は動きが鈍く、1体ではさしたる脅威ではない。

「でええいっ!」

 フィーの破斬剣が死人の背骨を叩き折り、勝負を決めた。死人は再び只の死体と化し、床に転がった。ハリアーが呟く。

「ここを探索に来て、帰らなかったと言う犠牲者でしょうね。」
「その1人だな。」

 ブラガも呟く様に言う。彼等は気を取り直して、部屋の探索を開始した。だがこの部屋には特に何も無いようだった。彼等は次の部屋へと進んだ。



 いくつかの部屋を探索したが、ブラガ達は重要な物は見つけられなかった。更には、時折動く死人が行く道を遮ったりもする。ブラガは苛立たしげに言う。

「どうなってんだろな、この屋敷は。1階は全部調べたけど、地下室に行く道なんて見つからねえじゃねぇか。」
「……ブラガさん。」

 そこへフィーが声をかける。彼は手に、自分で描いたこの館の図面を持っていた。

「ここ、ちょっと変ですよ。この辺に四半リート四方ほどの隙間があるんですけど。」
「ん?あー確かに。だけど、この周りの壁はさっき調べたけど、隠し扉とかは無かったぜ。」
「これ、天井にまで繋がってませんか?もしかしたら2階に入口があるんじゃ……。」

 シャリアが呆れた様に言った。

「なによそれ。地下に行くのに、わざわざ2階に行かなきゃならないの?偏執的ねえ。」
「いや、有りうるな……。行ってみよう。」
「でも気をつけてください。まだ話に聞く幽霊とかが出てきていません。皆、死人ばかりです。」

 ハリアーが注意を促した。皆は頷く。ハリアーは続けた。

「幽霊には実体が無い、霞の様な存在です。ですから剣とか意味ありませんからね。私の術に任せてください。」
「わかったわ。」
「その時は頼みます。」
「おう、頼んだ。」

 彼等は2階へ続く階段の所まで行くと、2階へと上がっていった。そして、問題の隙間らしい物がある場所の上の部屋までやって来る。ブラガは早速、そこの床を調べようとした。
 そのとき、突然空中に霞の様な物があらわれて、巨大な人の顔を形作った。一同は口々に叫ぶ。

「わああっ!出たあ!」
「きゃああっ!き、気味が悪いっ!」
「うおっ!?で、出やがったな!」
「出ましたね!シャリア、フィー、少しの間だけ、私を護ってください!術を使います!」

 言うやいなや、ハリアーは両手を組んで朗々と八聖者に祈りを捧げはじめる。シャリアとフィーはその前に立って、ハリアーを護った。なお、ブラガは更にその後ろに隠れている。
 現れた幽霊は、霞の様な本体の一部を動かして、シャリアに接触する。シャリアはその冷たい感触に、悲鳴を上げた。

「きゃああぁぁっ!?」
「シャリア!くそ、このっ!」

 フィーはシャリアと幽霊との間に割り込む。すると、部屋の隅に置かれていた椅子がふわっと浮き上がり、後ろからフィーに直撃した。

「うわっ!?」
「フィー!ちっくしょ、このやろう!」

 最後尾にいたブラガは、浮きあがろうとした別の椅子を小剣で叩き落とす。と、ハリアーの祈りが最高潮に達した。
 その瞬間、床から炎が立ち昇った。不思議な事に、その炎は周囲をまったく焼き焦がしていない。だが炎は、霞の様な幽霊の本体を直撃していた。幽霊の苦悶の声が響き渡る。

『ぐわあああぁぁぁっ!!く、苦しいっ!!熱い、熱いっ!!』
「不浄なる者よ、立ち去りなさいっ!八聖者の名の下に命じます!」

 ハリアーの叫びと共に、幽霊は苦悶の声を上げながら何処ともなく消え去って行った。ハリアーは、シャリアとフィーに声をかける。

「幽霊は追い払いました。2人とも、大丈夫ですか?」
「あたた、椅子がぶつかって来ただけで、大したことは無い、です。ちょっと打っただけ、ですね。」
「あたしは気力をごっそりと吸われたみたい……。なんかちょっとだるい、かな。」
「それは幽霊の特殊能力ですね。人の生気を吸い取るんです。終わったら、ゆっくり休む必要がありますね。」

 ブラガはそんな3人を尻目に、床を調べていた。やがて彼は、床板の隙間に小剣の先をひっかけると床板を引きはがした。いや、引きはがしたわけではなく、床板が持ち上がるような構造になっていたのだ。彼は得意げに言った。

「あったぜ。はしごが据え付けてある。これで地下までこの隙間を降りていくっつーわけだ。」
「さっさと目的の物を見つけて、帰りましょ。幽霊に生気を吸われて、なんかしんどいのよ。」

 シャリアの声に、ブラガは苦笑する。彼は先頭に立って、梯子を降りて行った。一段一段、感触を確かめる様にして。彼は突然言葉を発する。

「ちょいまった!ここの一段は足、かけるなよ?なんか仕掛けがありやがる。一見じゃわからねえが、たぶん碌でもねえ仕掛けだ。」
「ど、どの一段よ?」
「ブラガさん、絵描き用の木炭を投げますから、印をつけておいてくれますか?」
「おう、わかった。」

 彼等はブラガが印を付けた一段を避けて、地下へと降りていった。



「……暗いわね。」
「今ランタンで灯りを点ける。……よし、いいぞ。」

 彼等は広い地下室にたどり着いた。そこには大きな執務机が置かれ、まるで貴族か役人の執務室の様だった。

「いいか、俺が調べるまでうかつに物に触るんじゃねえぞ。」
「わかってます。」

 ブラガの台詞に、フィーが即座に返す。ブラガは真面目な顔で、部屋をあらいざらい調べ始めた。やがて彼は、執務机の引き出しから1つの印章を取り出す。それは首飾りの様に紐が付き、首から下げられる様になっていた。

「……ありやがった。コレだ。」
「印章ですか。まるで貴族みたいですね。」
「実際、裏社会では貴族並の権力を振るったって話だ。だが、やり口があまりに悪ど過ぎて、当時の幹部連中から総スカンくらって粛清されたらしい。」
「……ちょっと待ってください。それはもしかして……。」

 ハリアーがその印章に疑念を抱き、それを確かめようとした。その瞬間である。突如、空中に霞の様な物が湧き出たかと思うと、ブラガの手にあった印章が宙に浮かんだ。そして霞の様な物は、ブラガに触れようとする。

「うわっ!?」

 ブラガはかろうじてその攻撃を躱した。霞の様な幽霊は、巨大な人の顔の様な形を取る。ハリアーは驚きの声を上げた。

「まさか!一度追い払った者が、こんなに早く戻ってくるわけが……。」
『わしの……わしの物だ……。この『証』は……。わしの……わしの……。』

 幽霊の発する声に、ハリアーはようやく納得が行く。

「なるほど、この幽霊はこの印章に憑いているんですね!道理で……。」
「ハリアー、あぶない!」

 シャリアがハリアーを、幽霊の攻撃から庇った。幽霊の攻撃は、シャリアに命中する。シャリアから、生気が吸われた。

「きゃああっ!」
「シャリア!」

 シャリアは生気を吸われ過ぎて、昏倒する。それを庇って、フィーが幽霊の前に立った。

「ちくしょう、この……。ハリアーさん、さっきの奴、もう一度お願いします!」
「は、はい。八聖者よ……。」

 フィーは幽霊の攻撃を、必死になって躱し続けた。やがてハリアーの術が完成する。

「去りなさい!不浄の者よ!」
『ぐああああぁぁぁああああぁぁぁぁっ!!熱い!熱い!おのれ、おのれえええ!わしの、わしの物だ!この『証』はわしのものだああああぁぁぁぁっ!!』
「き、効かないっ!?」

