教育勅語等排除に関する決議(衆議院)  民主平和国家として、世界史的建設途上にあるわが国の現実は、その精神内容において、未だ決定的な民主化を確認するを得ないのは遣憾である。これが徹底に最も緊要なことは教育基本法に則り、教育の革新と振興とをはかることにある。しかるに既に過去の文書となっている教育勅語並ぴに陸海軍軍人に賜りたる勅諭、その他の教育に関する諸詔勅が、今日もなお国民道徳の指導原理としての性格を、維持しているかの如く誤解されるのは、従来の行政上の措置が不十分であったがためである。  思うに、これらの詔勅の根本理念が主権在君並ぴに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。よって憲法第九十八案の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する。政府は直ちにこれらの詔勅の謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである。