内閣告示「現代かなづかい」の内容を簡略にまとめ、現代人の表記の指針とすべく編緝されたもの。「五十音順當用漢字音訓表」と云ふ小册子の別册。
從來の假名遣による表記を書換へる際の指針である「現代かなづかい」には、當然「旧かなづかいを知らなければ、正しく現代かなづかいを用いることができない」と云ふ批判がされる。そこで、一般には、「旧かなづかい」の表記がどうであつたかと云ふ事を全く無視し、現代語音の立場から「現代かなづかいの原則」を説明する、と云ふ方法が行はれる。この「現代かなづかいの要領」はその一例である。
多くの辭書が、この「要領」を參考資料として「現代かなづかい」の條文の代りに卷末に掲げてゐた。「現代表記」の説明として、大變便利であつた爲である。