 先程、一度は幽霊を追い払った聖なる炎であったが、今回は幽霊の執念の方がその力を上回った様だ。幽霊はあの執務机を宙に浮かべると、ハリアーに向けて飛ばした。

『うごあああああああ!』
「きゃああっ!?」
「ハリアーさん、危ない!」

 だが、それをフィーが庇った。執務机はフィーに直撃する。彼は巨大な机に圧し潰された。
 ブラガは只焦るばかりだ。

「ち、ちくしょう。どうすりゃいいんだ……。」

 彼は必死で、襲い来る霞の様な幽霊を避ける。そんな彼に、更に椅子が宙に浮かび、襲いかかった。転がる様にして、彼はその椅子を避けた。

「も、もう駄目だ、避けきれねえっ!」
「やめなさい!貴方の相手は私です!」

 その時ハリアーが、持っていた余分の松明――火は点いていない――を幽霊に投げつけて気をひいた。幽霊はその挑発に乗り、ハリアーに襲いかかろうとする。
 だが、幽霊は突然壁に当たったかの様に動きを止めた。見ると、ハリアーの周囲1リート(4m)が球状に、かすかに光っている。これはハリアーが張った結界だった。
 ハリアーは、聖なる炎の術が相手に効かなかったその直後、自らに精神力を一時的に回復させる術を使った。そしてもう一度だけ大きな秘術を使うための余裕を作り出したのである。そして彼女は聖なる結界を張り巡らしたのだ。
 幽霊は、結界の外側からなんとか攻撃しようと何度も結界に体当たりを繰り返すが、聖なる力で形作られている結界は、びくともしない。
 ハリアーはブラガに向かって言った。

「この結界は、しばらく……数時間は持ちます。ですが、それだけです。幽霊は私達と、上に上る梯子の間に陣取っています。」

 そう、ハリアーと、気を失っているフィー、シャリアは部屋の奥近くにいた。ブラガは先程幽霊の攻撃を避けた際に、部屋の入り口……彼らが降りて来た梯子の近くに来ている。ブラガだけなら逃げられそうであるが、それはいくらなんでも躊躇われた。
 ハリアーはブラガを正面から見つめる。

「ブラガさん、逃げてください。」
「ば、馬鹿な……。」
「ブラガさん、何もただ逃げろなんて言ってません。助けを呼んでください。私やシャリア、フィーさんが助かるためには、それしか希望がありません。私はもう、術を使う余力がありません。」

 ブラガは、しかし口籠る。

「助けって言っても……。」
「クーガ、です。」
「く、クーガ!?」

 ハリアーは再び、はっきりと口にした。

「クーガ、です。彼ならもしかしたら、何かこの場の助けになる良い考えを持っているやもしれません。もしそうでなければ、結局助かる道は無いでしょう。」

 ブラガは絶句した。クーガは妖術師――練法師である。その彼に助けを求める事は、どうしても躊躇われる。だが確かに、そうしなければハリアー達は助からないだろう。
 幽霊は、ハリアーにどうしても手出しができない事が分かった様だ。幽霊はその霞でできた巨大な顔の様な姿をブラガに向ける。ハリアーは必死で物を投げつけて、幽霊の気をひこうとした。

「私を狙いなさいと言っているでしょうっ!ブラガさん、早く行ってください!さあ!」
「く、わ、わかった!必ず助けに戻るからな!」

 ブラガはそう言うと、梯子に飛びついて登りだす。幽霊は逃げるブラガを放っておき、再びハリアーに対し、無駄な攻撃を始めた。



 ブラガは梯子を登り切り、2階まで戻って来る。彼は階段は使わず、窓際に向かった。急いでこの館から出るため、窓から飛び降りるつもりなのだ。彼は窓を開け放つと、窓枠によじ登り、飛び降りた。

「くうっ!ふう、危ねえ……。待ってろよ、ハリアー、フィー、シャリア……。」

 上手く受け身を取り飛び降りると、彼は庭を横切り、門の外へと走り出る。ここから彼等の宿泊している酒場兼宿屋までは、結構な距離がある。彼は必死で走った。
 だがその彼を呼び止める声がした。

「ブラガ!」

 ブラガは驚いて足を止める。その声は、彼が今まさに呼びに行こうとしていた人物の声だったからだ。彼は声のした方に向き直る。

「く、クーガ!」
「ブラガ、どうしたのだね、たった1人で。他の皆は?」
「く、く、クーガ、なんでここに?」

 ブラガはそう問うたが、答えなど分かり切っている。この練法師のくせに、一見無情にも見えるくせに、実際は仲間思いのこの男は、仲間の事が心配でやって来ていたのだ。ブラガは、この男を避けていた自分が恥ずかしくなった。
 だが今は、そんな事にかまっている暇は無い。ブラガは叫ぶように言った。

「い、いやそんなことより!皆が大変なんだ!幽霊に追い詰められてる!」
「!ハリアーは?彼女の術は、幽霊の類に非常に有効なはずだ。」
「い、一回は効いたんだけどよ!けど二回目は効かなくって!術を使う余力が無いって言ってた!」

 クーガはそれを聞くと、早足で門の中へと歩きだした。ブラガはその後を追う。クーガは尋ねた。

「場所は何処かね?」
「ち、地下室だ!今案内する!一度2階に上がって……。」
「いや、その暇も惜しい。大体の位置を教えてくれ。直接『跳ぶ』。」

 ブラガはクーガの台詞の意味が一瞬分からなかった。

「と、跳ぶって……。」
「以前説明した事があったろう。練法師の技には、空間を飛び越えて移動する物がある、と。君も《瞬動》の場面は見たはずだ。あと、つい先日もあの呪操兵……宙を飛んでいた操兵が、空間を飛び越えて姿を消すのを。本来なら、仮面を持たない私には使えないのだが、私はそれを可能にする道具を持っている。……使い捨てだが、ね。」
「わ、わかった。」

 ブラガは、大体の位置をクーガに教えた。クーガは館の中に飛び込むと、結印を開始する。そしてその目で、地下室の存在を捉えた。彼が結印したのは、物を透視する術である。彼はこれで、地下室を位置をはっきりと確認したのだ。
 クーガは背負い袋の中から、長さ6リット(24cm)程の、あちこちに刻みが付いた棒――誘印杖を取り出した。ブラガがそれを見て尋ねる。

「そ、それが例の道具、か?」
「そうだ。君はここで待っていたまえ。」
「ま、待て!お、俺も行く!俺も連れてってくれ!」

 クーガは眉をぴくりと動かす。だが思う所があったのだろう、彼は誘印杖を荷物にしまい、新たに別の誘印杖を取り出した。彼は言う。

「こちらの物ならば、自分だけでなく他人も連れていける。できるだけ私の近くに寄りたまえ。ああ、あと気を楽にして、術に抵抗などしないようにな。」
「あ、ああ、わかった。」

 クーガは誘印杖の刻みに順番に指を這わせ、誘印杖に書かれている呪句を読み上げる。誘印杖に秘められている術が発動し、彼等2人は空間を跳び越えた。
 そして彼等は、ハリアーが一人で頑張っている地下室に出現する。クーガの手の中で、役目を終えた誘印杖は灰の様になって崩れ去った。ハリアーが叫ぶ。

「クーガ!来てくれたんですね!」
「少し待っていたまえ。今これを始末する。」

 クーガは徐に術の結印を開始する。低い詠唱の声が響く。それに気付いた幽霊が、クーガに襲いかかろうとするが、それをブラガが遮った。

「させるかっ!ぐわっ!」

 ブラガは幽霊に生気をかなり吸われる。だが気を失う程ではない。彼は叫んだ。

「やっちまえ、クーガ!」

 クーガは結印の最後に、腰に付けた袋の中から、ひと掴みの塩を取り出すと、霞でできた巨大な顔の様な幽霊に向けて、それを放った。そして術が完成する。

『ぐおおおぉぉぉっ!?』
「む、むうっ!!」

 クーガは全意志力を振るって、幽霊の存在を精神の中で否定した。その意志力に押され、幽霊はその存在力を失っていく。幽霊は悲鳴を上げた。

『ぐ、ぐぎゃあああああぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁっ!?』
「……。」

 霞の様な幽霊の姿は、ぱらぱらと何か粉の様な物になって床に落ちる。よく見ると、それは土の粉だった。そして何かがコトンと音を立てて床に落ちる。それはあの幽霊が執着し、取り憑いていた印章だった。
 クーガはその印章を拾い上げると、眉をぴくりと動かした。

