四百九十四 二月十日青森県金木町津鳥文治方より東京都下三鷹町下連雀百十三番地津島方小山清宛  積極的に動くやうになつたのは感心、感心。動きまはらないといけない。「展望」から返送になつても、決してカを落さず、すぐ次の小説の腹案にとりかかるやう。  外村さんへの紹介状は同封しましたから、さつそく、亀井さんから外村宅の略図を聞いて、この紹介状と君の原稿を持つて訪問し、いろいろ話合つてごらんなさい。  とてもいいひとですから。場合に依つては、外村さんのその雑誌にお手伝ひさせてもらつてもいいでせう。  とにかく、しつかり。こちらは、つまらぬ短篇四つ五つ書き、これから「冬の花火」といふ百枚の戯曲にとりかかる。これは問題作なり。