「これは……。」
「あ、ああそれが盗賊匠合の『頭』の証だそうだ。」
「これが?……なんと大した物だな。」
「それがどうかしたんですか、クーガ?」

 シャリアとフィーの様子を見ていたハリアーが尋ねる。クーガはそれを、首飾りの様に首から下げて見せる。するとハリアーとブラガは、思わず平伏したくなるほどの威厳をクーガに感じた。

「そ、そりゃ一体……。」
「何なんですか、それは……。」
「これは、身に付けた者の威厳という物を、限界まで引き上げる物品だ。所謂、聖刻器。魔道の代物だ。」

 そう言うとクーガは、その印章を首から外した。先程までの威厳は、綺麗さっぱり消え去る。ハリアーはその印章を、複雑な表情で眺める。

「そんな物を、盗賊の組織の頭に渡しても良い物でしょうか……。」
「何、ブラガが今の盗賊匠合の頭は正統派だと言っていただろう。だったら大丈夫なのではないかね。」
「お、おう。けど、そんな物無くとも威圧感たっぷりだったけどな。ダイカってお人は。」

 クーガはブラガに印章を渡す。ブラガはそれを受け取ると、袋にしまい込んだ。



 一同は、彼らが宿泊している酒場兼宿屋の1階の酒場に集まっていた。ブラガが話を切り出す。

「あの印章は、盗賊匠合の頭に渡して来た。あれに秘められた力を教えたら、苦笑してたぜ。そんなもん無くとも、やっていけるとか言ってな。」
「ほう、大人物かも知れんな。ああ言った代物の力に惑わされないともなると。だが、いつまであの道具の誘惑に耐えられるか……。」

 ブラガの台詞に、クーガが思う所を述べる。酒場のテーブルに着いている皆が、苦笑した。ふと気付くと、ブラガが何やら言いたそうな、言いづらそうな、そんな様子を表情に浮かべている。それに気付いたフィーが、ブラガに尋ねた。

「どうしたんですか、ブラガさん。」
「あ、いや、なんだその……。」
「どうしたのよ。言いたい事ははっきり言いなさいよ。いつものブラガらしく無いわね。」

 シャリアの言葉に覚悟を決めたのか、ブラガはクーガに顔を向けた。そしてテーブルに頭を叩きつける。ごん、と痛そうな音がした。皆は驚く。ブラガは言葉を発した。

「すまなかった、クーガ!」
「……いや、私は気にしていない。顔を上げたまえ。」

 クーガはいつも通りの無表情だ。ブラガは恐る恐る顔を上げる。

「だけどよ……。仲間に対して……。それもいつも助けてもらってるのによ……。」
「あ、そーそー!あたしも今回助けてもらったんだっけね。あたし気絶してたから、わかんなかったのよねー。ありがとね、クーガ。
 ……ほんとに、アリガト。」

 割り込んだシャリアが最後だけしおらしそうに、そう言う。それに続き、フィーも礼を述べた。

「そうですね、今回は本当にあぶない所だったらしいですし。いえ、いつもいつも助けてもらって……本当にありがとうクーガさん。」
「……仲間を助けるのは、当然の事だろう。」
「クーガ、もしかして照れてますか?」

 ハリアーの台詞に、皆はクーガの顔を見つめる。クーガの顔は、いつも通り無表情の鉄面皮だった。

「ハリアー、この中で一番付き合いが長いだけあるわねー。あたしなんか、全然クーガの表情、読めないんだけど。」
「俺もですね。」
「俺もだな。」

 彼等の台詞に、ハリアーはにっこりと笑う。それを尻目に、クーガは素焼きのコップに注がれた茶を、一人啜っていた。


あとがき

 今回の事件で、ブラガとシャリアもクーガの事を本当の意味で受け入れる事ができました。これでフィー達一同は、本当に仲間になれました。めでたしめでたし、ですね。さて、次の事件はどんな物にしようかなあ……。
 ところで、もし感想を書いていただけるのでしたら、weed★hb.tp1.jp(スパム対策として全角文字にした上、@を★にしていますので、半角化して★を@に変えてください)へメールで御報せいただくか、もしくは掲示板へよろしくお願いします。どちらかと言えば、掲示板の方が手軽ですが、どちらでもお好きな方をご利用ください。


トップページへ